ケージの中ばかりにいるとインコは運動不足になります。

できれば毎日一回はケージから出して自由に飛ばせてあげたいものです。

でも、初めての放鳥はわからないことがばかり。

そこで、インコ飼いたての方でも放鳥ができるように、インコを放鳥するときのポイントをご紹介します。

放鳥の準備

放鳥する前に、部屋の中にインコにとって危険なものが落ちていないか確認します。

机の上の輪ゴムやカッターナイフなど、人間にとっては当たり前のものが、インコにとっては危険な凶器になることがあります。

ストーブやヒーターなどの暖房器具、アイロンなどの熱くなる電化製品はスイッチを切りましょう。

案外忘れがちなのは、タイマーがセットしてある電気炊飯器から噴き出す蒸気です。

とにかく火を使うキッチンは危険がいっぱいです。

特に調理中の放鳥は絶対に止めてください。

人間の食べるものでは、チョコレートが有害なので、食べかけのものがあったら片づけます。

また、部屋に置いてある植物にも気をつけましょう。

サトイモ科の観葉植物のディフェンバキア、フィロデンドロン、アンスリウム、シンゴニウム、モンステラは毒性のある園芸植物です。

リュウゼツラン科のドラセナ(幸福の木)も要注意。

鉢物ではポインセチア、クリスマスローズ、キョウチクトウ、スズランが危険な植物です。

インコはかじることが大好きなので、事故が起こらない別の部屋に移動させます。

また放鳥前は、窓やドアがしっかり閉まっていることも確認してください。

家具の隙間には丸めたバスタオルを押し込んで、インコが入り込まないようします。

透明なガラスに激突することもありますから、カーテンは引いておきましょう。

いよいよ放鳥

家族と暮らしている場合は、これからインコを出すことを全員に伝えて、ドアをいきなり開けないように注意を促しておきましょう。

部屋に入ってきた人がインコに気が付かずに踏んでしまうこともあるので、事前のアナウンスは絶対に必要です。

他のペットと同居している場合は、最大限の注意を払ってください。

動物同士、いくら仲良くしていても絶対に安全であるという保障はありません。

放鳥している部屋に、ふいに他の動物が入ってこないように、ケージに入れてしまうか、家族にきつく言って注意を徹底するかして、事故を防ぎます。

そして、放鳥したら、絶対に目を離してはいけません。

放鳥中の事故は、多くの場合、人間の注意不足が原因で起こります。

足もとにいた鳥を踏みつけてしまったとか、気づかずに鳥の上に座ってしまったとか、放鳥中に多くの鳥が命を失っています。

一瞬の気のゆるみが悲劇を招くのです。

放鳥中の問題行動

インコは犬とは違って、いたずらをしたとき、叱ってもそれが悪いことだとはわかりません。

それどころか、怒られたことが不安やストレスになるだけです。

ですから、放鳥中に家具や壁紙をかじるなど、インコが問題行動を起こしたときは叱ってもダメ。

問題行動が起こりそうなときは、あらかじめ対策を講じておきましょう。

保護カバーをつけたり、かじっても良いおもちゃを壁にぶら下げたりして、家具の被害を防いでください。

部屋の中でフンをすることは、どうしようもないので、後で掃除しましょう。

呼び寄せができることが条件

ケージから出すのは簡単でも、なかなかケージに戻ってくれないインコがいます。

無理に捕まえようとすると、インコは逃げ回り、最後は大格闘。

これでは楽しい放鳥タイムも台無しです。

そうならないためにはヒナの頃から、呼び寄せの練習をしておきましょう。

手に乗せて遊んでいるときに、もう片方の指を差し出して、「おいで」と声をかけると、自然に飛び移ります。

そのときに、すぐにご褒美のエサをあげてください。

これを繰り返すと、「おいで」に反応して、指から指の乗り移りができるようになります。

これができるようになったら、指と指との距離をだんだん開けていきます。

できたら必ずご褒美をあげて褒めてあげましょう。

次の段階は、インコを机に乗せて、人間は離れたところに立ちます。

インコが手に止まれるように指を一本だして、「おいで」と声をかけましょう。

こうして練習を重ねれば、呼び寄せができるようになるはずです。

小さいときからのしつけも、放鳥の重要なポイントです。

ルールを守らせる

放鳥は思いっきりリフレッシュする時間ですが、だからといって何でも自由にさせてはいけません。

ルールに従わなければいけないことを理解させることが必要です。

インコが出してほしいと主張しても、決まった時間以外はケージから出さないようにしましょう。

また、時間無制限の放鳥は厳禁です。

インコが外でいつまでも遊びたがっても、一定の時間が経過したらケージに戻すようにしましょう。

時間は30分から一時間程度で十分です。

時間がとれないときは、朝と夜の2回に分けて15分ずつということも可能です。

放鳥したら一緒に遊んであげよう

外に出て自由に飛び回るのも良いですが、人と一緒に暮らしているインコにとっては、飼い主さんと一緒に遊ぶことも愉しみです。

放置しないで、放鳥の時間は思いっきり遊んであげましょう。

それでインコは身体も心もリフレッシュできます。