花粉が飛び始める時期になると、くしゃみや鼻水などの症状が現れ、花粉症の人は憂鬱な気分になります。
ふと横を見ると、猫もくしゃみや鼻水を出している…。ひょっとして、花粉症?
猫も花粉症になるのでしょうか。
猫の花粉症の症状をご紹介します。
くしゃみ
猫も花粉症になると、人間と同じようにくしゃみが出ます。
花粉症は、原因となるアレルギー物質(主に花粉)と何度も接触することにより引き起こされるアレルギー反応のひとつです。
くしゃみをすることにより、体の内に入ったアレルギーを引き起こす物質を外へ出そうとしています。
花粉症を発症するまでにはある程度の年月が必要です。
そのため、生まれたての子猫で花粉症を発症している個体はほぼおらず、主に2歳以降の大人の猫が発症します。
ちなみに、人間の花粉症の原因はスギやヒノキの花粉ですが、猫の花粉症の原因に多いのはブタクサの花粉です。
鼻水
鼻水も人間と同様に、猫の花粉症でよく見られる症状のひとつです。
鼻に入った花粉を鼻水で洗い出し、体を守ろうとしています。
人間であれば鼻水が出てもティッシュで鼻をかんだり鼻うがいを行うことが出来ますが、猫は、自分で鼻をかむことも鼻うがいも出来ません。
しかも、猫は主に鼻で呼吸を行っているため、鼻水が出て鼻がふさがってしまうのは人間以上につらいものがあります。
猫が鼻水を出しているときは、拭き取ってあげるようにしましょう。
花粉症の時期を過ぎても鼻水が続く場合、風邪や副鼻腔炎など花粉症以外の要因で鼻水が出ている可能性があります。
鼻水の色などに注意し、変だと思ったら動物病院を受診するようにしましょう。
目のかゆみ
目のかゆみも猫の花粉症の症状のひとつです。
かゆさから目をしょぼしょぼさせることが多いです。
中には目が真っ赤に充血してしまう猫もおり、見るからにかゆそうで可哀想な気持ちになります。
かいてしまうと余計にかゆくなるし眼球を傷付けてしまう可能性がありますが、猫にはそんなことは分かりません。
可哀想だから目薬でもさしてあげたくなりますが、人間用の目薬は絶対に使用しないで下さい。
人間用の目薬に使われている成分が、猫にとっては有害な場合があるからです。
必ず動物病院を受診し、獣医師より処方された目薬を使用して下さい。
目やに
猫の花粉症の症状のひとつに、目やにが出るということがあります。
目やにが厄介なのは、時間が経つと固まってしまい取れなくなってしまうことです。
ですので、目やにが出ているのに気が付いたら湿らしたコットンやガーゼなどで優しく拭き取ってあげましょう。
このときに、眼球を傷付けてしまわないように気を付けて下さい。
花粉は、天気が晴れて空気が乾燥している日によく飛散します。
このような日に花粉症の症状が出ている猫が出歩いたりすると、症状が悪化する可能性が高くなります。
症状が治まるまでは外出させないように気を付けてあげて下さい。
皮膚炎
人間も花粉症になると皮膚がかゆくなったり荒れることがありますが、猫は人間よりも皮膚炎になりやすい傾向があります。
かゆくなるとついついかきむしってしまうこともありますが、猫も人間同様にかきむしりたくなります。
ですが、鋭い爪でかきむしると皮膚を傷付けたり、傷口からバイ菌が入ってしまうことがあるため、注意が必要です。
また、皮膚炎から毛が抜けてしまうこともあり、体調を崩す恐れがあります。
皮膚炎を治療するためにステロイド剤を使用しますが、長期間使用すると副作用が出ることがあるため、使用期間は短期間です。
獣医師より説明を聞いた上で処方してもらいましょう。
外耳炎
人間の花粉症の症状ではくしゃみや鼻水などの鼻炎の症状が主になりますが、猫の場合は皮膚の炎症やかゆみ、外耳炎などもよく見られます。
猫には垂直耳道と水平耳道というふたつの外耳道がありますが、そのうちのどちらかもしくは両方に炎症が起きた状態です。
外耳炎になってしまうと、耳をしきりに触ろうとしたり、においのある耳垢が出てくることがあります。
花粉症によるアレルギー反応による場合や、皮膚のかゆみに不快を感じ、引っ掻いたときに傷が出来、外耳炎になることがあります。
放置しておくと、悪化したり鼓膜が破れてしまうこともあるので注意が必要です。
動物病院に連れて行き、獣医師の診察を受けさせましょう。
適切な治療が猫の健康を守ります。
猫に表れる花粉症の症状を知ろう
猫の花粉症の症状を見ていきました。
猫の花粉症の症状は、くしゃみや鼻水、目のかゆみや皮膚炎など、人間とほぼ同じです。
しかし、人間とは違い、猫は自分で鼻をかんだり病院へ行くことが出来ません。
おかしいと思ったら、動物病院へ行くようにしましょう。
花粉症の症状で動物病院に行ったら、花粉症以外の病気を患っていたというケースもあります。
人間にも猫にもつらい花粉症ですが、これ以上花粉症を悪化させないために、空気清浄機などを駆使して、部屋の中に花粉を持ち込まないようにしましょう。
こまめに掃除をするのも有効です。