スコティッシュ・フォールドと言えば、“まんまるおめめ”に、“垂れ耳”といった、何とも愛くるしい容姿をした猫です。
イギリスのスコットランド出身で、しっかりとした体格・甘えんぼうで、遊び好きな性格の持ち主です。
ここでは一般的にスコティッシュ・フォールドという種の猫の成長について記載します。
1.スコティッシュ・フォールドの赤ちゃん
スコティッシュ・フォールドは、生まれた時はどの子も耳はすべて縦耳です。
生後3週間から1ヶ月程度で、そのうちの約3割程度の子がたれ耳へと変化する場合があります。
生まれた時の大きさは、他の猫たちと大きく変わりはありません。
生後約6ヶ月頃には体重が約4~6Kgと比較的大きく成長し、大体この程度で身体の成長は落ち着きます。
赤ちゃんの頃から手足は大きくがっしりとした印象で、成猫になっても他の猫に比べて手足は太い印象です。
2.かわいいだけではない。スコティッシュフォールドのたれ耳にはリスクも
そもそもスコティッシュ・フォールドの耳は、なぜ垂れ耳となるのでしょうか。
それは、偶然できた突然変異が原因であるそうです。
スコティッシュ・フォールドに特徴的な、腰を抜かしたような座り方=スコ座りなどと呼ばれていますが、股関節や脊椎の形成不全のために起きる現象でもあるそうです。
人間からすれば非常に愛くるしく、たまらない容姿や仕草のように思えます。
こうしてスコティッシュ・フォールドの特徴をとらえると、将来的に遺伝子疾患が起きやすくなるというリスクも伴うということが分かります。
遺伝性骨軟骨異形成症といって、しっぽや手足の関節軟骨が瘤状に大きくなり、痛みと歩行困難を伴うようです。
このように、関節に異常が起きやすいため、しっぽや後ろ足に変形がないか注意することが必要です。
3.スコティッシュ・フォールドの性格の変化
スコティッシュ・フォールドは、好奇心が強く、遊び好きな子が多いです。
とても家族と過ごすことを好み、飼い主さんの姿が見えなくなると寂しいのか不安になるのか、すかさず後をついて来たりします。
小さいうちだけに見られる行動かと思うと、そういうわけでもなく生後1年が過ぎ、ほとんど成猫になってからも同じような行動が見られます。
また、家族がTVに真剣になっていたりすると自分の存在をアピールするかのように、TV台に乗り、堂々と真ん中ですまし顔を見せたりします。
家庭的な性格で環境変化にさほど動じません。
そのため、子どもとの相性が良かったり、多頭飼いにも向いている性格であることが多いです。
また、好奇心は旺盛ですが、大きないたずらはあまりしない子が多いです。
スコティッシュ・フォールドは温厚な性格のため、大声で鳴いたり攻撃することはほとんどありません。
鳴き声も小さいことで知られているので、マンション等で飼うことも安心かもしれません。
4.スコティッシュ・フォールドの外見的ケア
スコティッシュ・フォールドは、毛の長さや色は様々で、短毛であったり長毛であったりその子によって色々なパターンが存在します。
生後1年程度でかなり抜け毛も多くなります。
様々な毛の子がいるといっても、比較的長毛が多く抜けやすいので週に2~3回のブラッシングは必要です。
猫自身もグルーミングはしますが、どうしても毛玉になりやすいこともあります。
また、スコティッシュ・フォールドではいわゆる“ぶちゃ可愛い”や“つぶれ顔”の子も多いです。
これも愛くるしくたまらないという人もいると思いますが、つぶれ顔=目がぎょろっと飛び出ています。
そのため、眼球の乾燥を防ぐため、涙が常に出ている状態です。
そのままにしていると、目の周りの毛が赤黒く涙やけしてしまうので、時々優しく拭いてあげることが必要です。
子猫の頃はこまめに見てあげて、ある程度大きくなると自分でも手で涙を拭けるようになりますので、時々気にしてあげると良いでしょう。
また、つぶれ顔の子は鼻が低くつぶれているので、子猫のうちは上手にエサを食べられているか見てあげる必要があるあります。
5.スコティッシュ・フォールドの成長に合わせた食事の変化
スコティッシュ・フォールドの食事としては、他の猫とさほど大きな変わりはないと思います。
生後1~3か月の内は、カリカリ(乾燥キャットフード)を小さなタッパーなどに40g程度(これを1日2回分として)入れ、お湯でふやかしたものを与えます。
子猫のうちはしっかりキャットフードを噛めず、丸のみしてしまうと困るので咀嚼と消化を助けるため、このような工夫が必要です。
生後3か月を過ぎると徐々にカリカリの固さに慣れさせていき、生後6ヶ月頃には普通のキャットフードを1日80g程度上手に噛めるようになります。
つぶれ顔の猫は、歯のかみ合わせが悪い場合があるので、子猫のうちからよく食事を見てあげることが必要です。
スコティッシュ・フォールドと楽しく過ごすために
スコティッシュ・フォールドは本当に愛らしい容姿の猫です。
前述したように他の猫と比べ、軟骨の異形成を起こしている場合が多く、将来的に障害が発生するリスクも高いと認識したうえで生活する必要があります。
スコティッシュ・フォールドの特徴をとらえ、ポイントに沿ったケアをしてあげられればきっと素敵なスコティッシュ・フォールドとの生活が送られるのではないでしょうか。