考えたくない事ではありますが、愛犬の死というのは飼い主である私達よりも先に訪れるもの。
愛犬の死に直面した時、呆然とし何も考えられなくなるのが普通です。
しかし、やるべきことを怠ってしまうと、正しく愛犬を見送れない場合があります。
目を背けたい事実ではありますが“もしも”が訪れた場合のやるべき事をご紹介します。
死亡直後・遺体の適切な扱い方
死亡すると免疫力は無くなり、微生物の繁殖が増えます。
その微生物が遺体の腐敗を進めてしまいます。
ですから、丁寧に後処理を行いましょう。
まず、身体を濡れタオルで拭きキレイにします。
死亡してから血や排せつ物が体外に出てしまう事があるのでその都度、キレイにして下さい。
犬も人間と同様死後硬直が起こります。
始まる時間は死亡から約2、3時間。
身体が固まってしまうと、移動する際、持ち運びが困難になってしまいます。
大型犬ですと特にそうです。
身体を清め終わったら、瞼を閉じ、手足を胸の方に軽く折り曲げ寝るような体勢、または伏せのポーズに変えてあげることがベストでしょう。
遺体の安置
自宅で愛犬の最後を看取った場合は、然るべき場所に移動するまでの間ご自身で遺体を安置しなくてはなりません。
愛犬を清め終わったら、安置する場所を作ってあげます。
小屋やケージの中などいつも過ごしていた場所で落ち着かせたい気持ちもありますが、適正に温度を調整した場所で安置をしないと腐敗が進んでしまいます。
愛犬を入れることの出来る大きさの箱を用意します。
段ボール箱などで構いません。
箱の底にバスタオル、またはクッション愛犬が使用していたマットレスなどを敷き、その上に愛犬を置きます。
次に遺体の腐敗進行を遅らせます。
飼い主さんと生活圏を隔離できる部屋があるのであれば、その部屋を低温に設定し愛犬を安置した方が良いでしょう。
その上で、箱の中にいる愛犬を冷やします。
市販の保冷剤、無ければ氷を入れたビニール袋を頭部と腹部にあて、タオルなどで固定します。
時間が立つにつれ冷却効果は弱まってしまうので、数時間ごとに交換してください。
丁寧にケアすることによって遺体の腐敗進行を遅らせることが出来ます。
ですが、やはり腐敗は止めることが出来ません。
冬場は2、3日夏場は1、2日が限界です。
自宅で安置をしている間に、次にするべきことを進めましょう。
愛犬の火葬・埋葬
亡くなった愛犬を公園や山などに埋葬するのは法律違反です。
ご自宅の庭など私有地に埋葬することは可能ですが、腐乱臭がしないよう地中深く掘り進め埋葬する、というのは現実的ではありません。
火葬を依頼し、遺骨を持ち帰り自宅に保管埋葬、またはペット霊園に埋葬してもらうという流れが一般的です。
火葬は皆さんがお住まいの各自治体に依頼が可能です。
しかし、その対応は様々。
通常は合同で火葬していますが、ペット専用焼却炉がある自治体もあります。
また、業者に委託してしまう自治体もあります。
これは、犬の死体は法律で廃棄物と同等に扱われる為です。
気持ちの整理をつけて愛犬を見送りたい飼い主さんは、ペット専用の火葬施設を選びましょう。
火葬方法は2種類。
霊園などに出向く固定式火葬炉か、自宅に火葬車がやってくる訪問火葬です。
埋葬方法も大きく分けて2種類。
自宅か霊園に埋葬する方法。
自宅では見える場所に置いておく手元供養か庭などに埋葬するという方法があります。
霊園で埋葬する場合は、他のペットなどと共に供養してもらう合同埋葬かペット専用墓地で個別に埋葬してもらうかです。
飼い主さんの都合の良い火葬、埋葬方法を選んでください。
犬の死亡届け
愛犬を見送れば、最後に飼い主さんがやるべきことは死亡届けの提出です。
なぜ、死亡届を提出しなければならないのか。
愛犬を飼い始めた当初、狂犬病予防注射票の登録を皆さん行ったと思います。
この登録を死亡届けを提出することによって抹消しなければならないからです。
死亡届けを出さなければ、いつまでも注射督促状など自治体から届くことになるからです。
死亡届けを提出する期間は、愛犬が死亡してから30日以内。
届け出先は、登録をした市町村の役場です。
死亡届けは難しいものではありません。
死亡届けに必要事項を記載するのみです。
必要なものは犬鑑札、狂犬病予防注射済票です。
死亡届けは各市町村からダウンロードできます。
不安事項があれば、登録した市町村に確認をとってみると良いでしょう。
愛犬が死亡して辛い時期ですが、最後までしっかり飼い主の仕事を全うしてください。
亡くなった際のことを知っておくことが愛犬のため
冒頭にも書きましたが、愛犬の死は考えたくないもの。
しかし、必ず直面することです。
死亡した時のケア、対処をしっかりしておけば“あの時ああしてあげれば良かった”という後悔もありません。
死亡した直後に火葬・埋葬場所を探す気力はなかなか出ないもの。
まだ愛犬が元気で飼い主さんに心の余裕があるうちに、軽くで良いので上記の記事を参考に下調べしてください。
後悔や激しいペットロスに襲われない為にも、その下調べがきっと役に立ちます。