海賊の肩の上に「オウムがいる」という場面を想像する場合、「全体が青くてカラフルな大きな鳥」をイメージする人も多いのではないでしょうか。
美しい大型のルリコンゴウはインコやオウムを飼った人・飼っている人なら一度は憧れるコンパニオンバードでしょう。
けれども大型であるだけに、思いついたらすぐに飼うというわけにはいかない鳥だと言われています。
ルリコンゴウインコの性格
ルリコンゴウインコに限らず、コンゴウインコは「犬のような性格の鳥」と言われます。
頭がよく、幼いころから飼うことで人間にもよく懐きます。
多くのインコ・オウム類と同じように一度パートナーを組んだ相手とは一生添い遂げるタイプの鳥です。
そのために「大好きな人」を決めてしまうオンリー・ワン体質のところがあります。
パートナーと決めた相手にはとてもいいコンパニオンになりますが、それ以外の人には気に入らないと噛みついたり乱暴な反応をすることがあります。
家族みんなで可愛がるなら、おやつはお気に入り以外の人からもらう・お気に入り以外の人と外出するなど他の家族ともうまくやっていくための工夫が必要になります。
頭がいいということは、好奇心旺盛でいたずら大好きという性格にもつながります。
一度遊びに出たら、家具や食器など無事ですむものはないと覚悟しましょう。
クチバシは強力ですから、「壊せないものはない」というくらい破壊大王になります。
壊されて困るもの・いたずらすると危ないものはあらかじめ鳥の周りから取り除いておくことが必要になります。
野生の状態では群れで暮らしているために、「いつもみんなと一緒」が大好きです。
ですから独りぼっちで放っておかれたりすると呼び鳴きしたりすることもあります。
ルリコンゴウインコの寿命
約50年~80年とも言われています。
100歳を越す個体の話もありますから、上手に飼えば人間と同じくらいかあるいはそれ以上の年月を生きることになります。
夏の暑さは苦手ですが、寒さにも比較的強い鳥です。
人間と同じくらいの寿命があると考えると、お迎えするときには飼い主側の人生設計についてもよく検討する必要があるということになります。
自分が飼うことができなくなった場合、お願いできる人や次の飼い主を探してくれるお店や保護団体などがあるかどうかをしっかりと考えてください。
大型の鳥は誰もが引き受けることのできる生き物ではありません。
また、インコのほうも飼い主を恋しがって体調を崩したり毛引きなどの問題行動を起こしやすくなります。
ルリコンゴウインコのエサ
ドッグフードやキャットフードのように、大型のインコ類にも専用のペレットがあります。
鳥にとって必要な栄養素をバランスよく配合したものです。
基本的にルリコンゴウインコは食欲旺盛でなんでもよく食べるので、ペレット食への切り替えも比較的簡単と言われています。
それでも最初はブリーダーの元で食べていた食事と同じものを続けるほうがインコへの負担がかからないでしょう。
そのほか新鮮な果物・ナッツ類も大好きです。
もちろんドライフルーツなども喜んで食べます。
海外の飼育書ではパスタ・栄養価の高いパンなども「飼い主と一緒に」楽しませるのがいいとされています。
ただし、日本の飼育書ではインコ類に炭水化物を与えすぎるのはよくないとしているものも多いです。
与える際にはよく注意しましょう。
クチバシは強力なので、クルミなど殻付きのまま与えても楽々と割ります。
食べる楽しみのためにもナッツ類を与えるときには「殻ごとそのまま」与えましょう。
チョコレート・アボカドなど鳥にとって危険とされている食べ物はもちろん与えてはいけません。
サクランボなどバラ科の植物の種も有毒ですから、気をつけましょう。
そのほか、観葉植物なども鳥にとっては危険なものがあります。
ルリコンゴウインコの入手先と平均価格
ルリコンゴウインコは大型のために普通のペットショップやホームセンターで扱っていることはまずありません。
鳥専門店かブリーダーからの入手になります。
平均価格は約40万円~60万円というのが一般的です。
鳥の年齢があがるほど価格も下がる傾向になりますが、年齢があがるにつれ新しい人や環境になじむのも時間がかかったりすることになります。
ただし、お迎えする側の人間の年齢が中年以降の場合はこういった「年齢を重ねた鳥」をお迎えするというのもひとつのアイデアです。
鳥が残されて次の飼い主を探すということなく、自分がきちんと看取ってあげることも可能になるからです。
本来頭のいい鳥ですから、時間はかかっても新しい家族と新しい絆を築くのは不可能ではありません。
里親募集を利用するという方法もあります。
ですが、コンゴウインコは人気のために募集があってもすぐに話がまとまることが多くなります。
もともと高価な鳥なので、販売目的で里親になる人もあるといわれ、里親を募集するレスキュー団体も里親選びには慎重になっています。
何回も面接に出かける必要があったり、団体によっては里親希望の家庭を訪問して飼育環境が整っているか確認するところもあります。
ルリコンゴウインコの飼育に必用なもの
大型であるために声も相当大きくなります。
しつけて静かにさせることもできますが、完全ではありません。
しっかりとした防音設備が必要になります。
また、飼育用のケージも強いクチバシで壊されたりしないように専用のものが必要になります。
頭のいい鳥なので、勝手にケージの扉を開けることを覚えることもありますから、壊されないような頑丈な鍵が必要になることもあるでしょう。
そのほか、エサ・水入れ用の容器も壊されないようにしっかりしたもの・鳥が遊べるようなおもちゃも複数必要になります。
おもちゃは必ずしも市販品でないというわけではありません。
段ボール・ペットボトル・工作用の木材などを使って手作りすることもできます。
とにかくかじって壊すことが大好きですから、思いっきり壊してもいいおもちゃをいろいろと用意してあげます。
手作りする場合は、鳥が間違って飲み込んだりしやすいような小さいボタンなどは使わないようにしましょう。
フンをよく確認して、かみ砕いたプラスチックの破片などが混じっていないか注意してあげてください。
長寿で大型のインコであることをしっかりと知っておこう
ルリコンゴウインコは愛好家も多く、よく懐く可愛いコンパニオンバードです。
寿命も長く、頭もいいためにお迎えを決めるのは「結婚を決めるのと同じ」くらいの検討が必要です。
実際にお迎えしたけれど、イメージが違ったとか世話をしきれないという人間側の勝手な理由で放り出すことは絶対にできません。
「カッコいいから」「面白そうだから」という考えだけでは最後までお世話できない生き物です。
一生涯の伴侶を見つけることと同じように自分の人生設計と共に常に鳥の将来のことも考えてあげることも覚えておいてください。