犬は一見すると同じような表情をしているように見えますが、一度飼って毎日見つめるようになると、まるで飼い主に語りかけるように、とても豊かな表情を見せてくれるようになります。

ところが、その姿を写真に撮ろうとスマホを取り出したものの、なんだかうまく撮れない、思っていたのと全然違う、となってしまう場合があります。

いったい何が原因なのでしょうか?

そして、どうやったら上手に、思い通りの一枚を撮ることができるのでしょうか。

出来るだけ明るい場所で撮る

おとなしい犬も中にはいますが、たいていの犬は普段から元気良く動き回ります。

そうした犬達の生き生きとした姿はとても魅力的なのですが、いざ写してみるとブレた写真になりがちです。

特に日中であっても、暗い室内や夜間といった光の量が少ない場所ではより写真はブレやすくなります。

暗い室内などではなるべく照明を一番明るい状態にしたり、影にならない場所に犬を呼んでおいた方が良いでしょう。

また、できるのであれば、撮影は日が落ちた後の時間帯を避け、晴れた日の明るい自然光を利用した、屋外での撮影が望ましいです。

背景を整理して主役を引き立てる

主役を引き立てるのは背景です。

主役である犬を引き立てる為に、写真のバックに写る背景を意識しましょう。

例えば、被写体である犬の毛色と同じような背景にしてしまうと、主役であるはずの犬が目立たなくなってしまいます。

こういった場合は、なるべく背景に別の色が来るように心がけると良いでしょう。

また、背景がゴチャゴチャと物で溢れかえっている場合も、主役が引き立ちません。

特に室内では目を引く色の強い物が多いため、出来るだけ背景には物を置かない方が良いです。

すっきりとした印象で犬に視線が行くように撮ると、素敵な写真になります。

逆に、その犬の性格などに合ったアイテムなどは積極的に取り入れると素敵な写真になります。

お気に入りのオモチャ、イタズラして歯形がついてしまったイスの足など、成長や思い出を一緒に写してあげることで、その犬らしい個性ある一枚を撮ることができます。

スマホのカメラの高さや距離を変化させてバリエーションを増やす

カメラの高さを意識せずに撮ってしまうと、私達人間の視線から撮った、見下ろし写真ばかりになりがちです。

また、犬との距離も意識しなければ、表情を映そうと、顔のアップ写真ばかり撮ってしまうことになります。

時には犬の目の高さぐらいまでスマホの高さを落とし、床だけではなく、公園の木や遊具など遠景が写る写真にすることで魅力的な写真にすることが出来ます。

場所を写すことで、後から見たときに、そのときのエピソードがよみがえる、思い出の一枚を写すことが出来ます。

それに、あえて一歩引いて全身が写るように撮ることで、そのときその犬が何をしたかったのか、表情だけでは読み取れない部分まで写すことが出来る場合があります。

意識的にスマホのカメラの高さや距離を変化させて、素敵なアングルを探して見ましょう。

オモチャやオヤツで自然な表情を引き出す

風景写真などと違い、動物の魅力はその魅力的な表情にあります。

大好きなオモチャや、お気に入りのオヤツを使ったりして興味を引いてあげると良いでしょう。

また、なるべく自然体で入られるように名前を呼んで緊張を解いてあげるのも有効です。

一方、時にはこちらからどうにかしようとするのではなく、犬が自然と心を許してくれるまで待つことも大切です。

明らかに機嫌が悪いときや嫌がっているときは、無理をせずにまたの機会にしてあげましょう。

大きな音や強い光などで怖がらせないようにする

初めてスマホのカメラを向けられるときは、人だけではなく犬も警戒します。

嫌がっているのに追い回されればカメラが嫌になりますし、ものすごく高い位置から覗き込まれれば怯えてしまいます。

また、気を引こうと普段以上に大きな声を出したりせず、そして雷などが鳴っていたりする日も気をつけましょう。

特に警戒心の強い犬は、下手をすればスマホが嫌いになってしまいます。

そうなれば二度と素敵な表情を見せてくれなくなるかもしれません。

その他、暗いからといって不用意にフラッシュを使うと、怖がって逃げてしまう犬もいます。

その場合は太陽などの自然光や、室内照明などの柔らかい光を使って、撮ってあげましょう。

できるなら普段から、嫌がらない程度にスマホのカメラを使い続けることで、カメラ慣れをさせておくと、より豊かな表情を見せてくれるでしょう。

普段から連射モードで決定的瞬間を逃さない

犬は嬉しいときには嬉しい、楽しいときには楽しいと、その時々の感情でコロコロと表情を変えて私達を楽しませてくれます。

しかし、それを写したいと思ったときにシャッターを切るタイミングが難しかったり、なかなか同じ顔を見せてくれなくて、うまくいかないということがあります。

もう一度やってということは出来ませんので、犬達が見せるその表情は一度きりだと考え、スマホのカメラは普段から連射モードにして、決定的な瞬間を逃さないように準備しておきましょう。

たとえ連射することで無駄な写真が出来てしまっても、あとから削除できますし、たくさん写しておけば、その中に一枚ぐらい、これだと思えるようなお気に入りのショットが見つかるかもしれません。

上手な愛犬の写真は愛情の証

犬達は私たち人間とは違い言葉が通じません。

突然スマホを向けられて、怖いとも言えませんし、嫌だとも言えません。

もちろん上手に写すのにカメラの撮影技術や知識は必要ですが、一番大事なのは飼い主の深い愛情です。

素敵な写真が取れるのは愛の表れ。

どんなときでも素敵な一枚を撮れるような信頼関係を築いていきたいですね。