ペットを飼育する上で前もってその寿命を知ることはとても重要なことです。
なぜなら、その動物が天寿をまっとうするまで責任を持って飼わなければならないからです。
ペットショップなどでペットを購入する前に、その生涯にわたって一緒に家族として付き合っていけるかどうかを知らなければなりません。
では、今人気のセキセイインコの寿命はどの位なのでしょうか。
セキセイインコの寿命は10年~12年
鳥類は同程度の大きさの哺乳類より比較的長生きすることで知られています。
例えばオウムが長生きすることは有名です。
スズメも意外に長生きで20年から40年ぐらい生きます。
亀とともに長寿の象徴であるツルは40年から60年生きます。
一方、もっとも身近なペットの一つであるセキセイインコの寿命は一般にはあまり知られていないようです。
諸説ありますが、理想的な飼育環境ではセキセイインコは10年から12年程度生きると思われています。
これより長く生きた例も報告されています。
鳥類の中でも特に長生きで、数十年、場合によっては100年生きると言われているオウムに比べると短いですが、大きさの近いハムスターの寿命は2~3年、猫で10~16年ほどと言われていますから、ずっと体の大きな猫と寿命はあまり変わらないことになります。
小型のペットの中ではかなり長生きといえるでしょう。
ちなみにセキセイインコは年齢を重ねてもあまり外見はかわりません。
5歳でも15歳でも外見上は同じに見えます。
肥満により5年で死んでしまう場合もある
セキセイインコは比較的長生きするペットですが、もっと早く死んでしまう事が多いのが現実です。
国内の大規模な調査の有無は不明ですが、ドイツでの統計ではセキセイインコの半分が5歳までに死ぬことが分かっています。
本来10年以上の寿命を持つにもかかわらず、その半分の5年とはあまりに短い生涯です。
国内でも動物病院など先生の経験から、これに近い状況ではないかと予想されます。
本来長生きするはずのセキセイインコがこれほど早く死ぬことに驚かれるかもしれません。
またその原因がなにかということについて興味を持たれることでしょう。
残念なことにこの状態は飼育する人間の無知などが引き起こしています。
セキセイインコが早く死んでしまう最大の理由は、餌のやりすぎや運動不足などで太りすぎたため、内臓に脂肪がつきすぎてしまうことです。
それにより引き起こされる疾患で、寿命を縮めてしまうためと考えらているからです。
小動物は一般に餌を切らすのはよくないのですが、かといって自然の中では大空を飛び回るセキセイインコを狭いゲージで飼育して多くの餌を与えてしまうのは、本来の生育環境からかけ離れてしまっているのです。
セキセイインコの寿命を左右するのは病気
例えば太りすぎたセキセイインコは皮膚と筋肉の間に脂肪腫という腫瘍が発生しやすくなります。
そうでなくても、セキセイインコは比較的若い段階で腫瘍が発生しやすいと言われています。
運動不足や餌の過多による肥満やストレスでそのような病気でかかりやすくなり、早い段階で死んでしまうことが多いのです。
もちろん、これ以外にもセキセイインコの寿命を縮めてしまう病気は多くあります。
そのような病気を防いだり、病気にかかったとき、異変にいち早く気づいて適切な処置を行えるかも飼い主の普段の観察や知識にかかっています。
セキセイインコを長生きさせるためには飼い主の普段の管理、特に餌と運動が非常に重要です。
その意味では、セキセイインコの寿命をもっとも大きく左右するのは飼い主であると言えるかもしれません。
セキセイインコ長生きさせるために
セキセイインコを長生きさせるためには、適切な給餌が重要です。
特に小さい間は餌を切らしてはいけません。
しかし、やりすぎても肥満になってしまいます。
肥満を防ぎストレスを減らすためには、適度な運動を行うことも重要です。
そのため、鳥かごは大きめの方がよいでしょう。
定期的に鳥かごを掃除し、できるだけ清潔にしておきましょう。
不潔なままにしていると疥癬などの病気になりやすくなります。
時々、カーテン越しなど少し弱めた光で日光浴をさせると、カルシウムの代謝によい影響があることが知られています。
そして普段から異常がないかインコを観察するようにしましょう。
フンや羽、くちばしや目のまわりなどの様子から病気の前兆に気づくことは少なくありません。
手で持ってみて体重を調べてみるのも有効です。
なにか異常を感じた場合は獣医に相談するようにしましょう。
環境を整えれば20年生きることもある
セキセイインコはまれに15年から20年も生きることもあります。
また、つがいであれば繁殖させることも可能ですから、世代を引き継いでそれ以上に長く付き合っていくこともできます。
正しい知識を身につけ、上手に飼えばとても長い間一緒にいられる素晴らしいペットです。
少しでも長く一緒にいられるように、適切な給餌となるべく運動できるようなインコにとって理想的な環境をこころがけるようにしましょう。