犬の寿命は平均十数年と言われていて、近年は長生きする個体が多くなってきました。
飼い主にとっては嬉しいですが、高齢化が進むにつれて、病気になるリスクも高くなっています。
今回は犬の年齢を人間に換算して、気をつける点などをご紹介します。
生後1ヶ月は1歳前後
犬種によって差はありますが、生まれたての頃はほとんどの犬が人間の赤ちゃんと同等の幼さです。
と言っても、生後1ヶ月で人間で言う1歳なので、成長の早さは見ての通りです。
この頃から母親と遊んだり、兄妹、また人間と遊ぶことの楽しさを知っていきます。
子犬は可愛いので、今すぐにでも飼いたいと思ってしまいますが、あまり早く親離れさせるのは良くありません。
それはこの時期に、犬同士で遊ぶことによって社会のルールを身につけるからです。
社会のルールを知らないまま飼い犬になってしまうと、噛む強さの加減や他の犬、人間との協調性がなくなってしまいます。
生後2ヶ月を過ぎた頃に親離れをし始めるため、この時期が飼育をはじめるのには最適です。
また、生後2、3ヶ月目にはワクチンの接種を行います。
人間の赤ちゃんも生後2ヶ月をめどにワクチンを接種します。
生後半年は10歳前後
ワクチンの接種が落ち着き、お家にも慣れ始めた頃、犬は遊ぶのが大好きな10歳前後になっています。
この頃には永久歯がすべて生え、犬としての自我が芽生えています。
しつけもこの時期に始めることが多く、すでに自分が家庭で一番偉いと思っている可能性もあります。
犬自身の性格もしっかりあり、感情表現も豊かになります。
その反面、飼い主をバカにしたり試したりする行動も見られます。
しつけは大人になってからも可能ですが、この時期にしっかりと訓練しておきましょう。
生後1年で18歳前後
産まれて1年で、ほぼ一人前の大人になります。
大型犬の場合はまだ成長途中のため、体は大きくなりますが、心はすでに一丁前です。
自分の性格はもちろん、飼い主の性格も把握しています。
1歳になるまでに、しつけや食生活、家族とのコミュニケーションをしっかりとることが大切です。
犬は一度経験したことを記憶しておくので、1歳前に覚えたことは今後もずっと覚えています。
逆にいえば、1歳までに信頼関係を築けていないと、仲良くなるのには時間がかかります。
幼少期より愛情を持って、飼い主としての責任を果たしましょう。
5年生きると35歳前後
犬の寿命は12~15年と言われていて、3分の一を迎えると35歳前後となります。
人間の寿命をおおよそ100歳とすると、こちらも3分の一を過ぎた計算になります。
人間だと働き盛りの年齢ですが、悪習慣の影響で病気になりやすい時期とも言えます。
これは犬も同様で、5年経つと虫歯があったり肥満気味だったり、体に何かしらのサインが出ている時期でもあります。
5歳を迎えたあたりからは、少なくとも1年に1回、健康診断をするように心がけましょう。
大人になってから病気になると、治りにくいだけではなく悪化しやすい傾向にあります。
防げる病気などは事前に予防しましょう。
10年生きると60歳代
10年も生きると犬は老犬と言えます。
年々運動量が少なくなり、免疫力も落ちてくる時期です。
無理に遊ばせるのはかえって逆効果のため、余裕を持った生活を心がけましょう。
10歳になるよりも早い7、8歳頃より、体力は落ち初めて行きます。
この頃からより注意深く日頃の様子を観察しましょう。
また、運動量が減るので食事の見直しも大切です。
あまり高カロリーのものを与え続けると肥満になるだけでなく、他の病気も発症してしまう危険性があるので、ヘルシー系のエサに変えていきましょう。
12歳前後は70歳以上
幼少期の成長スピード以上に、歳をとるスピードは速いです。
10歳を越えたあたりから、昨日までは元気だったのが急にぐったりしている、なんて事もありえます。
エサやトイレの失敗も多くなりますが、決して責めてはいけません。
優しく見守ってあげましょう。
寒さや暑さにも弱いので、空調の管理も大切です。
寝たきりの犬も増えますが、こまめにマッサージすることで血液の滞りを抑えることができます。
また、歳をとると、病院での処置を受ける体力がない場合があります。
そうなってしまうと、お家で最期を看取る覚悟も必要になってきます。
寿命に関しては、犬の方が早く旅立ってしまうので、飼う時に覚悟は決めておきましょう。
犬の人間換算した年齢を知ろう
犬は人間の数倍の速さで歳をとります。
迎えた頃は赤ちゃんでも、数年たって人間の年齢を大きく越えてしまいます。
年齢によって必要なケアは人間も同じです。
どのようなケアが必要なのか前もって知っておくだけで、今後の対策や処置をとることができます。
いつまでも愛情を持ってお世話してあげましょう。