くちゅん、くちゅん。
インコのこのような「くしゃみ」、聞いたことがありますか?
これ、可愛いとだけ思っていたら、要注意です。
命にも関わることもあるのです。
今回は、そんなインコのくしゃみの原因をご紹介します。
気道炎
気管炎、気管支炎、副鼻腔炎などの気道炎症の病気。
一般的には、風邪(感冒)と言われます。
症状として、鼻水やくしゃみがあり、悪化すると呼吸不全にも繋がるので呼吸が苦しそうだったり、目を閉じてじっとしている時間が長かったりなどの場合は注意が必要です。
主な原因は、寒さ、タバコや排気ガス、ウイルスや細菌などによる感染症で、また、窓やゲージなどに激突した際の傷が原因で起こることもあります。
予防としては、劣悪な環境に置かないことが挙げられます。
思っているより、インコは敏感な動物です。
急激な温度変化や、粉塵が舞うようなところを避け、定期的なゲージの掃除を心掛けてください。
換羽
季節に応じて、身体全体が換羽状態になります。
その際に、身体のエネルギーを使ってしまいますので、身体の抵抗力が落ちて、ちょっとしたことでもイライラしたり、体調を崩したりしてしまいます。
また、細かい羽根が飛んで、呼吸器を刺激してくしゃみを頻繁にしたりします。
場合によっては、換羽時期が長引いたり、逆に早すぎて羽根が生え揃わなかったりと、他の病気が潜んでいる場合もありますので、日頃の観察が大事になります。
換羽起をうまく乗り切るためには、ビタミン剤やサプリなどで栄養不足を補い、普段通り接することが大切です。
鼻炎・副鼻腔炎
ウイルスや細菌、感染症などで引き起こされる病気です。
症状としては、くしゃみや鼻水があり、他にも眼がしょぼしょぼとなったり、涙目になったり、眼の周りが腫れあがったり、結膜炎に似た症状を引き起こしたりします。
ひどくなると、目の周りの毛が抜け落ちてしまい、見た目も可哀想な状態になってしまいます。
放置してしまうと、症状が悪化し、眼球の突出など失明にも繋がりますので、早めの処置を考えてください。
この病気は、保温を心掛け、原因となる細菌に合わせた投薬治療が必要になります。
腹水
意外に思うかもしれませんが、お腹に溜まった水が原因でくしゃみなどの呼吸器系の症状が出ることがあります。
原因は、心疾患や肝機能低下による血圧上昇などで、体内に液体が溜まり、呼吸がしづらくなります。
他に卵管炎、腫瘍などで起こることもあリ、かなり重篤な場合は、命にも関わりますので、腹水の治療と併せて原因となる病気の治療が必要です。
お腹が膨らんでいるなと感じたら、すぐに受診しましょう。
治療方法は原因となる病気により異なり、心疾患の場合は投薬治療、卵管炎や腫瘍の場合は外科治療を行います。
トリコモナス感染症
原虫に分類される寄生虫に感染で発症します。
主に若鳥にかかりやすく、おう吐、食欲がなくなる、呼吸器系の炎症などを引き起こします。
その結果、感染に弱い粘膜が壊死してしまい、膿や潰瘍にもつながってしまいます。
治療方法は、抗生物質剤の投与が基本で、炎症がひどい場合は止血剤なども併用されます。
より重篤な場合は、入院治療も必要となってしまいます。
人への感染もある病気ですので、ちょっとでも気になる症状がある場合は早めの受診を心掛けてください。
クラミジア感染症
こちらもインコにかかりやすい感染症の一つです。
クラミジアトラコマチスという原因菌により引き起こされ、ゲージの下でうずくまったり、下痢、くしゃみ、羽根の脱落、食欲不振など、様々な症状が出てしまいます。
こちらも人への感染がある病気で、・口移しでエサをあげる・直接触ったりしても、よく手を洗わない・くしゃみをまともに顔で受けたなど、スキンシップが多いと感染が疑われます。
人からの感染もありますので、スキンシップのしすぎは要注意です。
この感染症の場合も、抗生物質剤の投与が基本的な治療法で、炎症がひどい場合は止血剤なども併用されます。
感染症が疑われ、同じゲージに2羽以上インコがいる場合は、違うゲージに隔離し、二次感染を防ぐように心がけてください。
風邪
人間と同様に、インコも風邪を引きやすい動物です。
止まり木の上で羽根を膨らませていたり、鼻水、くしゃみをしたりするなどの症状が出ます。
鼻水が続くようであれば、柔らかい布で拭き取ってあげましょう。
症状が悪化すると、鼻水が黄色くなり、肺炎を併発し、うずくまったまま動かなくなってしまいますので、そうなる前に、早めの保温と病院への受診を考えてください。
インコのくしゃみは危険のサインかも
インコも大切な家族の一員です。
保温や水の交換など生活環境を整えてあげて、いつもと違う「あれ?」という症状を見逃さないでください。
おかしいなと感じたら、早めに受診させてあげることをオススメします。