人間にせよ動物にせよ、コミュニケーションをとるためには相手に対する配慮が必要です。
セキセイインコは言葉を自在に操れませんが、その行動や感情には必ず理由があります。
知らず知らずのうちにストレスを与えていないか、考えながら愛鳥と接して、そしてセキセイインコになついてもらいましょう。
鳥かごを清潔に保つ
セキセイインコは立派な翼をもっていますが、1日の大半を狭く安全な鳥かごの中で過ごすことになります。
鳥かごをお互いの様子がよく見える位置に定め、その傍にゴチャゴチャと物を重ねないようにしましょう。
また、殻つきのエサをこまめに混ぜ、食べやすいようにしてあげましょう。
もし飲み水に異物が入っているのを見つけたら、新しく取り換えましょう。
そして、鳥かごの下に敷く紙をなるべく毎日取り換えましょう。
規則正しい生活リズム
夜は布などで鳥かごを暗くし、朝は鳥かごを明るくしましょう。
それを決まった時間に行なうことが重要です。
1日が始まったことと終わることを教えてあげることは、愛鳥の心身の健康に関わるコミュニケーションの1つです。
セキセイインコも人間も、生活リズムが崩れると身体に負担がかかります。
放鳥する時間や葉っぱなどを与える時間も定めましょう。
セキセイインコはそれを身体で覚えますし、その時間が近づいたら鳴いて教えてくれることもありますよ。
食べ物の種類を変えてみる
セキセイインコの主食には、殻つきのエサが適していると言われます。
その他にも小鳥が喜ぶ食べ物は色々とあります。
野菜、フルーツ、塩土、カットルボーンなどです。
セキセイインコは1日中同じ場所で過ごしているので、食べ物やおもちゃで好奇心を刺激しましょう。
例えば、葉っぱやカットルボーンを鳥かごに設置してみてはいかがでしょうか。
するとセキセイインコはそれをかじって、味わったり落としたりして遊ぶことができます。
ただし食べ物の中には、小鳥の健康を害するものもあります。
よく調べてから与えるようにしてください。
おもちゃを限定しない
小鳥用のおもちゃは、インターネットやペットショップなどで販売されています。
イグサやプラスチックなど様々な素材が使われ、中には揺れたり音が鳴ったりするおもちゃもあります。
セキセイインコの好みや性格も実に多様です。
飼い主が「きっと気に入るだろう」と用意したおもちゃに全く寄りつかない場合もあります。
また、おもちゃの説明文とは異なる使い方をしてそれに夢中になる場合もあります。
ボールペンやビニール袋など、人間がおもちゃとして使わない道具に興味を示す場合もあります。
つまり、おもちゃと遊び方の決定権を持つのは、飼い主ではなくセキセイインコだということです。
愛鳥が何かを使って遊び始めたら、それが事故につながらないように見守ってあげてください。
返事をする
セキセイインコは、気分や目的によって鳴き声を使い分けています。
機嫌が良い時は「ピロウリロ、ピロロ」などと鳴き、飼い主を呼ぶ時は「ピーッ」と声を響かせます。
不機嫌な時は「ケケケケッ」と鋭い声を出し、驚いて逃げ去る時は「ギャアッ」などと鳴きます。
このような鳴き声は、コミュニケーションをとるうえで重要な手がかりとなります。
インコ1匹を迎えた場合、当然のことながら意思の疎通を図ることができるのはその飼い主だけです。
鳥かごがある部屋にいる時は、愛鳥の声を無視せずに、ぜひ声を出して応答してみてください。
よく見て耳を澄ますと、「鳥も空気を読んだり迷ったり訴えたりしているのだ」ということがよくわかってきます。
急に大きな音をたてない
鳥かごがある部屋とそうでない部屋とを行き来する時に、ドアやふすまを乱暴に開け閉めしていませんか?
特に夜、鳥かごを布などで覆って暗くした後は注意が必要です。
テレビの音量を下げたり他の部屋でドライヤーを使ったりして、なるべく愛鳥の安眠に気を配りましょう。
騒音や突然の出来事にストレスを感じるのは、セキセイインコも人間も同じです。
インコの鳴き声は「うるさい」のではなく「にぎやかなもの」だと考えましょう。
ストレスは伝染するものです。
飼い主が穏やかな気持ちで暮らすことは、必ず愛鳥のためになります。
下から手を出す
見慣れないものと関わろうとする時に、セキセイインコは、まずくちばしでそれを突いたり齧ったりしてみます。
そうして徐々に慣れていき、その後に乗っかってみたり足をひっかけてみたりするのです。
動物の身体を押さえ込むことを「保定」と言います。
小鳥は自分より大きな動物に捕食されることを恐れるため、保定を勧めない獣医師もいます。
ヒナの頃から人間の手に慣れていない場合は、手のひらに包み込まれるのを嫌がるセキセイインコが少なくないでしょう。
できるだけ、セキセイインコの頭上(くちばしよりも上)に指や手をやらないようにしてみてはいかがでしょうか。
また、手のひらの上に好物を乗せて待つと、向こうから飛んでくることもあります。
そうすることで手に対する恐怖が和らぎ、インコは指を噛んだり逃げまわったりしなくなります。
通院時などやむをえない場合は、保定の後におやつを与えたり褒めたりして愛鳥を思いやりましょう。
褒める
セキセイインコとは、残念ながら人間と同じような会話は成立しません。
しかし、セキセイインコとコミュニケーションをとることは可能です。
目が合うことも指に乗ってもらうことも、指を噛まれることもコミュニケーションです。
前向きで優しい気持ちでセキセイインコと接してみましょう。
なんでも良いので、温かい目で伝えられる言葉をかけてあげてください。
セキセイインコと仲良くなろう
セキセイインコは言葉ではなく鳴き声や視線、身体の向きなどで気持ちを表してきます。
飼い主もその熱意に応え、行動で気持ちを表しましょう。
まずは、物理的な配慮を欠いていないかどうか振り返ったうえで、接し方を工夫していくことが重要です。