枝に乗るインコ

インコが取る行動のうち人間にとっては迷惑な行為があります。

その1つが人の頭の上に乗ることです。

かわいいと言えばかわいいですが、痛いですし髪の毛がぐちゃぐちゃになってしまいます。

インコへのしつけとしても、なるべくならやめさせたい行為なのでその原因と対処法をご紹介します。

高い位置にあり目標としやすいため頭に乗る

自然界ではインコは捕食される立場にありますから、本能的に、常に安心を求めています。

インコは放鳥すると、カーテンレールやタンスの上など、高い場所に好んで止まります。

高い場所から広く辺りの様子を見渡せることは、インコとって安心です。

そのため、インコが頭に乗る場合、人の頭をただ単に、「高く、止まるのに目標としやすいところ」としている可能性があります。

しかし、人の頭は丸く毛髪もあったりして、インコも安定が悪く、爪や脚に毛髪が絡まるなどのトラブルもあり得ます。

人間側にとっても、インコの様子がよく見えず、髪毛が乱されたりフンをされたりと、迷惑な場合も多いです。

人間の手や肩の方が安定して止まれ、飼い主と楽しいコミュニケーションが取りやすいことを、まずは教えて行きましょう。

まだ飼い主に馴れていないため頭に乗る

インコが頭に乗る場合、飼い主との生活がまだ浅いため、いきなり頭に飛び乗るパターンがあります。

飼い主との間に心理的距離があるため、インコにも戸惑いや恐れがあり、目を合わせないで済む頭に乗っているケースです。

このような場合は、まずは飼い主の手に馴れさせることから始めます。

インコは人の爪など固さがあるものをくちばしに見立て、つつくことが好きなので、爪をつつかせ、人の手に自然に馴染むよう仕向けます。

手に馴れ自分から手に乗ってくるようになれば、腕や肩に止まることも増えるようになり、頭に止まることが少なくなります。

子どもなどの肩が狭く止まりにくいために頭に乗る

インコは身体の大きい、肩幅の広い男性の肩に好んで止まります。

広さがあり、安心して止まれるからだと考えられます。

セキセイインコなど小型のインコであれば女性の肩幅でも十分ですが、子どもの場合になると、セキセイインコであっても、肩幅が狭いために居心地が悪いので、つい頭に飛び乗る場合があります。

小さな子どもは、いきなり頭にインコが乗って怖くなり、インコに対しつい乱暴なことをしてしまう恐れがあります。

インコを放鳥するときは必ず大人が見守り、トラブルを避けましょう。

また、オカメインコ以上の中型~大型インコの場合は、手、腕、肩に乗せても相当な重さがあります。

中型~大型インコの放鳥の際は、伝って遊べるロープや、休憩用止まり木などを設置し、遊んであげましょう。

人間に対して発情しているため頭に乗る

オスのインコを1羽のみで飼っていると、時には飼い主に対して非常に強い愛情を抱き、繁殖のパートナーとして発情する場合があります。

インコの交尾はオスがメスの身体の上に乗ることで行われますが、それが人間に対しての場合、多くは頭に乗って行おうとします。

インコの愛情表現なので、インコの年齢が若いときは、対処が難しい場合があります。

しかし、インコのオスが発情し続けると精巣腫瘍など怖い病気になる可能性も上がり、短命になる恐れがあります。

栄養価の高いエサを控えるなど工夫して、発情をなるべく控えましょう。

オスであればおしゃべりを教えるなど、人との楽しい遊びを教えてあげるのも手です。

相手を威嚇、攻撃するため頭に乗る

インコは可愛い姿からは想像できないほど、激しいケンカをすることがあります。

激しいケンカは、恋のトラブルの際に起きます。

特に気の強いセキセイインコなどは、人間で例えれば馬乗り状態になって、相手を徹底的に攻撃します。

飼われているインコが人間に対してここまで攻撃的になることは稀ですが、発情、産卵、抱卵、子育ての最中などは、驚くほど攻撃的になる場合があります。

いきなり頭に飛びかかったり、顔の真正面向かって飛んで来たり、そして目をつつくなど、子育てによりインコの野性が呼び起されたような状態になることがあります。

抱卵や子育てはインコが大変デリケートになる時期ですから、関わる人間もインコの気持ちに寄り添い、攻撃を誘発しないように心がけましょう。

頭の上そのものに愛着を感じているため頭に乗る

最近はインコ睡眠用三角テントなども発売されるなど、爪が引っかかったりしないかぎり、インコも暖かい毛布様生地や、柔らかいタオル地などの感触を非常に好む場合があります。

しかし、インコがどのような行為や感触を好むかは、個体差があります。

インコが人の頭の上に乗ること自体に楽しさや心地良さを覚えてしまった場合、止めさせるのがかなり困難になる場合があります。

飼い主側がインコの要求に対して苦にならなければ問題がありませんが、苦痛な場合はインコとの関係もぎくしゃくしてします。

取りあえず三角巾や帽子などをかぶって直接頭に乗らせない、インコが戸惑うような飾りなどを頭につけて乗ることを避けさせる、などの対処をしましょう。

いずれにせよ放鳥の際は、頭の上に乗ること以外にもインコが夢中になる楽しい遊びをたくさん用意してみましょう。

インコとのコミュニケーションを大事に、お互い心地良い関係をつくろう

私たちにとって身近なペットであるインコは、とても人間に馴れてくれる愛すべき存在です。

それゆえ、その距離の取り方が難しい場合もありますが、毎日のお世話を通じて飼っているインコの特性を理解し、深い愛情をもってインコと接するよう心がけましょう。