野生のインコの生活パターンは日の入りと共に眠りにつき、日の出と共に活動を開始する、というものです。
平均睡眠時間は12時間~16時間程度とされています。
人間と一緒に暮らしているインコは、飼い主の生活リズムにあわせた生活をしていることが普通ですから、野生と同じようにはいきません。
睡眠不足の状態が続くとインコも人間と同じように体調を崩す原因になったりします。
それだけではなく、「日照時間が長い(明るい時間が長い)」ということは発情しやすくなってしまうために、ストレスをためやすいということもあります。
インコの就寝時間
理想的には日の入り時間には寝かせる、ということができれば一番ですが、現実にはそうもいきません。
愛鳥家のコミュニティなどの情報サイトでは21時ごろに寝かせるというのが一番多いパターンです。
早い人では18時ごろには寝かせる、という意見もあります。
起床時間は一番多いのが朝6時ごろから7時ごろが一番多いパターンです。
この統計からすると飼い鳥としてのインコの睡眠時間は約9時間からとなり、長いパターンでも約13時間寝ているということになります。
ペットとして飼われているインコの場合は人間が構っていないときには昼寝ができるということもあり、野性と同じ睡眠時間にこだわっていない飼い主さんが多くなります。
でもあまり短い睡眠時間は過発情の原因ともなり、病気の元となります。
日照時間(明るい時間)が10時間を超えるようになると、発情スイッチが入ると言われています。
飼い主さんが夜型生活をしている人でもインコは人間よりも早くに寝かせるようにしてあげましょう。
インコの眠りについて
10時間近くある睡眠時間には理由があります。
インコの眠りは人間のように深く・ぐっすりというわけではないからです。
外敵からの行動から常に身を守るために鳥類の睡眠は浅い、とされています。
ちょっとした気配や音ですぐに目を覚ましてしまいます。
外敵から襲われたりする恐れのない飼い鳥になってもこの性質はちゃんと残っています。
ですから、インコを「寝かせた」後は様子を見るためにケージをのぞいたりしないようにしましょう。
それが大好きな飼い主さんであっても睡眠中の気配や物音はインコにとっては警戒するものになってしまいます。
大きなテレビの音・人の足音などもできれば控えてあげたいものです。
インコが安心して寝るための準備・明るさ
暗くて静かな環境を用意してあげましょう。
ケージの移動が可能であれば、寝るときにはテレビのある賑やかな部屋ではないほうが望ましいです。
家族が忙しく出入りしない部屋であることも大切です。
そうはいかない場合、リビングなどにケージがあって動かすこともできない場合は光を遮るための遮光カバーが必須です。
バスタオルでも・シーツでも・カーテンでもなんでも構いません。
専用のケージカバーも市販されています。
テレビをつけていたりする場合はあまり大音量にしないようにしてあげてください。
一度カバーをかけて「おやすみなさい」をしたら、それ以降は様子をみるために覗いてみるなどは必要ありません。
しばらく鳴き声がしていても、やがて静かに寝るようになります。
最近の説では「鳥も明るい場所で眠ることができるからカバーはいらない」という意見もあります。
実際、インコを観察してみると昼間でも居眠りをしていることがあります。
鳥も明るい場所で眠ることができるわけです。
ただ、テレビのある部屋にケージがあって、画面の光がチラチラしたり・家族の出入りがしょっちゅうあったりという場合はその「気配」でインコが眠れないということがあります。
外敵に襲われないようにしながら生きている鳥類ですから、これは仕方のないことです。
インコを別室で寝かせることができない場合、ケージカバーは「物の気配」を抑えるためのものとして必要になります。
インコが安心して眠るための準備・音
よほどの大音量でない限り、テレビの音がしていてもインコが眠れないということはありません。
楽器の音や車のサイレンやブレーキの音、の鳥や動物などの鳴き声にはインコも反応することが多いものです。
人間の耳ではわかりにくいものですが、鳥にとっては仲間の発する警戒音に似ていたり自分を呼んでいる声に聞こえてしまうものだからでしょう。
ですからインコを寝かせた後はテレビの音も控えめにしてあげるほうがいいでしょう。
怒鳴り声などでなければ人間の普通の話声は飼い鳥としてのインコには問題ありません。
インコの睡眠を知って睡眠環境をつくろう
インコには規則正しい生活をさせることが長生きしてもらうために大切なポイントになります。
毎日の就寝・起床時間はいつもできるだけ同じ時間にしてください。
生活リズムを変更することはインコにとって大きな負担になることではない、とされています。
反対に毎日何時に寝るのか・起きるのか(ケージのカバーが外されるのか)わからないというほうがストレスになります。
インコにとって「今日はお休みだからゆっくり寝ていよう」ということは通用しません。
仕事をしている人にとってゆっくり寝ていられるのは嬉しいことですが、インコはいつもの時間に起きるほうがいいのです。
ちょっと辛いところですが、愛鳥のためですからここはきちんとしてあげましょう。