走り回って遊んでいた後におとなしくなったと思ったら、すやすや寝ている犬の姿は、いつ見ても可愛いものです。
犬が寝る時の格好は様々です。
寝る前の状況、寝てしまった後の犬の心の状態によって、その格好は変化します。
犬が寝る時の格好と意味、その格好をする犬の気持ちについて理解することは、犬の飼い主への思い、犬の健康などを知ることにつながります。
犬の寝る格好ごとに考えられる意味や気持ちについてご紹介します。
腹ばいになって寝る
最も多く目にする犬の寝る格好は、腹ばいになっている姿でしょう。
犬はもともと警戒心の強い動物です。
そして狩猟本能もあります。
そのため、すぐに立ち上がり走り出すことがしやすい腹ばいの格好で寝ていることが多いのです。
寝ていると一言で言っても、成犬の場合、腹ばいで熟睡していることは滅多にありません。
飼い主が座っている、じっとしている状態にいる時、犬は腹ばいになって寝ていることが多くあります。
飼い主が何か行動を起こすとともに、自分もすぐに行動を起こせるように、この格好で寝て待っています。
飼い主が何かする時は、自分も一緒に行動しようという気持ちがあるからです。
また、飼い主が外出中には、玄関などに腹ばいになって寝ていることがあります。
これは飼い主が帰宅するのを心待ちにしているためです。
そして、飼い主がいないことへの不安感や責任感により、様々な音や臭いに警戒心をとがらせている場合も多くあります。
横向きになって寝る
自分の小屋やバリケードの中では、左右どちらかの体側を下にする、いわゆる横向きの格好で寝ていることが多くあります。
この格好で寝ている場合、成犬でも熟睡していることがほとんどです。
犬が体側を下にし腹を見せている状態は、安心してリラックスしていることを意味します。
四つ足の動物にとって横向きに寝ている状態から立ち上がることは、比較的困難な体勢です。
このことから、誰にも侵されることのない自分の居場所であると犬が認識している場所だからこそ、無防備なこのような格好で寝て熟睡することが多いのです。
横向きの格好になって寝ていることでは、飼い主が注意しておくべきこともあります。
近づいてみても、まっすぐ前を見たまま飼い主を見ないような時には、犬の体調に異常を来しています。
声をかけて反応を見たり、お腹や首を触って痛がったりしないか確認してみてください。
原因がわからない場合は、なるべく同じ姿勢のまま移動させ、獣医さんに診てもらいましょう。
仰向けになって寝る
仰向けで大の字になって寝ている犬は、相手に対する服従を現わしています。
犬が腹側を見せることは、人がホールドアップしていることとイコールです。
相手に対して、自分には敵意はありません、あなたに従いますということを意思表示しています。
犬同士のケンカで、負けた犬は必ず仰向けで寝て動かなくなります。
これは相手に自分の負けを認めて、服従する証として仰向けの姿勢をします。
仰向けで腹を見せるということは全くの無防備な状態であることから、平常時に仰向けに寝ることは、ある意味安心しきっている状態であるとも考えられます。
大胆にもその格好で熟睡する犬がいますが、これは横向きに寝ていることの極端な形と考えて良いでしょう。
仰向けで熟睡することは、小型犬には比較的多く見られますが、大型犬ではかなり珍しいことです。
寝る時の手や足の位置
主に腹ばいの格好で寝ている時に見られる様子で、手の位置や足の位置の違いによる犬の感情表現があります。
犬が腹ばいで寝ている状態で右手と左手を重ねている時は、飼い主の行動を観察し、指示があるまで動かないように気遣っています。
いずれかの手の上にあごを乗せて伏せている時は、飼い主にかまってもらえなくて退屈していることを、まるで人が頬杖をついているかのように表します。
両手を伸ばして、あごを床につけて伏せている時は、叱られた後に、自分の行動について反省していることを表しています。
手を置く位置、頭の位置で、犬それぞれの感情を垣間見ることが出来ます。
また、脚を崩している状態、しゃがんでいるような状態の違いなどでも、リラックスしている状態なのか緊張している状態なのかを見て取れます。
犬の気持ちを知るにはよく観察することが大切
子犬、成犬、大型犬、小型犬などそれぞれで、寝る格好による意味や気持ちの表し方に特徴はあります。
しかし犬の持つ習性によって、どの種類の犬でも共通に、飼い主の行動を観察して自分も行動を共にしようとする態度、リラックスして安心している状態、本能的に表す態度などの、きっかけとなる意味や気持ちを表します。
また、人と同じ様に体調を崩して具合が悪いことも、寝る格好により表すこともあります。
日頃から飼い主は犬の寝る格好をよく観察し、意味や気持ちを理解してあげようとすることが最も大切なことです。