世はまさに空前のインコブーム、セキセイインコ、コザクラインコなどの、小型のインコは可愛くて、飼いやすいというイメージ、それに値段が高くないという点からも人気です。
でも実際はどうなのでしょうか。
飼う前に知っておいた方が良いことをご紹介します。
すぐになつくわけではない
インコは見ているだけでも可愛いものですが、それだけで十分と考える飼い主は少ないはず。
手に乗ってほしい、なついてほしい。
すりすりもしたいし、呼んだら来てほしい。
そう考えるのが普通ですね。
インコとそんな親密に関係になりたいのなら、毛の生え揃っていない、生まれたばかりのヒナを買ってきてください。
そして毎日毎日、差しエサをしてください。
差しエサというのは、お湯でふやかしたフードをくちばしに運んでやる作業です。
三、四時間おきに、作り立てのエサを、親鳥に代わって与えましょう。
根気の要る作業ですが、これを続けることで、人間を怖がらないインコに育つのです。
インコは誰がお世話してくれたかをちゃんと覚えています。
家族の中の誰がいちばん自分を可愛がってくれたのかを。
なつかせるには、世話をして、かまってあげるしか方法はありません。
かまってあげればあげるほど、インコはなつきます。
与えれば与えるほど、返ってくるのです。
話すようになる子と話せない子がいる
インコの中でもセキセイインコはおしゃべりが上手だと言いますが、どれくらいしこめば話せるようになるかは、一概には言えません。
人間の言葉に興味をもって、すぐに真似し始めるインコもいますが、簡単な言葉を繰り返し、繰り返し教えても、まったく覚えてくれない鳥もいます。
人間の言葉はなかなか覚えないけれど、電話の呼び出し音やフトンを叩くパンパンという音を覚える鳥もいます。
これは個体差と言うしかありません。
一般的にオスの方が言葉を覚えやすいと言いますが、これもメスと比較すればいう話で、オスなら絶対話すということではないと思います。
世話いらずというわけではない
インコは暑さや寒さに強く、丈夫で飼いやすいことは間違いないのですが、まったく手間なしに飼育できるかといえば、それはノーです。
健やかな毎日を過ごさせてあげるために、週に二、三回の日光浴は必須。
さらに水替えは毎日しなくてはいけないし、エサも毎日チェックした方が良いでしょう。
栄養の補助のために青菜やボレー粉を与えた方が良いですし、ケージの下に敷く紙は清潔を第一に考えるなら、毎日交換。
ケージ自体もときどき水で洗って大掃除しなくてはいけません。
放っておくと、寂しさからくるストレスで自分の毛を引き抜いてしまうこともあります。
色々するべきことはあります。
インコは長生き
小型のインコの寿命は五年から八年と言われていますが、これはあくまで平均値。
長生きなら十年越え、中には十五年くらい生きるものもあります。
寿命が長いということは、飼い主にとって嬉しいことではありますが、それだけ責任が重くなることでもあります。
十年近くに及ぶ年月、毎日お世話ができるか。
飽きたりしないか。
人間にはライフステージがありますが、人生の節目で生活スタイルが変わっても、飼い続けることはできるのか。
それでも人間に比べれば短い一生です。
最後まできちんと飼ってあげてくださいね。
病気になったら
インコが体の毛を膨らませて動かない、止まり木から降りてじっとしている・・これは病気のサインです。
インコは丈夫だとは言われますが、事故や病気のリスクは考えておかなければなりません。
犬や猫だったら、近くの獣医さんで済むのですが、小鳥を診てくれる獣医さんの数は限られます。
緊急な事態に悲しい思いをしないためにも、日ごろからかかりつけになってくれる獣医さんを探しておくと良いでしょう。
一匹で飼っていても卵を産んでしまうことがある
インコは一匹で飼っていても、メスであれば無精卵を産むことがあります。
卵を産ませないためには、発情させない工夫が必要です。
それには冬でも保温しない、日に当てる時間を少なくして暗く静かな場所にケージを置いておく、適度なストレスを与えるなど、要するに安心して産卵できないようにしてしまうわけです。
可哀想と思われるかもしれませんが、孵らない卵を産み続けることは決して良いことではありません。
身体に負担がかかり、病気になりやすくなったり、卵詰まりなど、命の危険にさらされる危険が増えたりします。
逆に繁殖させたいならば、適切な環境の中で、適切な時期を選び、相性良いパートナーと一緒にさせます。
卵を産ませる適齢期は一歳から三歳、シーズンは春と秋です。
インコを飼ってみよう
本来インコは群れを作って生活している鳥です。
複数で飼っていれば良いのですが、単独飼いの場合は、ケージの中で心細い思いをしているんじゃないかと思います。
毎日覗いて、声をかけてあげてください。
そしてつまらなそうにしていたら、遊んであげてください。