散歩は愛犬にとっても飼い主にとっても楽しみの時間ですが、引っ張りグセや拾い食いを許してしまうと大変な事故につながることもあります。
飼い主の隣にぴったりとつき、何をするにもきちんと指示を待つ「リーダーウォーク」ができれば、そんな不慮の事故から愛犬を守ることができますので、ぜひ覚えさせてあげましょう。
リード、首輪を正しく使う
まずは飼い主の意思がきちんと犬に伝わるようにリードを持つことが大切です。
利き手にリードの輪を通し、さらに逆の手で犬と自分の間に程よい弛みが出るように調節して持ちます。
片手だけで持つと、この程良い感覚を調整しづらいので必ず両手で持ち、急な飛び出しなどにも対応できるようにしましょう。
また、引っ張りグセが強い犬の場合、リードを飼い主の背中を回すようにして持つのも有効です。
初めのうちに伸縮リードを使うのは、適切な距離感を掴むのが難しくなるので避けるのがベストです。
首輪にも色々な種類があります。
一般的な首輪は飼い主の指示も伝わりやすく、初めの訓練には最適ですが、あまりにも引っ張る犬や気管が弱い犬はハーネスタイプを使って負担を減らしてあげましょう。
他には、引っ張ると首輪が絞まるチョークタイプや、引っ張り防止にリードが犬の胸元に付くようになっているハーネスなどもあります。
犬の訓練度合いや体調を考えて選んであげてください。
呼び戻しの徹底
呼び戻しとは、「おいで」や「来い」で素早く飼い主の元へ戻ってくるコマンドです。
散歩中自由に歩き回ってしまう犬には、どんなに興奮していてもリセットして飼い主の元へ帰ってくるこのコマンドが有効です。
散歩以外にも来客時やドッグランなどでも使えるので、ぜひ徹底させましょう。
教え方は、まずは室内で首輪とリードをつけ、「おいで」と呼びながら優しくリードを引き、飼い主の膝元まで来たら褒めながらおやつをあげましょう。
だんだんコマンドだけで来るようになりますが、途中で気がそれた時はその時だけ軽くリードを引き、呼んでいることを気づかせましょう。
いつも犬がいるリビングなどだけではなく、廊下や公園など環境が変わってもできるようになれば完璧です。
ひっぱりには立ち止まる
それでは実際の散歩でのしつけになります。
犬に引っ張られながらもずるずると歩いて散歩を続けてしまっていては、犬は「引っ張れば自由にできる」と覚えてしまいます。
また犬が飼い主を先行して歩いたり、あっちこっちに気を取られているようではリーダーウォークとは言えません。
毅然とした態度で一度立ち止まりましょう。
その時、急に止まることが大事です。
犬が飼い主の変化に気がついて同じく立ち止まったり、顔を見るようになれば、散歩の主導権は飼い主となります。
この時にいつまでも引っ張っていたり、犬が飼い主の変化に気がつけない場合は呼び戻しのコマンドを使いましょう。
急な方向転換でもついて来させる
犬が自分の欲望を抑えて立ち止まることができるようになってきたら、今度は飼い主の進みたい方向に従わせましょう。
道路では危ないので公園などが適切ですが、歩いている最中に急な方向転換を加えます。
リードから伝わる飼い主の行動をきちんと察知できるようになった犬なら、急な方向転換をしてもついてきます。
その時には大袈裟に褒めておやつをあげましょう。
ご褒美があれば、犬はやってほしい行動をぐんぐん伸ばしてきます。
上手について歩くことができるようになってきたらおやつを控えたり、褒め方を抑え、常に犬が飼い主の様子を伺いながら歩くことを当然のようにできれば「リーダーウォーク」の完成です。
アイコンタクトで絆が深まる
リーダーウォークはきちんと訓練としてしつけなければ、なかなかできるものではありません。
しかし、散歩は犬とっても飼い主にとっても楽しいものでなくてはなりませんよね。
ある程度歩けるようになってきた犬は、歩きながらもチラチラと飼い主と目を合わせてきます。
これは飼い主の次の行動を伺ったり、今の自分の行動が合っているか確認をしたりするためです。
上手に歩けてアイコンタクトが取れたら笑顔で返してあげましょう。
犬は人間の笑顔をちゃんと汲み取ることができます。
散歩に笑顔が増えれば飼い主も犬も楽しい時間になるでしょう。
全部の人間の言葉を理解できる訳ではありませんが、歩きながら犬に話しかけてあげることも二人の間に確かな絆を作る時間になります。
事故防止だけじゃないリーダーウォークの必要性
犬を自由に歩かせてあげることは一見楽しそうに見えますが、警戒心や不安を煽ってしまっていることもあります。
飼い主がリーダーとして導くことができれば、愛犬は安心して散歩を楽しむことができ、より一層飼い主と愛犬との絆が深まっていきます。
これは散歩の時だけではなく、長いペットライフの中で適切な主従関係を築くのにきっと役立つはずです。