皆さんの飼われているインコがたまに片足を上げていることはありませんか?
なんとも可愛らしい行動ですが、実はあの行動にはきちんとした理由があったのです。
今回は、インコが片足を上げている時の心理について説明します。
体温を維持しようとしている
インコはもともと温暖な地域に生息していた鳥であり、日本の気候はインコにとっては少し肌寒いものとなります。
特に冬場はインコにはかなり厳しい時期となります。
よって、少しでも体温が奪われるのを防ぐため、片足をたたんで足から熱が出ていかないようにしています。
鳥は体は温かい羽毛に覆われていますが、足はむき出しの状態なので体内の熱が出ていきやすい箇所です。
ですから、温かい羽毛の中に足をしまって暖を取っているというわけです。
この場合、インコにとって適切な気温になるよう暖房等で部屋を暖めてあげるとよいでしょう。
インコが過ごしやすい気温は、だいたい27℃~30℃くらいと言われています。
それ以下だと寒過ぎて病気になってしまう可能性が出てくるので、冬でもできるだけこの温度に近づけるよう努力してください。
リラックスしている
インコがリラックスしている状態のため片足を上げているという場合もあります。
そもそも鳥は、リラックス状態である時に、片足を上げた状態になることがあります。
テレビや動物園等で片足を上げた状態のフクロウを見たことがある方も多いと思いますが、あれはリラックスしている状態での行動だったのです。
鳥は常に木の枝につかまって生きている動物なので、棒状のものの上でバランスを取ることに長けています。
そして、片足で立っている方が体が休まるように進化したのです。
ですから、片足で立つことによりもう片方の足を休めてリラックスしているということになります。
栄養不足によるもの
インコは通常、室内で飼うのが基本の生き物です。
ですから、太陽の光に当たる時間というのはどうしても限られてきてしまいます。
そうしますと、ビタミン等の栄養が不足してしまします。
栄養が不足している状態の時、インコは片足を上げることがあります。
これは人間で言う脚気のようなもので、上で説明した日光不足によるビタミン不足で起こる症状です。
この場合、ケージを窓際に置くなどして太陽の光に当たる時間を増やしてあげて下さい。
栄養不足による症状ならば、これを習慣とすれば解決するはずです。
また、いろいろな栄養が豊富に入ったエサも売っているので、そちらを利用するのもいいと思います。
特に、冬の日光が弱い季節や梅雨で晴れないことが多い時期は、日光を浴びるによる栄養補給が難しいのでこちらの方法を積極的に試してみてください。
足を怪我している
場合によっては、足を怪我しているということも考えられます。
鳥類の脚はもともと細くても体をきちんと支えられるようにある程度強靭な作りになっていますが、それでも無理に負荷をかけると当然怪我をします。
特に布製品に足の爪が引っ掛かってしまった時、無理やりに足を引っ張ると痛めてしまう可能性が高いです。
この場合、まずはインコの足をよく観察してみましょう。
何らかの外傷があった場合、すぐにかかりつけの動物病院に連れて行ってください。
病院で獣医の適切な治療を受ければおそらく元通りに治せると思います。
自分だけで何とかしようとせず、きちんと専門家による治療を受けましょう。
何らかの病気である
インコの足の異常は、ねんざや骨折などの怪我によるものだけではありません。
何らかの病気にかかってしまっている可能性もあります。
具体的に言うと、バンブルフットや痛風、疥癬といった病気です。
これらは足からの細菌の感染や糞が溜まっているなどの止まり木の不衛生さ、肝臓等の内臓疾患などにより起こります。
この場合、素人である私たち飼い主にはできることはないので、速やかに動物病院に連れて行きましょう。
獣医による適切な治療を受けることが回復の絶対条件です。
これらの病気は場合によってはその後歩行できなくなってしまうことも十分あり得るので、必ず迅速な対応を心がけましょう。
インコが片足を上げる時の心理を知ろう
インコの一見可愛らしいあの行動は、実はそれぞれきちんとした理由があってのものだったのです。
ただリラックスしている場合など問題ないケースもありましたが、中には深刻な病気による場合もあります。
手遅れになると取り返しがつかないことになってしまうこともありますので、飼い主としてきちんとインコの様子を観察して把握しておきましょう。