犬には「縄張り意識」というものがあることは、よく知られていますよね。

しかし、それゆえの仕草や行動に悩まされたりすることもあるのではないでしょうか。

今回は、そんな犬の縄張り意識について、行動やどの原因などをご紹介します。

縄張りを示す行動

犬が日常的に見せる行動に、その縄張り意識が見られたりします。

しかし、その原因を知らなければ、「そういう動物だから」と見過ごしてしまうでしょう。

例えば、わかりやすい典型的な行動として、吠えるというものがあります。

インターホンが鳴ったり、玄関のドアが開くと、口火を切って吠え出したりすることはありませんか?

これは、縄張り意識からもたらされる行動として、もっともわかりやすいといえるでしょう。

また、散歩の途中で電柱のたびに立ち止まっておしっこをするというのも、心当たりがあるでしょう。

正確にいえば、実は排尿ではなく、尿のにおいでマーキングしています。

これらは、決して犬が好きでやっていたり、性格という問題ではありません。

犬の縄張り意識はオオカミの名残り

こうした縄張り意識に基づく犬の行動は、その遺伝や習性からきています。

人を噛むという問題行動も、縄張り意識というのが大きく関係しているといえます。

単に犬の気性が荒いとか、しつけの問題とも言い切れません。

人間が犬のテリトリーを犯すような行動をしたり、威嚇などの警告を無視して噛みつくという場合が多いのです。

厄介とも思えるこうした縄張り意識は、先祖であるオオカミの習性を見ればよくわかるでしょう。

数等の群れで暮らすオオカミは、群れで縄張りを持ちます。

そして、その縄張りに入ってくる他のオオカミや動物を敵とみなし、攻撃態勢を取ります。

こうしたオオカミの縄張り意識が、犬にも根強く残っているのです。

その行動には意味がある

ペットとして飼っている犬の縄張り意識といっても、どこかピンとこないかもしれません。

普段はあんなにかわいくて大人しいのに、と思う人もいるでしょう。

しかし、そうした習性があり、それによって問題行動を取る可能性があるということを知っておくのはとても大切です。

一見、何の気なしに取っているような行動かもしれません。

しかし、それを止めさせるためには、その原因を知り、適切にしつけをする必要があります。

無暗にダメといってしかるのが効果的ではないのは、多くの人が経験しているはずです。

犬といっしょに生活して、うまく付き合っていくには、習性を知ることが基本です。

来客に吠えたり、散歩中のマーキングについて、詳しくその意味を知るようにしましょう。

知らない人に吠える

縄張り意識の表れとして、もっともわかりやすいのが吠えるという行動です。

当たり前かもしれませんが、犬はよく吠える動物です。

吠え癖のしつけはとくに重要とされていますが、とにかくいろいろなことで吠えます。

「早くエサちょうだい」とか、「おかえり」といった感情の表現でも吠えることがあります。

しかし、冒頭で紹介したように来客やインターホンに吠えるのはまったく別です。

これには、外からテリトリー内に外的が入ってきたと警戒しているための行動です。

もしくは、飼い主に身の危険を知らせているとも考えられます。

このタイミングで吠えるのには敵を威嚇する意味合いもあり、放置してはいけません。

その都度、危険ではないことを伝えて、吠えてはいけないと教える必要があります。

散歩中のマーキング

散歩の途中に、あちこちにマーキングする犬をよく見かけます。

一見すると害はなさそうだが、これも縄張り意識からくる行動のひとつです。

軒先の芝や花にマーキングさせられるのは、その家の人にとってよい気分はしません。

実際に、植物が枯れるなどの悪影響も出たりするので、ご近所トラブルにも発展しやすい行動です。

マーキングは嗅覚の優れた犬にとって、尿のにおいで縄張りをアピールしています。

また、自分のにおいのあるとことには、繰り返しマーキングするようになります。

なので、マーキングしそうになったら、強くリードを引いてダメだということを伝えてください。

プラスして、散歩に行くときには水を入れたペットボトルを携行しましょう。

マーキングをしてしまったときには、必ずじゅうぶんに水をかけるようにしてください。

きちんとしたしつけを

大きな声で吠えたり、あちこちにするマーキングは、ご近所トラブルになりやすい行動です。

縄張り意識のある犬本来の習性とはいえ、すべての人に理解されるものではありません。

そのため、飼い主は犬には縄張り意識があり、それに基づく行動をするという認識が必要です。

その上で、きちんとしつけをして、迷惑をかけないようにするというのは、犬を飼う人の責任ともいえるでしょう。

こうした習性を知らなければ、なぜこのような行動をするのか、わかりませんよね。

また、群れで暮らしていたオオカミは、群れの中でリーダーが存在します。

群れでは上下関係などもあり、しっかりとした社会性のある動物です。

犬を甘やかしてはいけないといわれるのは、こうした社会性のある動物だからです。

飼い主との主従関係を覚えさせるのも、縄張り意識に基づく行動を制御するのに必要となります。

犬の縄張り意識を理解しよう

犬の持つ「縄張り意識」というのは、人間にはなかなかわかりづらい習性かもしれません。

しかし、きちんと知っておかなければ、来客に吠えたりするのも好奇心と思ってしまうでしょう。

これが縄張りに侵入される敵に対する威嚇だとわかれば、自ずと対処方法も変わってきます。

こうした行動をうっかり見過ごしてしまえば、犬に噛まれたり、ケガをさせてしまうこともあります。

しっかりと犬の縄張り意識を理解しておくのは、うまく暮らしていくための銃よなヒントにもなります。