みなさんはキャッテリーという単語をご存知でしょうか。
ブリーダーと同じように、猫の繁殖をしたり、仔猫を販売している人や業者のことを指す単語です。
しかし、その違いや、キャッテリーという言葉が存在する意味は、あまり一般的には知られていません。
今回は、猫の血統に大きく関わる、キャッテリーとブリーダーの違いについてご紹介します。
1.キャッテリーとは
あまり猫に詳しくない人にとって、キャッテリーという言葉は聞き慣れないかもしれません。
しかし、その語感から、なんとなく意味するものはわかるのではないでしょうか。
キャッテリーとは、猫を繁殖する人や猫舎のことを指す単語です。
動物などの繁殖をして、生まれた子どもを提供する人たちのことを、一般的にはブリーダーと呼びます。
キャッテリーも、このブリーダーの中に含まれる存在です。
しかし、この「キャッテリー」という言葉は、すべてのブリーダーが名乗ることのできる名前ではありません。
キャッテリーとブリーダーの間には、確固とした線引きがあります。
キャッテリーがブリーダーと名乗ることはできますが、ブリーダーが許可なくキャッテリーと名乗ることはできません。
今回はその役割や仕組みについて、少し詳しく解説していきます。
2.ブリーダーとの違い
ブリーダーとキャッテリーは、猫を繁殖させることにおいてはどちらも同じです。
しかし、その両者を分けるものは、認可があるか否かということです。
認可を受けたブリーダーのみが、キャッテリーと名乗ることができるようになっています。
この認可を与えている2つの団体があります。
ひとつは、世界最大の猫の血統登録機関であるTICA(The International Cat Association)。
もうひとつは、こちらも世界で最も大きな猫の愛護団体であるCFA(The Cat Fanciers’ Association)です。
これらは日本だけではなく、世界的な猫の血統に関する登録団体です。
ブリーダーがキャッテリーと名乗るには、これらの機関のいずれかに申請をして、厳密な審査を受けることとなります。
その結果として、猫舎をして登録されることで、初めてキャッテリーと名乗ることができます。
3.キャッテリーの役割
ところで、なぜキャッテリーとブリーダーとの間に明確な違いがあるかわかりますか?
キャッテリーとなるために、厳しい審査を受けたり、認可を受ける必要がある理由はなんなのでしょうか。
これが、キャッテリーの役割を知る上でとても大切なことです。
キャッテリーというのは、猫を繁殖するだけでなく、猫の血統やその倫理を守ることを目的としています。
「血統書付き」というのは、何か特別なものであるように思えますよね。
純血種の猫の血統を維持するというのは、一朝一夕でできるものではないのです。
純血種の猫は人気が高いものですが、それゆえに一時的なブームで乱繁殖されることが多かったりします。
また、近親交配などによって、先天的に障害のある猫が生まれてくることもあります。
そうしたことのないように、キャッテリーには血統の正しい知識と倫理観が必要とされているのです。
4.仔猫を買う場合にはどちらがいいの?
では、私たち猫を飼う側の人間にとって、ブリーダーとキャッテリーという存在は、どのように使い分けるべきなのでしょうか。
私たちにとって、主な接点は仔猫を購入するときということになります。
仔猫を購入するときには、どちらを利用するのがよいのでしょうか?
ここまでの説明でお察しかと思いますが、キャッテリーから購入する方が安心できるのは間違いありません。
キャッテリー=血統を管理する団体に正式に登録されているブリーダーということになります。
正しい知識や倫理観を持ったキャッテリーから購入することは、猫にとっても幸せかもしれません。
しかし、だからといって、ブリーダーから購入することが悪いわけではありません。
キャッテリーから猫を購入するときには、値段も多少高くなっていることが多いです。
キャッテリーと同じく、正しい知識や愛情を持って猫を育てているブリーダーも多くいます。
気を付けるべきなのは、流行に乗じたり儲けを優先して、劣悪な環境で猫を繁殖させたりする悪徳ブリーダーです。
5.キャッテリーを名乗るには
では、キャッテリーとなるためには、どうすればよいのでしょうか。
読んでいる方が実際にキャッテリーになるつもりはないかもしれません。
しかし、こうした手順を知れば、キャッテリーへの信頼度も上がるのではないでしょうか。
まず、キャッテリーになるには、「登録ナンバー証」のある純血種の猫を所有している必要があります。
この「登録ナンバー証」というのは、TICAやCFAによって純血種と認められた猫に発行されるものです。
ただ単に純血種同士を交配させただけでなく、このような機関に登録されている純血種の猫ということです。
CFAを例に挙げると、キャッテリーとしての猫舎の登録には75ドルの費用がかかります。
また審査を受けた上で認可されてからも、年間の活動費や仔猫が生まれたときの血統登録や血統書の発行などに申請や費用が発生します。
キャッテリーから猫を購入する場合には、しっかりと登録などによって猫の血統が管理がされているのです。
ブリーダーとキャッテリーの違いを知ろう
ブリーダーもキャッテリーも、猫の繁殖をしているという点では変わりありません。
しかし、猫や犬は、一時的なブームで倫理観や動物の健康を無視した繁殖がよく起こっています。
ブリーダーと一言でいっても、中にはそうしたよからぬ業者もいるということです。
そのため、きちんとした知識や倫理観を持つキャッテリーとは、購入希望者にとっては心強い存在でもあります。
可愛がるだけでなく、猫の幸せについても考えられるような飼い主になりたいものですね。