シニア犬になると若い時に比べ、お風呂に入れることは体力的にも精神的にも負担が大きくなってきます。

しかし、シャンプーをせず不衛生になると皮膚病などの原因にもなります。

なるべく犬の体に負担をかけず、頻度を少なめにして清潔に保ってあげましょう。

温度に気をつける

急激な温度差はシニア犬の体に負担がかかります。

浴室の外と中で大きな温度差がないように、浴室が寒ければ先にシャワーを浴室全体にかけて温めておくなどの工夫をすると良いでしょう。

シャンプーが終わった後の犬は寒くて震えてしまいます。

部屋の中も暖かくしておいてあげましょう。

お湯の温度は37~38℃くらいで、人間には少しぬるめに感じるぐらいに設定します。

犬の皮膚は人間の皮膚の3分の1程度の薄さしかありません。

人間が丁度良いと感じる温度では犬には熱くなってしまいます。

寒い季節は暖かい晴れた日を選んでする等の配慮も必要です。

足腰が弱っている犬は床がすべらない様にする

シニア犬になると足腰が弱ってしまう犬も多くいます。

浴室の床で滑って関節を痛めてしまうこともあるので、滑らないようにバスマットを下に敷く等してあげましょう。

バスマットがなければバスタオルを敷くことで滑り防止になります。

大型犬等で一人でシャンプーするのが難しい場合は、洗う人と支える人で分かれて作業すると犬の負担も少なくなります。

ただし、犬を無理やり立たせたりはせず、無理がない範囲で犬の体調を見つつ行います。

手早くシャンプーする

犬を洗う際は、頭から濡らすとビックリして嫌がってしまう事があるので、お尻の方から静かに濡らしていきます。

シャワーのヘッドを犬の体に密着させることで、音が小さくなり犬が怖がらず、被毛の奥までしっかりと濡らすことができます。

顔を洗う場合は目や鼻にお湯やシャンプーが入らないように注意します。

シャワーを顔にかけられるのを嫌がる場合は、スポンジにお湯を含ませて優しく洗ってあげます。

市販のシャンプーは犬の皮膚には強いものが多いので、3~4倍に薄めて使用すると良いでしょう。

すすぎ残しのないようにしっかりとすすぐ

犬の皮膚は人間よりずっと薄く敏感です。

また毎日入浴する人間に比べ、そう頻繁にシャンプーすることができないので、シャンプーやリンスのすすぎ残しがあるとずっと皮膚に残ってしまい、皮膚トラブルが起こりやすくなってしまいます。

完全にぬめりが落ち切るまですすぎをします。

特に、耳の後ろ・脇・内股・指の間等はシャンプーやリンスが残りやすく荒れてしまいがちです。

しっかりとすすいであげましょう。

完全に乾かす

入浴が終わったらタオルで水分を拭き取り、ドライヤーで乾かします。

ドライヤーを当てる時間を短縮するために、先にタオルでしっかりと水分を拭き取っておきます。

水分が残ったままになると皮膚病の原因になったり、水分が気化するときの気化熱で体温が奪われてしまうので、根元からしっかり、全身をくまなく乾かします。

ドライヤーを当てる時はドライヤーと犬との距離に気をつけ、目や耳に直接ドライヤーの風を当てないように気をつけましょう。

全ての作業は手早く行う

シニア犬にとってシャンプーはとても負担のかかることなので、なるべく時間をかけずに手早く行ってあげましょう。

シニア犬になってからいきなり自宅でシャンプーを始めるのには、犬にも飼い主にも慣れない作業で時間もかかり、負担もかかってしまいます。

犬がシニアに入る前の健康なうちから、自宅でのシャンプーに慣れさせておくと良いでしょう。

必要な物はあらかじめ準備してから始めたり、吸水性に優れたタオルを使ったりなどすることで時間を短縮する工夫をすることができます。

無理な入浴はさせない

高齢になると持病があったり心臓が悪くなったりしてしまう犬も多いですが、無理な入浴で心臓に負担がかかり、命を落としてしまう事もあります。

シニア犬や持病がある犬を自宅で入浴させる場合は、必ず獣医師に相談しながら無理な入浴はさせないようにしましょう。

また、入浴中に何かあった時のために、動物病院の診察時間内に合わせて入浴させると万が一の時の対処がしやすくなります。

寝たきりで入浴が難しい場合や、頻繁に汚れてしまう場合は、汚れの程度により蒸しタオルや水の使わないシャンプーなどで清潔さを保ってあげましょう。

手早く、体調に配慮しつつシニア犬をお風呂へ入れよう

シニア犬を入浴させる場合の注意点は体調に気を配りながらすること、手早く行うことです。

カットが必要な犬種の場合は入浴する日とカットをする日を分けるなどして、犬に負担がかかりすぎないように配慮してあげましょう。

シャンプーは犬にとってはとても負担のかかることなので頻繁にすることは避けなければいけませんが、汚れたままにしてしまうのも雑菌が繁殖し、別の病気の原因になりかねません。

犬の体調を見つつ、必要最低限の清潔さは保ってあげられるように心がけてあげましょう。