犬は行動することで、多くの感情や気持ちを人間に伝えようとします。

ときどき犬は人の周りをぐるぐる回ることがありますが、やはりそこにも何か意味を見いだすことができます。

何のためにぐるぐると人の周りを回るのか、その心理をご紹介します。

運動が足りていない

犬によって必要な運動量は違います。

それは個性の一つなので、飼い主がもう十分だろうと思っても、犬からしたらまだまだ物足りないと感じている場合もあります。

そんなとき、犬は飼い主の周りをぐるぐる回り、自分の気持ちをアピールします。

ぐるぐると回ることで足りない分の運動を行い、少しでも発散させようとしています。

さらに飼い主の周りにいることで、散歩の催促とコミュニケーションも同時に行っています。

犬はかしこいので、一度の行動にたくさんの意味をこめることもあります。

散歩の後なのにしつこく回るような行動を見せたなら、散歩のコースを変えたり、歩く距離を増やしたりしてみましょう。

犬が必要だと思う距離を掴むまで、いくつかパターンを考えてみるといいですね。

運動不足はストレスや肥満などの原因にもなります。

運動の催促には、なるべく応えてあげるようにしてください。

おねだりをしている

人の周りを回ることで、何かおねだりをしている可能性もあります。

以前に飼い主の周りを回っていたとき、何か嬉しいものがもらえたか、楽しいと思えることがあったのかもしれません。

犬の中でその嬉しさが、ぐるぐる回るという行動と結びつき、繰り返すようになったのでしょう。

しかし飼い主としては、ぐるぐる回る度に何かご褒美をあげるわけにはいきません。

すると犬は報酬や欲求を満たせなくなります。

そのことでストレスを感じたり、より積極的な行動に出たりするかもしれません。

ぐるぐる回ることが直接何かと関係していないことをわからせるために、止まっているときにも同じような報酬をあげたり、大人しくしていることを褒めてあげたりしましょう。

すると犬は回らなくてもご褒美がもらえることに気づき、やがて行動を改めていきます。

引きとめようとしている

飼い主が仕事やプライベートで外出するとき、周囲をぐるぐると回るようなら、必死に引きとめようとしている可能性があります。

仲良しの関係が築けていると、犬は少しでも飼い主と時間を共有しようと考え、飼い主一人での行動を阻止しようとします。

一人ぼっちが嫌いで、留守番が苦手な犬はより必死に飼い主を引きとめようとします。

もしかしたら飼い主のいない時間に、想像以上の孤独と不安を感じているのかもしれません。

自分のいない時間を快適に過ごしてもらえるように、外出時はおもちゃを置いたり、テレビを点けっぱなしにしたりして、犬の気がまぎれるような工夫をしましょう。

夜が遅くなるようなら、真っ暗にならないように明かりを用意するのもいいですね。

飼い主と離れることが負担にならないように、目の届かない時間のケアもしっかりとしてあげましょう。

ストレスを吐き出したい

犬がぐるぐると回り続け、いつまでも落ちつかない様子なら、何か強いストレスを感じているのかもしれません。

犬はストレスを体の中では消化できず、行動によって発散しようと考えます。

同じ動きやパターン化された行動を繰り返すことで、ストレスを吐き出しているのでしょう。

ストレスといっても、その種類や原因は様々で、特定が難しくなります。

不安を感じているのか、不満を訴えているのか、日々の行動を観察して、いち早く解消できるように努めましょう。

犬を暇な状態で放置していると、時間を持て余すことでストレスを与えてしまいます。

最近かまっていないと思ったら、犬のために少しでもいいから時間を確保してあげましょう。

飼い主の周りをぐるぐると回る行為には、単純に遊んでほしいというサインが隠されていることもあります。

見知らぬ相手を警戒している

来客や見知らぬ人が自分のテリトリーに侵入してきたときにも、犬はその人の周りをぐるぐる回ることがあります。

ゆっくりとした動きで相手の臭いを嗅いでいるようなら、情報を収集しながらテリトリーに入れていいのかどうか判断しているのかもしれません。

そのまま相手を認めて離れればいいのですが、不安を覚えた場合は攻撃的な態度に出ることもあります。

飼い主はそっと犬に触れて、興奮させないように注意しましょう。

犬のためにも、そして来客される人のためにも、飼い主は犬の行動を見守り、きちんと管理する責任があります。

知らない相手を警戒することは、犬にとっては普通のことであり、悪気は一切ありません。

だからこそ、お互いに気持ちよく空間を共有してもらえるように、上手に間を取り持つようにしましょう。

犬が人の周囲をぐるぐると回る理由を知ろう

犬の行動は言葉です。

そこには間違いなく何か意味があり、伝えようという意思があります。

飼い主は日々の行動を欠かさず観察することで、犬の行動を読みとる技術を磨く必要があります。

人の周りをぐるぐると回るとき、その犬は何を思うのか。

考えられるたくさんの可能性の中から、正確な答えをいつでも導けるように、訓練を重ねていくようにしましょう。