太った猫の可愛さはたまらないものがありますが、猫の肥満は心臓や関節に大きな負担をかけ、酷い時には糖尿病の発症の確率を大きく上げる原因にもなります。
猫の肥満チェックの方法を知って、健康な体型の維持に役立てましょう。
見た目
まず、猫が立った状態の時に上から猫の体型を観察してみましょう。
標準体型の猫を上から見た時には首周り、胴、腰が同じくらいの幅、つまり寸胴型をしています。
腰にくびれがなく、お腹の部分が丸みをおびているようなら、脂肪がつきすぎている状態です。
次に猫を横から見た時、お腹が膨らんでいたり、歩くとお腹が揺れるようなら肥満体型かもしれません。
胴の辺りのシルエットが地面と水平か、もしくは垂れ下がっているのは、太った猫のわかりやすい特徴の一つです。
ただし、一度肥満からダイエットして痩せた猫の場合、お腹が垂れていても肥満によるたるみとは限りません。
肥満時に伸びた皮は伸びたまま戻らず、そのままになってしまうので、見た目だけでは皮なのか脂肪なのかは判断ができないためです。
他にも後ろから見た時に背中が広く感じたり、首周りのたるんだ肉からも猫の肥満はうかがえます。
触ってみる
長毛種や体に特徴のある猫だと、見た目だけでは肥満を判断する事ができない場合があります。
そんな時は、実際に猫のお腹の周りを触ってみましょう。
猫の脂肪のつきやすい部分は、首周りと腹部、そして臀部です。
触った時に背骨、脇腹、骨盤、頭蓋骨など基本的な骨格部分の骨を感じる事ができれば、標準的な体型です。
猫の首と前足の付け根を触った時に、肉の塊を感じたら肥満かもしれません。
猫の頭部は脂肪がつきにくい部分です。
太っていると頭部と肩の肉量にかなりの差が出てきます。
首周りの脂肪の量をチェックする時は、頭の肉感と比べてみるとわかりやすくなります。
猫が立っている状態の時、お腹を下から触ってみてください。
肋骨がどこにあるのかわかりにくい、わからないのは脂肪がつき過ぎている証拠です。
しっぽの付け根周辺を触った時、骨盤がどこにあるか確かめてみましょう。
長いしっぽの場合、標準体型の猫は付け根から先まで同じ太さをしています。
付け根の方が太く感じるなら、お尻周りにかなり脂肪がついているという事になります。
体の全身を触ってみて関節や骨の位置がわからないなら、かなりの肥満体型です。
体重を計る
猫を体重計の上に乗せて計るのは、猫の性格によってはなかなか難しいものがあります。
もし猫が体重計の上でじっとしていられない性格ならば、以下の方法を試してみてください。
まず自分の体重を計り、それから猫を抱いて体重を計ります。
猫を抱いた時の体重から自分の体重を引いた重さが、猫の体重になります。
個体差があるので一概には言えませんが、成猫であれば2.5~5kgが猫の標準体重です。
大型のメイクイーンのような種は除きますが、成猫で5kgを超えれば肥満と言えます。
猫は生後一年で体が完全に出来上がります。
ちょうど一歳の時の重さを量っておけば、それを標準体重に肥満度を判断する事ができます。
運動する様子を観察する
体が重くなると、多くの猫は運動を嫌うようになります。
まだ若いのにエサのとき以外俊敏な動きが出来なかったり、すぐ疲れてしまったり、猫の得意とするはずの事に無頓着になってきたのは太り始めた事が原因かもしれません。
運動する猫の様子を観察してみましょう。
肥満になると首周りの脂肪が気道を圧迫するため、すぐに息があがってしまうようになります。
また段差が登れないなど高いジャンプができないのは、筋力が自分の体重を支え切る事ができなくなっているからです。
ただし、7歳を超えた猫の場合は、肥満だけでなく老衰でもこのような状態が見えるようになります。
運動の様子での肥満チェックは、若い猫のみ有効な方法です。
BCSをつかう
猫の肥満度チェックには人間でいうBMIのような方法もあります。
ボディ・コンディション・スコア(BCS)と言い、これはBMIのような身長と体重の重さからではなく、猫の見た目の体型と触った時の脂肪量から肥満度を数値化し判定します。
これを使えば、猫のおよその体脂肪率を判断する事ができます。
飼い主にもわかりやすい判断基準で、痩せすぎ~太り過ぎまでの5段階の肥満状態を簡単に判定できます。
自分でBCSを使うよりもっと正確な肥満度を知りたいと思うなら、獣医さんで正確な肥満度を調べてもらう事もできます。
BCSで4~5だった場合も一度獣医さんに相談すると良いでしょう。
肥満度に合わせたアドバイスももらえるので、今後のダイエットの計画も立てやすくなります。
肥満だけ調べてもらうのは…と思うなら、ワクチン接種のついでや定期検診で気軽に相談してみてください。
こまめなチェックで健康に
欲しがるだけエサをあげたり、運動不足を放置して甘やかすのは、猫を可愛がっている事にはなりません。
肥満は、糖尿病の他にも心臓病や関節炎など、色々な病気のリスクを高めます。
定期的なチェックで猫の肥満に気付いたら、おやつやエサの量を見直し、たくさん遊んであげましょう。