猫を飼っていると、たまに猫の声が出ないということがあります。

一時的に声が出なくても、すぐに声を出せるようになれば問題ありませんが、しばらくの間ずっと出せないようなら大変です。

何かの病気と疑ってかかった方が無難でしょう。

それでは猫の声が出ないことについて、詳しく探っていきましょう。

寝起きで声が出ない

猫はよく寝る生き物です。

なぜ「ねこ」と呼ばれるようになったのか、諸説ある中の一つに「寝子」だからというのがあります。

真偽のほどはよく分かりませんが、猫は一日の半分から3分の2を寝て過ごしますので、とにかくよく寝る生き物であることは間違いありません。

そうやってエネルギーの消耗を防いでいるわけですが、寝て起きたばかりの猫は声がよく出ないことがあります。

普段、愛猫の声をよく聞いている飼い主にとって、そんな風に声を出せないでいる姿を見たら心配するかも知れません。

しかし、それが極めて短時間だけの現象でしたら、何も心配はいりません。

人間でもさっきまで寝ていたところを起きたばかりでは、声を上手く出せないことだってあります。

それは一応頭が目覚めていても、体はまだ眠っているからであって、声を出すために必要な声帯を機能させることができないためです。

猫もそれと同じで、寝て起きたばかりのときは声を出せないケースもあるということです。

それが声を出せない原因である場合、すぐに回復しますので気にする必要はありません。

慣れない環境・慣れないことにストレスを感じているから

猫という生き物は自分の匂いが付いているテリトリー(縄張り)の範囲内にいるときに、初めて安心し生きて行けます。

他の猫の縄張りであったり、見知らぬ土地であったりすると、猫は全く安心できなくなります。

そうなるとその場でうずくまってしまうか、はたまた恐くておどおどするハメになってしまい、次第に猫は声を出す元気を失っていきます。

また、動物病院で去勢などの避妊手術を行った場合にも、一時的に声が出なくなることがあります。

それは手術直後のため、まだお腹に痛みが残っている可能性があったり、手術されるまでの間にたくさん鳴いて疲れてしまったりするケースが考えられます。

いずれの場合にしても、猫にとっては慣れないことばかりが続いたので、すっかり元気をなくしてしょんぼりしたために、声が出なくなったということです。

飼い主にとっては心配になる状態ですが、安心できたり体力が戻ったりすることでだんだんと声も出るようになります。

少しでもストレスを和らげてあげられるよう努力し、原因も取り除いてあげましょう。

発情期に入って鳴き過ぎた

猫は春と夏にそれぞれ発情します。

異性に遭遇すると独特の狂おしい鳴き声をあげ、何とか相手の気を引こうとします。

その声はあまりにも大きくて、しかも奇妙な鳴き声であるため、飼い主が夜眠れなかったり近所迷惑になったりすることもあるでしょう。

そのぐらい耳につく程の音量です。

相手に恋い焦がれて夢中になっている間はいいのですが、事が終わっていったん鳴き止むと、しばらく声が出なくなる場合もあります。

猫にとってはそれほど一生懸命に声を出して鳴いたということなので、回復するまで喉を休ませてあげなければなりません。

そのときに飼い主から見たら、何か病気で声を出せなくなっているようにも感じられるでしょう。

その場合はしばらく様子を観察しましょう。

時間が経てばやがて声を出せるようになるので、病医に連れて行く必要はなく、放っておいて大丈夫です。

何かの病気にかかってしまったために声が出ない

本当に心配しなければならないのは、病気が原因で声を出せない場合です。

喉が炎症を起こすと、人間でも声がかすれて上手く発声できなくなっていきます。

“咽頭炎”という病気ですが、病院に連れて行かず何も対処しなかった場合、声を出せないだけではなく下手をすると呼吸までしにくくなってしまう危険性があります。

咽頭炎にはウイルスや細菌によるもの、またはウイルスと細菌の中間に位置づけられる病原体によるものなど様々な原因があります。

そういった病気の場合は目やにや涙が出たり、鼻水がたらたらと流れたり激しくクシャミをしたりといった一目で分かる症状を伴うことが多いです。

飼い主は速やかに動物病院へと連れて行き、きちんと治療してもらいましょう。

そうすることで病状の悪化を防ぎ、愛猫の健康を守ることが可能になります。

猫の声が出ないときの理由を知ろう

このように猫には声が出なくなった原因が一時的なものと、放っておくと悪化し慢性化してしまうものとがあります。

前者の場合はしばらく様子を見るだけ見て、あとは放っておいて大丈夫です。

後者の場合は観察により一時的なものではないと判断し、すぐにその原因を除去したり、動物病院の受診へとつなげたりしましょう。

声が出ない様子を見てそのまま見過ごすのではなく、様子をじっくり観察し飼い主の目で見極めることがとても大切です。