猫の鼻は起きているときは分泌液で湿って冷たくなっているのが正常です。

湿った鼻が匂いの分子を吸着したり、外気温の微細な変化を捉えて体温調節するのですね。

では、起きているのに鼻が乾燥し、暖かくなっているのは大丈夫なんでしょうか?

1.猫が風邪を引いている場合

猫の平熱は38度前後と言われています。

39度になれば微熱。

風邪を引いているかもしれません。

猫の鼻は体温調節のために湿っているものですから、当然高熱のときには鼻が乾いて暖かくなっています。

風邪の場合、これ以外にもぐったりしている、暗いところから動かない、自分のセーフティポイントから出ようとしない、水を飲まない、食欲がない、下痢をする、毛から油が引いてボサボサしている。

こうした、いくつものサインが出ています。

また、耳を透かして見ると、赤くなっているのも特徴です。

こういう場合、心配なのは脱水症状。

猫はもともと水を飲まない生き物ですから、動かない、水を飲まない、高熱となると、すぐに脱水症状を起こします。

ただちに病院へ行ってください。

2.猫が熱中症の場合

夏場、エアコンを切った室内に猫だけをお留守番させて外出し、帰宅すると、体を伸ばしてぐったりしている…。

鼻を触ると暖かく乾いていて、肉球から汗も引き、身動きを取りません。

これは熱中症で、大変危険な状態です。

鼻の分泌液は汗のようなもので、これが引くというのは、ひどい脱水症状を起こしていますので、すぐに病院へ連れて行ってください。

気をつけてほしいのが、熱中症になるのは夏だけではない、ということ。

冬に猫が大好きなコタツの中やストーブの前に何時間も動かないでいると、体の水分は失われていきます。

猫は水を飲まない生き物ですので、大好きなコタツの中にいるときは、定期的に外に出したり、水を運ぶなど、飼い主さんが水分量に気をつけてあげてください。

3.猫が鼻詰まりの場合

鼻の分泌液が膿などで固くなってしまい、鼻腔を塞いでいる場合も、鼻は乾いてしまいます。

この場合、人間と同じで猫は呼吸がしづらいため、口呼吸となりヨダレをよく流します。

また、鼻で体温調節ができないため、熱を出すこともあります。

ヨダレのために食事がうまくできず、口周りをずっと毛づくろいしています。

風邪とよく似ていますが、この症状を繰り返す場合にはアレルギーの可能性も視野に入れなければなりません。

また、副鼻腔炎など、ひどい炎症を起こしていることもあります。

是非、病院で相談してみてください。

4.猫ができものの場合

鼻の近くや鼻腔にできものができてしまい、鼻腔を塞いでいる場合もあります。

気をつけなくてはいけないのが、このできものが悪性腫瘍だった場合です。

多くの悪性腫瘍は膿が出てドロドロとした鼻水が出るのが特徴ですが、場所によっては鼻腔を塞ぐだけで顔の中で成長してゆくものもあります。

鼻が乾いて暖かくなっていると、体温が高くなるものですが、そうなる前にできものは日常のボディチェックで気づくことができます。

また、顔の腫瘍の場合は、顔の形が大きくなったり、いびつになったりします。

顔にできても、悪性腫瘍は早期発見早期治療によって、だいぶ予後が変わります。

頭を撫でたり、ブラッシングするなど、日頃から猫の体の変化に気づくように心がけましょう。

5.加齢による変化の場合

加齢によって活動が緩やかになり、体全体の分泌液のバランスが崩れてしまうこともあります。

人間でも年をとると鼻が効かなくなることがありますよね。

それと同じだと考えてください。

病気ではありませんが、ひどい場合は匂いがわからず、食欲が落ちたり、トイレで失敗を繰り返すことにも繋がります。

さて、どうすればよいか。

病院で相談するのも一つの手でしょうが、老衰である限りは、いつかは受け入れなければならないことです。

念のため、他に病気が隠れていないかチェックしてもらったあと、ご自宅でできることは、老猫が反応する食べ物を猫と一緒に手探りでチャレンジすることです。

また、そうした状況になると、視力の衰えや聴力の衰えも発生してきます。

いくら反応するからといって、いきなり匂いのきついものを与えるのも酷です。

それまでの好物や、子猫のときに与えていた食べ物など、飼い猫の記憶に沿ったものを与えてあげましょう。

トイレはシート式にするなど、なるべく体に負担を与えないよう工夫を凝らしてみてください。

猫の鼻が温かくなる原因とは

猫の鼻が暖かいときに考えられる理由をご紹介しました。

猫の鼻って可愛いですよね。

その見た目によらず、とても大切な機能を果たしていたということがよくわかります。

大切なのは、あなたの猫が普段どのような状態の鼻をしているかということです。

眠っているときはどんな鼻をしているのか、起きているときはどんな鼻をしているのか。

「ちょっとごめんねー触らせてねー」と言って、猫の鼻を触って確認してみてください。