最近ではペット用品の中でもデンタルケアが注目されてきています。
今では成犬の8割が歯周病と言われています。
歯石が酷くなると歯根や骨を溶かしいつの間にか犬の頬に穴が開いてる、なんてこともあります。
そうなる前にキレイな歯を保って嫌な口臭も防いでいきたいですね。
今回はそうならないためのデンタルケアをご紹介します。
毎食後の歯磨き
人間もご飯を食べた後に歯磨きをしますよね。
犬も同じように、一番効果が高いとされているのは歯磨きです。
毎食後にやるのがベストなのですが、いきなり口の中に歯ブラシを突っ込んでもびっくりして警戒されるかもしれません。
最初は口の周りを触らせてくれるようスキンシップを頻繁に取りましょう。
それに慣れてくれたら、今度は口の中に指を入れ口腔内を触らせてくれるかの確認をとります。
今では犬用のチキンの味やフレーバーのついた歯磨き粉なども販売していますので、それを指につけてやってみるのも良いですね。
歯を磨くこと=美味しいこと、楽しいことと認識させるのが大切です。
そうすることで、次第にコットンやシリコンのフィンガーブラシなどで歯を磨かせてくれるようになります。
ただし、既に付着している歯石や歯垢は落ちないのでご注意ください。
ハミガキガムを利用する
犬のおやつとして売られているハミガキガムですが、正しく使用すれば汚れをある程度防ぐことはできます。
そのおやつのあげ方にもいくつかコツがあります。
まず1つ目はその子の口の大きさに合ったものを選びましょう。
小型犬に大型犬のものをあげるのは勿論良くありません。
2つ目はすぐに食べさせないこと。
これでは普段のご飯やおやつと何ら変わりはありません。
3つ目はよく噛ませることです。
なるべく全ての歯で噛ませてあげてください。
時間で言えば5~10分、ボール遊びの引っ張り合いをするような感じで遊びがてら与えるのがベストです。
そうすることによって万遍なく歯を使い汚れを除去してくれます。
犬にとってもストレスなくデンタルケアができます。
歯石除去手術をする
こちらは外科的な治療法になってきます。
びっしり付いてしまった歯石を除去するには、人間が使用するような歯科器具を用いるしかありません。
ですが、犬は人間のようにじっとしていられるわけではないので、全身麻酔を静脈から入れます。
麻酔をかけるのでリスクは多少あり、嘔吐や誤嚥性の肺炎を防ぐため胃の中を空っぽにしていただきたいので、前日の食事管理も必要となってきます。
また、高齢の犬には血液検査やレントゲンなど麻酔に耐えられる体かどうかの検査をすることもあります。
オペの内容自体は歯の表面を削り、いらない歯を抜くことになりますが、表面を削ることによって食べ物のカスが付きやすくなります。
そのため今まで以上にケアに気を付けなくてはいけません。
どうしても歯を磨かせてくれない子には、飲料水に混ぜるタイプの薬や海藻類から出来たふりかけタイプの薬もあるので、そちらを試してみても良いかもしれませんね。
フードを変えてみる
動物病院で処方されているフードで歯と歯茎に配慮された、犬のご飯を置いてあるところもあります。
特徴としては、粒が大きいということと、繊維が特殊な構造になっていることで、咀嚼した時に歯の表面の汚れを削り取ってくれる役割を果たしてくれます。
食べる事が大好きな犬に日々のご飯として、また、お留守番ができた時に御褒美のおやつとしてあげても良いですね。
ですが、このフードはかなり硬いので既に歯が弱っている、グラグラして抜けそうな子には与えないでください。
ちなみに早食いをしてしまう、フードを丸飲みしてしまう犬にもメリットがあります。
硬いのでよく噛んでくれて、粒が大きいので丸飲み防止にもなります。
そして歯垢が付着するのを防いでくれるのでまさに一石二鳥ですね。
ジェルを使ってみる
こちらも動物病院で取り扱っていることが多いですね。
フード同様歯磨きが苦手な犬用になります。
ジェルタイプになっているのでお口に滴下するか、指で直接口腔内に行き渡るように塗るかの二択になってきます。
香料無添加なうえに刺激性も無いので、口内炎や歯肉炎のある子にも使え、口内のバクテリアの繁殖を抑えてくれるのが特徴です。
ただ、ビタミンCが配合されている物だと多少の苦みがありますが、歯茎の状態を良くし、口臭の予防にもなるのでデンタルケアとしての効果はアップします。
毎食後に滴下するだけであるため、忙しく時間の無い時にも数滴お口に入れるだけなので、非常に楽ではあります。
いつものフードにふりかける
ふりかけタイプのデンタルケア製品も人気があります。
こちらは主に海藻類が使用されています。
天然物の成分なので安心して与えることができ、人工着色料や保存料も一切使用していません。
そしてご飯に振りかけて与えるだけなので、ほんの一手間を加えるだけですが匂いに多少の癖があります。
もともと海草は口臭や歯垢、歯石の予防に良いと研究されていました。
それが動物にも使われるようになり、簡易的に予防ができるようになりました。
効果として唾液と共に海藻の成分が口腔内に分泌され細菌類の集合体、バイオフィルムの阻害ができ、歯垢を付きにくくするわけです。
ただし、甲状腺機能低下症・亢進症や腎不全、妊娠中の犬にはオススメはできませんのでご注意ください。
愛犬の歯の健康を守ろう
デンタルケアをするにあたって、方法はいくらでもあります。
予防をせずに放置していると細菌が血流にのって全身に回ってしまい、歯だけにとどまらず他の臓器にも影響を及ぼします。
予防できるはずの病気にかかってしまう事ほど、辛いものはありません。
歯の健康はその子自身の健康の指標になります。
重大な病気になってしまう前にしっかりとデンタルケアをしていきましょう。