胸やお腹あたりにほとんど羽毛がなくて地肌が見えている状態のインコを見かけることがあります。

個人が可愛がっている鳥ばかりではなく、ペットショップで展示販売されている鳥の中にもそんな状態の鳥がいたりすることがあります。

見た目も痛々しく、自分の愛鳥がそんな状態になると飼い主としてはとてもショックですね。

毛引きは一度始まるとクセになってしまうことが多いものですが、なんとかしてやめてもらいたいものです。

インコにエリザベスカラーを装着させる

首のまわりにパラボラアンテナのような円盤状の器具を装着させます。

毛引きをしやすいのは胸からお腹にかけての部分ですが、カラー(襟)を装着させることにより、物理的にクチバシが届かないようにするためです。

クチバシが届かなければ毛引きすることはありません。

装着するにはまず獣医による診断を受ける必要があります。

また、鳥によっては「余計なものが首のまわりにある」ことを嫌がる場合もあります。

無理やり装着させると却ってストレスをためてしまうことになりますから、「素直につけさせる」場合にのみ採れる方法だと考えてください。

インコにフォージングトイを与える

退屈が原因の毛引きの場合、ケージの中にいる時間が長く、面白いおもちゃがないことも考えられます。

フォージングトイは知育玩具の一種で、透明なプラスチックなどの「外から中身が見える容器」に大好物を入れて与えるタイプのものです。

インコが頭を使って考えながら中身を取り出そうとすることで「退屈しない」というねらいがあるものです。

インコにいろいろと工夫させることで面白いおもちゃとも言えます。

とくに大好きなおやつなどを入れて「開けたい」という欲求が続きやすいようにしてあげましょう。

フォージングトイにも様々なレベルがあります。

あまり難しいとインコがあきらめてしまったりすることがあるので注意しましょう。

最初は簡単なものから与えてみて徐々に難しくするのもいいでしょう。

腕力自慢のインコなら壊してしまうこともあります。

プラスチックの破片など飲み込んでいないかフンのチェックをすることを忘れないでください。

フォージングトイはティッシュやお菓子の空き箱を使って手作りすることもできます。

おがくずやちぎった紙などを入れて、その中におやつを隠します。

インコが「中に何かいいものがある」とわかるように少しヒントを与えるのがポイントです。

おやつを入れているところをインコに見せてもいいでしょう。

飼い主と遊ぶ時間を増やす

焼きもちが原因の毛引きや退屈が原因の毛引きの場合は、飼い主さんと遊ぶ時間を増やすことで満足度アップを目指してください。

人間がインコの真似をしたり、タオルを使って「いないいないばあ」をしたりなど簡単なことでも構いません。

インコがテーブルなどの上からボールを落としたらすぐに拾って投げ返します。

インコはまたすぐボールに飛びついて落としてくるので、また拾って返します。

人間側はなかなか大変ですが、インコにとっては面白い遊びです。

ハーネスの装着ができるインコなら「一緒に洗濯物を干しに行く」など気分転換のために外の空気を味わうのもいいでしょう。

外に連れて行く場合は思わぬところからカラスや猫が飛び掛かってきたりしないように周囲の状況に十分注意してください。

寒さ対策も必要です。

インコが寒そうにしていたら外のお散歩はすぐに中止して部屋の中で遊びましょう。

小まめに声を掛けたり・大好きな人の姿を見られるようにしてあげてください。

インコに遊べるおもちゃを日替わりにあげる

どんなにお気に入りのおもちゃでも、毎日同じ物で遊んでいるとインコも飽きてしまいます。

ケージに入れてあげるおもちゃは「日替わり定食」風にいろいろな種類・パターンを用意してあげましょう。

かじるタイプのおもちゃでも木製か布製か・厚みがあるのか薄いのか・吊るすタイプか足で握るタイプかなどいろいろなものがあります。

かじり心地も材質や大きさによって替わります。

放鳥時に遊ぶならプレイペンを用意するのもいいでしょう。

ショップなどでも買うことができますが、カーテンレールなどにロープを下げ・紙コップを数個括り付けるだけでも喜んで遊びます。

プラスチックカップは中・外が透けて見えるのでインコの好奇心を煽る面白いおもちゃになります。

市販のブランコタイプのおもちゃを吊るしてそこにかじるおもちゃを括り付けたり・ロープを下げたりなどいろいろ工夫してみてください。

インコの毛引きをやめさせるためにできること

可愛がっているインコに毛引きの症状が見つかったら、まずは獣医の診断を受けてください。

毛引きしている原因を探ることが必要になるからです。

毛引きは飼い主さんの「飼育の仕方が間違っているから起こった」のではありません。

必要以上に飼い主さんが落ち込んでしまうと、愛鳥にもいい影響はないのです。

おもちゃはケージの中で過ごす時間の退屈による毛引きをやめさせるのに役立ってくれるでしょう。

飼い主さんとのコミュニケーションの時間を充実させることで、インコが感じているかもしれないストレスを軽減させることが期待できます。

一日30分でも集中してインコと遊んであげてください。