ちょっと外に出かけようとするとついてきたり、玄関のドアの音にいち早く反応したり。

お散歩のときにはどんどん先に行ってしまって、飼い主が引っ張られり…そんな調子で、犬はお散歩が大好きというイメージは、多くの人にありますよね。

しかし、そんな犬がお散歩を嫌がるようになるときには、どんな原因が考えられるのでしょうか。

犬がケガをしている

犬だってもちろんケガをすることはあって、関節が変形していたり、形成不全などで炎症を起こしている場合があります。

こういう状態のときには、動くたびに痛みが生じているのでお散歩をすごく嫌がったりします。

先天的な場合もありますが、家の中で元気に走り回っていても、ひょんなことからケガをすることもあります。

関節を脱臼してしまったり、筋肉が断裂してしまったりすることはよくあると言ってもいいでしょう。

こうしたケガは、犬にとって決して珍しいものではありません。

特に胴が長かったりすると腰や後ろ脚に負担がかかりますし、足が短い犬種では注意が必要だったりします。

ケガをして痛がる犬を無理矢理お散歩に連れて行っても、症状が悪化するだけですので無理は禁物です。

体や関節を触って痛がっていたり、脚を引きずるような素振りがあれば早めに動物病院に連れて行きましょう。

犬が病気にかかっている

犬にとって、関節のケガと同じように、心臓疾患などにもなりやすいので気を付けたいものです。

高齢になってくると僧帽弁閉鎖不全症といって、心臓の弁が閉まらず、血液の循環が悪くなることがあります。

また、子犬の時には気管虚脱という病気にもなりやすいので注意しましょう。

どちらの場合も、運動すると呼吸が苦しくなってしまうので、活発に動かなくなるなどの兆候があります。

そうした病気以外にも、肥満気味だったりすると外に出るのを嫌がるようになります。

人間でも同じですが、やはり病気の時やその予備軍のときにはうんどうするような元気が出ません。

肥満はまだしも、内臓疾患の場合はすぐに治療が必要なケースもあります。

肥満だからといって無理に運動させると、先に挙げた関節のケガに繋がったり、散歩を余計に嫌がるようになってしまいます。

犬が首輪を嫌がっている

最近、このような症状のときに多く見られるのが、首輪やハーネスをつけるのを嫌がるパターンです。

体に合っていないハーネスを使っていると、胸の圧迫感や不快感を感じているということがよくあります。

お散歩するときのリードでぐいぐい引っ張られたりして、関節や皮膚を痛めてしまう場合も見受けられます。

結果として、首輪やハーネスの装着ではなく、散歩自体が嫌いになってしまいます。

対処方法としては、まずは、体に合った首輪やハーネスを選ぶことが大切です。

散歩のときのリードの長さや、皮膚に優しい首輪の素材にも気を使ってあげた方がよいでしょう。

これは犬のしつけにも関ってきますが、散歩の時にリードを引っ張らなくてもよいようにするのがベストです。

なるべくリラックスして、体に負担のかからないお散歩を心掛けてあげたいものです。

犬が外に出ることを怖がっている

散歩のときに外で怖い体験をすると、急に外に出るのを嫌がったりすることがあります。

例えば、散歩の途中で他の犬に吠えられたり、車に轢かれそうになったりするといったアクシデントが考えられます。

そうした記憶が強く残ってしまうと、外に出ることを怖がるようになります。

犬だって何も考えずに歩いているわけではないので、そういう心境は飼い主が察してあげたいものです。

それから、いくら散歩好きの犬でも、いつでも散歩したいわけではありません。

夏の真っ昼間の炎天下だったり、冬の早朝の凍てつく寒さだったり、極端な気候のときには散歩を嫌がる犬もいます。

こういうタイミングは犬のためにも散歩は避けた方がいい場合もあります。

お散歩をする時間や外の状況も考えて、なるべく運動のしやすい時間帯や場所を選んであげましょう。

犬が飼い主に甘えている

人間と同じように、犬にも自分と他の生き物を認識する社会性というものがあります。

犬の場合には、一般的に生まれて2、3ヶ月くらいが社会性や感受性を培われるタイミングだと言われています。

この時期にお散歩をしたりして社会性を育たり、いろいろな刺激をあげないと、他のものに恐怖心を抱きやすくなってしまいます。

また、この時期に怖い体験をするとトラウマになることもあるので、最初は人や動物の少ない場所から、徐々に刺激に慣らしてあげるようにしましょう。

他にも、お散歩するときにおやつがもらえると思って甘えている場合もあります。

「お散歩の途中で動かなくなったから」とか、「なかなか外に出ようとしないから」と、安易におやつをあげていませんか?

「ご褒美がある」と思い込んでしまって、それを待ち構えているということもあります。

中には、もともと散歩をしたがらない性格の犬もいますので、根気よく、甘やかさずに外に連れていくことも必要です。

散歩に行きたがらない犬の原因を知ろう

やはり、散歩をしたがらないときにいちばん心配なのは、犬のケガや病気ですよね。

人間のように言葉で症状を訴えることができないので、こうした変化から兆候を見つけてあげたいものです。

飼い犬として人気のダックスフントやチワワのような小型犬は、関節を痛めてしまうことも多かったりします。

ゴールデンレトリーバーなどの大型犬でも、関節の形成不全は多いので注意が必要です。

他にも、いろいろな理由で散歩を嫌がることはあるので、急な変化にはしっかりと原因を見極めるようにしてあげたいですね。

いつまでも元気に、いっしょに散歩できるようにしていたいものです。