犬アレルギーの存在が知られているように、鳥アレルギーというものも存在します。

犬アレルギーほどメジャーではありませんが、実際には自覚していない場合も多かったりします。

鳥アレルギーの場合には、必ずしも鳥を飼っていたり、触れたりして発症するわけではないということに留意する必要があります。

今回は、そんな鳥アレルギーの症状や特徴についてご紹介します。

1.鳥アレルギーとは?

鳥アレルギーは、正式には鳥関連過敏性肺炎と言われます。

メカニズムとしては、鳥の皮膚から剥がれ落ちる「ブルーム」というタンパク質を吸い込むことで起こります。

他にも、鳥のフンなどに含まれるごく微細な物質によって、体内に抗体ができてしまうことが原因です。

通常の肺炎というのは、カビや細菌によって肺が炎症を起こす感染症です。

しかし、鳥関連過敏性肺炎は、抗体によって過剰な炎症反応、つまりアレルギー反応が引き起こされるものです。

また、症状が似ていることから間質性肺炎や風邪と間違えられることも多い病気です。

冒頭でも触れたように、鳥アレルギーは鳥を飼っている人だけに起きる病気ではありません。

羽毛布団やダウンジャケットに使用される羽毛でも発症することがあります。

こうしたアイテムの出番の多い冬に多く発症するというのも特徴の一つと言えるでしょう。

2.鳥アレルギーの主な症状

鳥アレルギーの症状は、風邪の症状に非常によく似ています。

先ほども述べたように、冬場に原因となるものに触れる機会が多いので、なおのことわかりにくいものです。

そのため、自覚していない人も多く、知らず知らずのうちに症状を悪化させてしまう人もいます。

主な症状は、痰を伴わない乾いた咳が出るということです。

肺が炎症を起こしているため、呼吸に息苦しさを感じることも多くなります。

また、急性の肺炎の場合には、38度を超える発熱が見られることもあります。

しかし、こうした症状は風邪をひいたときとほとんど同じです。

家で鳥を飼っていたり、鳥に触れる機会もなければ、鳥アレルギーには考え及ばないでしょう。

そういった意味では、非常にやっかいな病気であると言わざるを得ません。

3.乾いた咳

鳥アレルギーの顕著な症状の一つは、コホコホという乾いた咳が出ることです。

風邪などであれば喉に痰が絡んだりするため、湿った咳と言われることが多いです。

しかし、鳥アレルギーは細菌性の疾患ではないため、痰が出ることは基本的にありません。

肺が炎症を起こしている状態では、咳をするたびに鋭い痛みを感じることもあります。

また、炎症により気管が狭まるため、息苦しく感じたりするでしょう。

しつこく咳が出て、むせてしまうようなこともあり、激しい症状には注意が必要です。

鳥アレルギーで肺炎を起こしている人の肺は、CTスキャンしてみるとすぐにわかります。

肺全体が白く霞んでいるような状態になり、健康な肺とは明らかに違っている状態になります。

しかし、この時点でも、間質性肺炎などと間違われたりすることがあったりします。

4.発熱

羽毛布団やダウンジャケットなどは、年中使うことは少ないと思います。

普段の生活で鳥を飼育していなければ、それほど原因となるものに触れることもないかもしれません。

しかし、だからこそ、冬場に急性の症状が起きることがあります。

急性の肺炎を起こすと、38度以上の高熱を起こすこともあります。

しかし、発熱や咳だけで鳥アレルギーと疑う人がどのくらいいるでしょうか。

長く続く咳などで、ようやく原因となるものにたどり着くパターンが多いでしょう。

慢性的な鳥アレルギーになってしまうと、発熱なども目立たなくなります。

急性期で比較的炎症の程度がひどければ、検査や問診で判明する可能性も高いでしょう。

しかし、慢性期の場合には、なかなか診断することも難しいのがやっかいな病気です。

5.呼吸困難を引き起こすことも

急性の場合には、呼吸困難を引き起こすこともあり、命に関わるケースもあります。

しかし、現在では、多くの病院でアレルギーの抗体検査をすることができます。

そのため、気がかりなことがあれば、積極的に受診してみるようにしましょう。

鳥アレルギーで気をつけることは、徹底的にアレルギーを引き起こす抗原を避けることです。

しかし、電車の中で他の人がきているダウンジャケットなどでも起こることがありまる。

ですので、意識的に行わなければ、思わぬタイミングで症状が出るかもしれません。

自宅の近くに神社や大きな森があったりすると、そうしたところに住む鳥が原因の可能性もあります。

他にも、鶏糞肥料を使っている農場や、養鶏場のそばも危険スポットです。

原因に気付かずに過ごしている人も多いため、該当する症状があれば病院へ行きましょう。

鳥アレルギーの症状を知っておこう

ありとあらゆるものはアレルギーの原因となり、どんなものにアレルギーを持っているかはわかりません。

しかし、鳥アレルギーの場合には、犬や猫に対するアレルギーと異なり、かなり積極的な対処が必要と言えるでしょう。

発生のメカニズムを考えても、肺炎を起こすというのは、危険度が高いと言えます。

そのため、こうしたアレルギーや症状があるということは、多くの人に知ってもらいたいと思います。