猫の飼い主の方ならご存じの通り、猫は毛がとても抜けます。
いくらブラッシングしても掃除機で吸っても、次の日には猫の毛がチラホラ……。
何故そんなに抜けるのでしょうか?
これから、その原因をご紹介します。
夏毛と冬毛
通常、体毛のある動物は、毛によって気温の変化に対応していますが、猫も同じです。
夏は体温を逃がすための夏毛、冬は体温を逃がさないフワフワの冬毛になります。
抜ける時期は年に2回で、夏毛と冬毛なので、生え替わりの時期は春の秋の終わる前。
むしろ、この時期は、抜けないと次の季節に対応出来なくなるので、飼い主も一緒になってブラッシングして生え替わりを手伝う位にした方が良いです。
そうすることで、床へ落ちる毛も少なくなります。
完全室内飼いの猫は、外にいる猫ほど寒暖が激しくない場所で生活しているので、激しい季節の変動にさらされていません。
そのため体もそれに合わせて、季節は関係なくなります。
その場合でも新陳代謝は必要なので、そのため一年中ポロポロと抜けることになります。
どちらにしても、まめなブラッシングの必要はあります。
怪我やできもの
怪我やできものが原因の抜け毛もあります。
同居猫がいて、それも若かったりすると、しょっちゅうじゃれあっている姿やケンカしている姿を目にしていると思います。
若い猫はまだまだ手加減が上手ではないので、手加減したつもりでもやりすぎることがあります。
また、ケンカをしなくても、栄養バランスや体調などによっては、できものなどで皮膚の状態が悪くなることもあります。
毛に覆われているので気づかないことがありますが、猫も人間と同じように、体調によっては皮膚にできものが出来ることもあります。
菌が入る前に治れば問題ないのですが、菌が入ってしまったり化膿してしまったりすると、傷口の周辺の毛が抜け落ちてしまいます。
怪我やできものが原因の抜け毛の場合は、人間用の薬を塗りたくなりますが、人間用の薬は刺激が強すぎて逆効果なので、動物病院で治療してもらしましょう。
ノミやダニ
犬もそうですが、猫もノミやダニを体につける可能性があります。
完全室内飼いで家の周りに緑がないならその可能性は低いですが、外に出る猫や、室内でも飼い主の方が汚れに無頓着だったり、掃除をしてもしても家の外が緑豊かで何かしら虫が入ってくるような環境だと、紛れてノミやダニも入ってくる可能性があります。
ノミやダニにとりつかれると、どんどん増えて皮膚炎を起こして毛が抜けます。
そうした場合は、動物病院に行って、ノミやダニを駆逐してくれる薬を、猫が毛繕いしない首の後ろに落とすといなくなります。
飼い主の工夫でノミやダニはいなくなるので、まめに掃除をしてノミやダニから猫を守ってあげましょう。
日光皮膚炎
猫と言えばひなたぼっこ、というイメージがあるように、猫と太陽は切り離せないものです。
しかし、猫の体質によっては皮膚炎を発症することがあります。
人と同じように、紫外線によって皮膚がダメージを受けることで、発症します。
肌の色が白い人ほど皮膚のダメージが大きいように、白い毛色の猫ほどダメージが大きくなります。
毛に覆われていない目の周りや耳から肌が荒れたり毛が抜けてきて、症状が進むと皮膚ガンに発展する危険もあります。
もちろん、全ての白い毛を持つ猫が皮膚炎になるわけではありませんが、注意するに越したことはありません。
対策としては、室外に出さない、ひなたぼっこをする窓にはUVカット加工をする、などがあります。
赤ちゃん用の低刺激の日焼け止めを耳に塗ってあげるという手もありますが、それでも皮膚が赤くなったら太陽から遠ざけてあげましょう。
ストレス
猫は、毛繕いによってストレス発散と精神の安定をはかっていると言われています。
そのため、ストレスがかかると、普段より多く毛繕いをします。
その影響で、体毛が抜けて脱毛症のようになったりします。
毛繕いをしすぎて毛が抜ける場合は、同じところばかり毛繕いをして抜けています。
ある狭い範囲だけ抜けていて、皮膚に異常がある時と抜け方が違うので分かりやすいと思います。
ストレスの原因は、遊び足りない、音がうるさい、知らない人や動物、相性が悪い人や動物が近くにいる、飼い主がかまってくれない、トイレや部屋が汚い、など、大事な居住空間(縄張り)が脅かされていたり飼い主の愛情を感じられていない場合が多いので、そこを重点的に注意しながら色々な可能性を考えてみると良いでしょう。
少しの工夫で防げる猫の抜け毛
心配のない抜け毛だったら掃除をすれば良いだけですが、怪我や病気での抜け毛は、飼い主の工夫で防げます。
それも、コミュニケーションついでに出来ることばかりです。
チリの一つもない部屋を作る必要はありませんが、猫がいつもいる場所をチェックしておいて、そこは意識して掃除した方が良いかもしれませんね。