猫と言えば、部屋の中でも高いところが好きですよね。
愛猫のために、立派なキャットタワーを買ってあげる人も多いのではないでしょうか。
物から物へと、ぴょんぴょんと登っていくところをよく見かけますよね。
しかし、猫があまり高いところに登らなくなるようなこともあったりします。
そんなときにはどんな原因があるのでしょうか。
年を取ってきた
猫も年を取ってくれば、もちろん運動量も次第に減ってきます。
当たり前のことではありますが、猫は人間より早く年を取る動物です。
そのため、私たちの基準で考えてしまうと、知らない間に老化が進んでいることがあります。
一般的に10歳を超えた猫はじゅうぶん高齢と呼べる年齢です。
体力の衰えも目に見えるようになり、病気やケガもしやすくなります。
人間と同じように、だんだんと足腰も弱ってくるので、自分から運動を避けるようになります。
もし8歳を超えるような猫なら、老化の影響も大いにあるでしょう。
念のため、他に歩行障害などがないか、観察してみてください。
変形性関節症
人間でも、年を取ってくると、だんだんと節々が痛くなるということはよく聞いたりします。
体の骨や関節は、ずっと使い続けていると骨や軟骨が徐々に擦り減ったりして痛みを覚えることがあります。
これは、猫にも同じようなことが起きます。
こうした症状は、どうしても老化とともに発症しやすくなるものです。
しかし、変形線関節症は骨や脊椎に異変が生じたり、老化とは別の原因で引き起こされることもあります。
若くても、体に異変が起きている可能性があります。
また、先天的に関節に関する病気をもつ猫もいたりします。
こうした関節の炎症は、異変が起こる部分や症状によっていろいろな呼ばれ方をします。
続いて詳しく説明しますが、悪化すると歩行障害などにもなるので注意を要します。
膝蓋骨脱臼
関節のトラブルとして、非常に心配なのが膝蓋骨脱臼です。
膝蓋骨とは、なんとなくイメージがつくと思いますが、猫の膝のお皿の部分です。
大腿骨腿には、この膝蓋骨がキレイに納まるようなくぼみがあります。
しかし、そこから膝蓋骨が外れてしまい、歩行障害を起こしたりします。
重症になると靭帯を痛めてしまったり、膝が変形したりすることもあります。
膝蓋骨脱臼は、よっぽど重症でない限り、なかなか気付いてあげることができません。
しかし、デボンレックスやシャムのように、遺伝的に発症しやすい猫種も知られています。
レントゲンなどで検査すれば分かるため、定期的に受けるようにしましょう。
股関節形成不全
股関節形成不全は、犬にはとてもよく知られる病気です。
しかし、猫にも起きる病気であり、決して珍しいものではありません。
これは、足と骨盤の結合部である股関節に異常を起こすというものです。
主な症状はうさぎ跳びやスキップのような歩き方になったり、歩行時に左右に揺れたりします。
また、この股関節形成不全の影響で、先ほどの膝蓋骨脱臼を引き起こすパターンもあります。
この病気も、遺伝により先天的に発症する可能性があると指摘されています。
メインクーンやペルシャ、ヒマラヤンなどの、少し大きめの猫に見られることが多い病気です。
また、生後60日までの骨の成長期に過度の運動をすると、異常が起きやすいとも言われています。
骨軟骨形成異常
骨軟骨異形成とは、どういうわけか一部の骨がじゅうぶんに成長しない病気です。
大いに遺伝が関連しますが、その判断や意見は分かれたりします。
というのも、マンチカンなどの足が短い猫や、スコティッシュフォールドの折れ耳もある意味では骨軟骨形成異常だからです。
よほどの症状がない限り、アイデンティティーとして捉えられたりすることもあったりします。
しかし、短足の猫には足腰に大きな負担がかかるのは言うまでもありません。
見た目には大きな魅力になりますが、それゆえケガや変形性関節症を引き起こすこともあります。
体に独特の特徴をもつ猫の良し悪しは、一概に言えるものではありません。
しかし、こうした遺伝により関節に異常が出やすい猫がいるのは知っておくべきです。
猫の関節炎
ご紹介したように、猫の関節炎というのは決して珍しくありません。
5歳以上の猫は、半数以上が何かしらの関節や脊髄のトラブルをもっていると言われています。
しかし、猫は痛みを隠す動物なので、実際には気付かないことが多いのです。
また、こうしたトラブルは肥満が原因だったりすることもあります。
肥満により動きたがらない状態だと、その症状を隠してしまうことにもなります。
紹介したような関節の異常は、症状が出るときにはすでにかなり進行している状態です。
完治することは難しく、対症療法的な処置が取られることもあったりします。
日頃から定期的に検査を受けて、早めに発見していあげるのが望ましいと言えるでしょう。
猫が高いとことに登らなくなった理由を知ろう
私たち人間も疲れていたり、年を取ってくると、なかなか体を動かす気にはなれません。
猫にも同じようなことが言えますが、しかし必ずしもそれが老化とは言い切れません。
知っていてもらいたいのは、猫の関節のトラブルは多いことと、なかなか症状を見せないということです。
ですので、こうしたリスクを飼い主が認識し、検査をしてあげるようにしましょう。
歩行障害や高いところに登らなくなったら、こうした病気もあるのだと思い出してください。