大きさや種類も違う様々なインコをコンパニオンバードとして愛する人が増えています。

フライトスーツやハーネス、移動用のキャリーなどインコと一緒にお出かけできるグッズもたくさんあります。

これまで小鳥のお出かけといえば動物病院に行くときくらいでしたが、今や愛鳥と一緒にお散歩を楽しむ人の姿も見かけることが多くなりました。

その一方で、ちょっとしたアクシデントで大切な愛鳥を迷子にしてしまう事故も増えています。

迷子になる原因を知り、対策をとることで防止できることも多いですから、注意しましょう。

屋内での防止策

屋内でインコを放鳥するときには窓や戸をきちんと閉める。

夏場などで窓を開けるときには網戸にする。

中型以上のインコは案外強い力があります。

遊んでいて網戸にぶつかったりすると拍子に網戸が外れてしまうこともあります。

かじることの好きなコなら遊んでいて網戸の網をかじってみたり・よじ登って爪で穴をあけたりということも考えられるでしょう。

ガムテープなどで網戸を固定する・インコが網戸に張り付いたり・かじりだしたりしたらすぐにやめさせて、代わりのおもちゃを与えるなどしましょう。

同居している家族には放鳥中であることを知らせて、戸や窓は開けないことをお願いしておきましょう。

インコと遊んでいるときに用事で放鳥している部屋から移動するときには、インコがどこにいるかを確認してください。

肩の上に座っていたりしないかをよく見ましょう。

飼い主さん大好きのコは部屋から出ようとするのを追いかけてきて背中に張り付いていたりします。

部屋から出るときには「必ずインコの現在地を確認すること」を徹底してください。

鳥は頭がよく、一緒に暮らしている人間の様子もよく観察しています。

ケージの戸の開け方も人間のやり方を見て覚えていたりすることが多いものです。

自分でケージの戸を開けてでてくることを覚えると、気の向いたときにいつも出てきます。

エサ入れ・水入れ専用の扉・鳥を出し入れする扉にはナスカンをつけたりして「鳥が自分で開けられないように」しましょう。

洗濯バサミで止めたりすることはインコには通用しません。

小型でも物をかじる修正がありますし、根気よくかじって壊してしまいます。

屋外での防止策

お散歩に連れ出すときには、中型以上のインコならハーネスやフライトスーツの装着がいいでしょう。

若いときから訓練しないと装着を嫌がるコも多いので、すべての鳥に使えるとは限りませんが、自由な雰囲気を味わえるものです。

お散歩することで、「自宅の周りの景色」が見慣れたものになっている鳥の場合、アクシデントで外に飛びだしても近くにとどまっている可能性があります。

装着するには人間側にも練習が必要です。

短時間で装着できるように練習しましょう。

屋外に出る前に留め金などきちんと閉まっているか確認するようにしてください。

キャリーに入れて連れ出す場合、キャリーのすべての扉がきちんと閉まっていることを確認しましょう。

自分で戸を開けることのできるインコの場合は、ナスカンを取り付けるなどしてください。

うっかり落としたりしたときにもキャリーが分解してしまわないようにゴム紐で固定しておくと便利です。

キャリーにもいろいろな種類があって、鳥カゴの小さいバージョンのようなもの・オシャレなカバンタイプ・リュックサック型になったものと様々です。

大きさもセキセイインコクラスからコンゴウインコクラスまでバリエーションも豊富にそろっています。

ネットで検索するなら「インコオウムキャリー」「鳥用キャリー」などのキーワードで探してみてください。

インコを呼び戻す対処策

名前を呼んだり・エサ入れやおもちゃの音を鳴らしてみましょう。

高い木の上・屋根の上などに止まっていないかよく見ましょう。

飼い主さんの姿を見ると安心して声を立てずに隠れていることがあります。

さっきまで声が聞こえていたのに、というときには一旦飼い主さんがその場を離れるそぶりをするなどすると、鳥がまた呼び鳴きしたりして位置がわかることがあります。

最寄りの警察署・隣町の管轄の警察署に遺失物として届け出ましょう。

風に乗って案外遠くまで行ってしまっていることがあります。

届け出たらこまめに情報確認しましょう。

保健所にも迷子の鳥の持ち込みがないか問い合わせてください。

地域のペットショップやホームセンターなど保護してくれた人がエサなど買いに来そうなところにポスターを貼るなどさせてもらうように頼んでください。

ネットの迷子鳥の捜索掲示板を利用したりツイッターなどで情報の拡散をします。

保護した人から飼い主さんを探す投稿もありますから、小まめに確認しましょう。

ポスターの作成時には保護してくれた人に謝礼を出すことなど入れておくと、探してもらいやすいことがあります。

ポスターには愛鳥の写真などを載せるのが一般的ですが、鳥自体のあまり細かい情報は入れません。

本当の飼い主以外の人が先に引き取ってしまわないためです。

海外の飼育書では「持病があって定期的に投薬しなければならない、など世話が大変で転売しても価値がない」というように書くことも提案されています。

迷子の鳥を助けてくれる人はほとんどが自身も動物好きだったりして、飼い主さんの存在を探してくれるものです。

でも中には里親募集サイトなどで有料で転売したりするケースがあるからです。

また、悪意はなくても手乗りに仕込まれて人懐っこいインコに情が移って飼うことにするケースも考えられるためです。

鳥好きとしてはわかるところもある心理ですが、少しでも早くインコと飼い主さんが再会するためにも想定されるケースには予防策をとっておきましょう。

インコが迷子にならないように気をつけよう

ずっと飼い鳥として過ごしてきた鳥は、アクシデントで外に出てしまうとパニックになります。

カラス・猫・蛇など外敵のターゲットにもされやすいものです。

残念ながら、野生化して生き延びるということは可能性の高い話ではありません。

うまくエサが取れなかったり、外敵に襲われたりして命を落とすほうがずっと確率が高いのです。

鳥は自分で道を尋ねながら帰ってくることはできません。

親切な人に保護してもらっても、家族のことを話して連絡を取ってもらうように頼むこともできません。

最近はネットのおかげで思いもかけないところにまで捜索網を広げることができます。

あきらめないで根気よく探しましょう。

また、迷子の鳥を保護したら、心配している飼い主さんの元に一日でも早く帰ることができるように手を尽くしてあげてくださいね。