引っ越しというのはいろいろ手間や時間もかかりますが、どこか楽しみでもあったりします。

しかし、犬にとっての引っ越しは、かなりストレスになるということはよく知られています。

ですが、人生には引っ越しをせざるをえない事情というのもありますよね。

今回は犬に負担をかけない引っ越しの方法についてご紹介します。

1.前の家で愛犬が使っていたものを持っていく

人間の都合での引っ越しというのは、犬にはわからないことだらけです。

知らない家、いままでと違う部屋、はじめて嗅ぐ匂い…。

新居にいきなり連れてこられても、わけがわからない状態になってしまいます。

いずれは慣れてくれますが、犬に早く慣れてもらうためには、いくつかのポイントがあります。

その中でもいちばん大切なのは、前の家で使っていたケージやタオル、トイレを持っていくということです。

マーキングの行動に現れるように、自分の臭いがついているものというのは、とても大切なことです。

「引っ越しついでに新しいものを」と思ったりする気持ちもわかります。

しかし、そうしたものは、犬にとっては自分の居場所ではないように感じられる要因になります。

ですので、お気に入りのものは絶対に持っていくようにしましょう。

2.リビングでゆっくり過ごす

引っ越ししたばかりの家では、荷解きなどでばたつくことも多いでしょう。

しかし、犬のことを考えるなら、早い段階でケージやトイレの場所を決めてあげましょう。

犬のための居場所を作ってあげるということが大切です。

引っ越しの直後にはストレスを感じたり、緊張したりして、犬はとても敏感になっています。

いろいろと忙しいのもわかるりますが、犬がゆっくり過ごせるように準備してあげましょう。

犬は寂しがる動物なので、なるべく人がいるリビングなどがよいでしょう。

また、飼い主に抱かれていると「安全なんだ」と心も落ち着くものです。

引っ越し後の数日は、いっしょに過ごす時間をたっぷりと取りましょう。

スキンシップを取りながら、新しいおうちであることを教えてあげてください。

3.散歩は少しずつ慣らす

犬にとって重要な日課でもある散歩。

しかし、見知らぬ土地での散歩は、さすがの犬でも緊張したりします。

張り切って周辺を探索する前に、少しずつ慣れてもらうようにしましょう。

引っ越し後数日のうちは、家の周りをぐるっと一周するくらいの散歩で良いでしょう。

徐々に距離や時間を伸ばすように心がけて、犬の負担を少なくしましょう。

途中でお気に入りの公園などがあるようであれば、休憩を挟みながらゆっくりするのもオススメです。

散歩の目的は運動だけでなく、周りにどんな犬や飼い主さんがいるかを調べる目的もあります。

飼い主さん同士のコミュニケーションで、さまざまな情報が得られるかもしれません。

ですので、一ヶ月くらいは様子を見ながらの散歩を心がけましょう。

4.愛犬のしつけは寛容な心で

犬は、トイレシートを変えただけでも粗相をするようになることがあります。

人間だけでなく、犬にとっても引っ越しというのはビッグ・イベントです。

混乱やストレスから、それまでできていたことができなくなってしまうことも往々にしてあります。

ですので、最初のうちのトイレの失敗などは、決して叱らないようにしましょう。

飼い主としては、一から覚えてもらうような心構えをしておくことが大切です。

また、犬が迷わないように、引っ越し後は早いうちにトイレの場所を決めておくようにしましょう。

留守中に吠えたり、夜鳴きをすることもあったりします。

しかし、こうしたことにも寛容な心で対処するようにしてください。

犬の不安な気持ちを察してあげて、あまり厳しくしすぎないようにじゅうぶん注意しましょう。

5.愛犬への長時間の移動対策

犬に負担がかかるのは、何も引っ越し後だけではありません。

忘れてはならないのが、引っ越し中の長距離の移動です。

室内で放している犬には、あまりケージに入れての移動に慣れていない犬もいたりします。

まず、引っ越しが決まったら、少しずつ引っ越しや移動の準備を進めるようにしましょう。

移動用のケージに入ったり、車での移動は、最初のうちは嫌がったりするでしょう。

ちょっと大げさに聞こえるかもしれませんが、少しでも慣れてもらうようにトレーニングします。

ケージなどには、臭いのついたタオルやお気に入りのおもちゃを入れておくようにしましょう。

抵抗なく入ってくれるようになれば、じゅうぶん成功だと言えます。

ケージに入ってくれるようになったら、練習も兼ねてお出かけしても良いかもしれませんね。

犬に負担をかけずに引っ越しをしよう

引っ越しというのは人間でもかなり疲れますが、犬はそれ以上に強い負担がかかっています。

新しい環境に慣れるまでは、いたずらをしたり、失敗もあります。

少しでも早く新しいお家に慣れてもらうためにも、飼い主のケアが必要なタイミングです。

また、引っ越し後の体調を崩したりすることもあるので、様子をしっかりと観察するようにしましょう。