机や棚の上に置いていた小物や花瓶など、ちょっと目を離した隙に落として割ってしまったり、床に傷をつけてしまったり…。
高い所の物を落とす癖は、猫のよくある困った行動の一つです。
落とされたのが大切な物だったり、割れると危険な物だと取り返しのつかない事になりかねません。
猫や飼い主が怪我をしてしまう前に原因に合わせて対策を立てましょう。
猫が物を落としても反応しない
ご飯が足りなかったり遊んでほしいなど飼い主に構ってほしい時、飼い主が慌てる事をわかっていて猫がわざと物を落としていることが多々あります。
こういった時は反応すれば猫の思うつぼです。
静かに落とした物を片付けて、猫には見向きもしないという姿勢を貫きましょう。
慌てて駆け寄ったり叱ったりすると、物を落とせば飼い主が自分の方を見てくれると覚えてしまい頻繁に物を落とすようになってしまいます。
物を落としても意味がないと猫が学ぶまでには時間がかかります。
ひとまず危ないものは片づけて、猫が落としても安全な紙コップやプラスチックでできた軽いものを置いてトレーニングしましょう。
ただし、わざと物を落としてまで猫が飼い主の注意を引こうとするのは、寂しさや愛情不足を訴えているからという事を無視してはいけません。
要求を満たしてあげなければ、行為の原因となったストレスは溜まってしまう一方です。
時間がある時に思いっきり遊んであげたり、甘やかしてあげる時間を作って愛情不足を補いましょう。
要求を満たしてあげていれば、物を落とす行為の頻度を減らせるかもしれません。
物を置かない
猫が物を落とすのは、捕食動物としての本能からきている事もあります。
この行為が本能からきている場合、猫にこれをやめさせる方法はありません。
猫は気になるものを前足で触って確かめる習性があります。
いつも遊んでいる玩具とテーブルの上にある陶器の置物の違いなど猫にわかるはずがありません。
興味深い物があれば、つい手が出てしまうのは猫の性です。
また、猫にとっては床とテーブルの上の違いはありません。
どちらも同じただの通り道です。
物を落とすのは、足を置きたい場所に邪魔な物があるのでどかしたら落ちてしまったという程度の感覚です。
猫をしつけようとするのは諦めて環境の改善に努めましょう。
もちろん物をまったく置かないという対処が一番ですが、それを実践すると今度は飼い主の生活に不便が生じてしまいます。
例えば、割れ物や落ちると危険なものは高いところに置かない等できる限りの対応で危険を取り除きましょう。
落とすこと自体をやめさせるのではなく、落としたら危険な物を無くすという意識で対処するれば、ずっと簡単に問題を解決できます。
落ちない様に物を固定する
猫の先祖はかつて森林で生活していました。
木の上も生活の範囲だったご先祖の影響で、猫にとってテーブルや棚の高低差など何でもありません。
高所でもダイナミックに動く生活こそ猫らしい生活といえます。
狭い家具の上を大胆に動いていれば当然物にぶつかってしまうこともあります。
物を落とさないように生活をさせるのは、猫にとって窮屈であまり幸せな状況とは言えないでしょう。
花瓶や置物は地震対策用の両面シールや固定金具などを使って動かないようしっかり固定してみてはどうでしょうか。
家具の上も走り回る猫が多少ぶつかってしまっても倒れたり落ちる心配がありません。
紙類など軽いものは、猫には動かせない重いものを重石代わりに置いておけば安心です。
猫が入れないエリアを作る
シンクやコンロの上など、物を落とす以外にも台所には猫に危険なものがたくさんあります。
台所のように触ると危険なものが多い場所やどうしても物を置く必要がある場所は、落とす物自体ではなくエリア全体で対策を取りましょう。
猫の乗ってほしくない台の上に人工芝のような固くて感触の悪いものを敷くと簡単な猫よけになります。
見た目が少しユニークな部屋になってしまいますが、肉球にチクチクしたトゲが当たるのは猫には非常に不快です。
柑橘類や胡椒などの香辛料のような猫の嫌いな匂いを用意するのも効果的です。
猫には毒になるので猫が誤って口に入れないようにさえ気を付ければ簡単な猫よけになります。
入ってほしくないエリアが居心地の悪いエリアになれば猫は近づきません。
またトレーニングも同時に行いましょう。
乗ってはいけないエリアを決めて、その上に乗ったらすぐに猫の嫌がる音を出したり、「降りて」と声をかけながらお尻のあたりを押して自分から降りるように促します。
繰り返し続けるうちにそのエリアが猫にとって落ち着けない、居心地の良い場所ではないと認識すれば自然に近づかなくなります。
猫が物を落とす時の対策方法を知ろう
猫が机のものを落とすのは習性からくるもので、決して悪気があるわけではありません。
叱られても猫には理解できませんし容易にやめられる行為ではありません。
行動の意味に合わせて対策を取り、猫にとっても飼い主にとっても居心地の良い環境を作りましょう。