インコと一緒に暮らすうえで問題となりやすい噛み癖。

インコの嘴は鋭く、強い力で噛まれれば出血を伴うような怪我をさせられてしまうこともあります。

噛み癖をしつけ、インコと良好な関係を築くにはどうすればよいのでしょうか。

しつけでも体罰はNG

強く噛みつかれた時でも嘴を掴んだり、インコの体を握ったりなどの体罰行為は絶対にしてはいけません。

体罰を受けるとインコは攻撃を受けたと解釈してしまいます。

攻撃対象であると認識されればさらに強く噛もうとするので悪循環が生まれてしまいます。

また、個体によっては体罰を受けたことにより、飼い主に対して恐怖を感じ近寄ってくれなくなるなど、信頼関係を失ってしまう場合もあります。

何度も続けて噛みつく場合は体罰ではなく、一度インコから離れ距離を取りましょう。

強く噛まれた場合でも感情的にならず、落ち着いて対処することが大切です。

甘噛みでも無視はしない

噛まれていても痛くない甘噛み。

この状態で無視をすればあきらめて噛まなくなると考える人もいるかもしれません。

しかし、無視をすることで反応が返ってこないとインコがとらえ、さらに強く噛んでくる場合があります。

この状態ではどれだけ無視を続けてもどんどん噛む力が強くなっていくだけで噛まなくなるということはほとんどありません。

そして強く噛まれ飼い主が反応してしまうと、この強さで噛めば飼い主が反応してくれるとインコが学習し、噛み癖がついてしまうことになります。

また、個体によっては飼い主が自分に興味を持ってくれないと考えて落ち込んでしまうこともあります。

その場合、噛み癖は直るかもしれませんがインコにとってかなりのストレスとなり、また飼い主への興味を失ってしまう場合があるので注意が必要です。

どちらにせよインコにとっても飼い主にとってもよくない状態を招く行為なのでしつけの方法としてはオススメしません。

インコが噛んだ時にとるべき行動

実際にインコが噛みついたとき、痛いと大声で主張したりしてはいけません。

噛まれたときに大きな声でリアクションするとかえってインコが面白がり、もう一度そのリアクションを引き出すために噛む、というサイクルが出来上がってしまう可能性が大きいからです。

インコが噛んできた場合はすぐにゲージの中に戻しましょう。

これを繰り返すことで、インコが噛むとゲージに入れられるということを学習し、噛むと外で遊べない、つまらないということを理解し、噛むことをやめてくれます。

ただし、甘噛みの場合はインコにとって愛情表現の一種であるためゲージに入れなくても構いません。

むしろ、優しい声をかけてあげて、これは甘噛みだから大丈夫ということを教えてあげましょう。

ゲージに入れるのはあくまで噛まれて痛いと感じた時のみです。

インコにここまでは甘噛みだから大丈夫、これ以上は痛いから駄目という境界線を示してあげることが大切です。

根気がいりますが噛むことが自分にとってメリットがないことを繰り返し覚えさせてあげることが大切です。

噛んでも良いものも用意してあげる

人だけでなく家具や書類など、物を噛むインコもいます。

こういったインコの中には飼い主の気を引こうという目的で噛むインコも多くいます。

そういったインコに対してこれは噛んではダメと物を取り上げたりすると、本来の目的である飼い主の気を引くという目的が達成されてしまっているため逆効果です。

対策としてはインコの目に入るところに噛まれたら困るものを置かないということが大事ですが、生活上難しい場合もあります。

そういう場合はインコの噛んでもいいもの、木材や藁でできたおもちゃなどを用意してあげ、それを噛んだ時は褒めてあげる、または何らかの反応を返してあげる。

噛んではいけない物もしくは人を噛んだ場合はすぐにゲージに戻しましょう。

対応に違いを出すことによってインコが学習し噛み癖が抑えられます。

ただし、物を噛む場合、完全に噛まなくさせることは無理です。

噛まれて困るものはしっかりと片付けておきましょう。

早めの対処でインコと良好な関係を築こう

インコの噛むという行為は何かしらの訴えであり、理由ある行動です。

その理由に気づいてあげることが一番の問題解決の近道かもしれません。

また、いったんついてしまった噛み癖を直すには根気が必要です。

インコとの良好な関係を築くために、両方のストレスにならないよう、トレーニングを続けることが大切です。