愛らしい仕草を見せるインコにもっと触れたいと思っている方も多いのではないでしょうか。

実は、鳥であるインコも飼い主との信頼性によってなでることが可能です。

なでる行為はインコの爪管理や通院の際に役に立つ「握られるしつけ」にもつながります。

もちろん衛生面や力加減、ご機嫌伺いなどインコに最大限の配慮をした上で触れることが絶対条件です。

そこで今回は、インコが喜ぶなで方についてご紹介します。

ケージの外からほっぺたなで

みなさんの飼われているインコは、手や指に乗ってくれますか?

「肩や頭までは来てくれるのに手には乗らない・・・」「手を伸ばすと怖がる」など、触れる以前に手乗りになっていなかったり、飼い主の手自体に恐怖感を抱いていたりするインコも多いと思います。

もちろんインコとの信頼関係は、日頃のお世話や遊び方、クリッカー(音の出る成功体験を利用してしつけをする道具)などで築かれます。

成鳥の状態で購入した方はペットショップでしつけがされているケースもあると思いますが、雛から購入した方など好奇心旺盛なインコは、しつけもなかなか大変です。

それでも、ケージの外から呼びかけたり口笛や指を鳴らしたりすると、ケージの柵や止まり木の端まで寄ってきてくれると思います。

「インコをなでる」という目標の為にまずは、ケージの外から触れてみましょう。

シードミックスやペレットなどエサを一粒指先に持ち、インコが寄って来てくれたり近づいてくれたら、いつもの呼びかけやクリッカー音と共にエサを与えます。

毎日数回繰り返しているうちに、飼い主がケージに近づくと柵まで飛びついて来てくれるようになります。

そうなったら体に触れるのはあと少しです。

柵から小指などを差し込みじっと待ちます。

インコが指先をつついたり、自ら指に頭や頬などの痒いところを擦りつけてくれるようになります。

ケージの柵にへばり付くように寄ってきた際には、優しくお腹をさする様に触れてみてください。

決して無理強いせずにインコの様子をよく観察してください。

爪などで傷つけたり強く押したりせずに、優しく愛情を持って触れてあげましょう。

放鳥時の背中なで

放鳥時に皆さんは何をしてインコと遊んでいますか?

放鳥時のインコは部屋のいたる所に興味があり、好奇心の塊です。

おとなしく飼い主の傍にいるインコもいれば、飛び回って手の届かないところに止まってしまうインコもいるのではないでしょうか。

頭に乗ってしまうインコなど「飼い主を下に見ている」という考え方もあると思いますが、インコが落ち着く場所や止まりやすい場所を確保してあげることに注意してあげましょう。

日頃のお世話をしている飼い主との信頼関係は、放鳥時の落ち着きにも関係があると思います。

手乗りインコであっても、そうではなくても、飼い主の手に対してインコの恐怖を取り除くには色々な方法があると思います。

指や手の甲には止まっても、手のひらには止まってくれないインコもいると思います。

まずは手のひらに慣れてもらうことから始めて、背中や頭を撫でる事が出来るようにチャレンジしましょう。

テーブルなどの上で片手をトンネル状(コップを持つような手の形をしてテーブルに指を立てる)にして、その中をインコにくぐってもらうトレーニングから始めます。

初めは意味が分からずウロウロとしてしまうと思いますが、手のトンネル出口からインコを覗いて、優しく呼んでください。

根気強く行うことで、インコはトンネルをくぐってくれるようになります。

だんだんと手のトンネルの大きさを小さくする事も有効です。

この手の中を通る遊びが、手への恐怖心を取り除き、背中や頭を触られる事への抵抗感を取ることに繋がります。

お気に入りの呼びかけや音と同時にご褒美のエサやおやつを与えることで、成功体験からのしつけにもなります。

遊びと同時に慣れてくると背中をなでられる事が、喜びへと変わってきます。

放鳥時のインコの頭と飼い主の鼻タッチ

インコは、飼い主の声や色々な音を集中して聞いているときに、じっとしていることがあります。

放鳥時に言葉を覚えさせようとしたり話しかけたりしているときも、同様な仕草をすることがあると思います。

一生懸命話しかけを聞いてくれているだけでもとても可愛いですが、話しかると同時にゆっくり顔を近づけてみましょう。

初めは後ずさりしながらも、再び寄ってくるようになると思います。

インコがお気に入りの呼び方や音を利用することで、だんだんと距離が縮まります。

顔を近づけたまま呼びかけても後ずさりしなくなったら、飼い主の鼻をインコの頭に軽く触れるように続けてください。

飼い主の鼻が頭に触れても抵抗しなくなったインコはだんだんと自らも近づくようになり、一層飼い主との距離と信頼関係が強まります。

その結果、インコの頭も触れることができるようになり、愛情表現の一環だと理解してくれるでしょう。

ただし発情期や噛み癖があるインコの場合は、行わないようにしましょう。

インコに警戒心を持たせないなで方を覚えよう

「インコが喜ぶなで方」は、飼い主のエゴであってはいけません。

無理強いせずとも、インコに触れられる状態は、インコが愛情表現であると受け入れている合図であると思います。

しかし、同時にインコは弱い動物であり、人間に触れられる事自体が、自然界ではあり得ない事です。

ましては、「なでる」という行為自体が鳥類にはありません。

くちばしでつついたり肌を寄せ合ったりする行為が、インコにとっては「触れる」事になるわけです。

みなさんも無理強いをせずに、インコとの信頼関係を確認する愛情表現の一環として、「インコの喜ぶなで方」について研究してみてはいかがでしょうか。