インコを飼育したことのある飼い主さんであれば、インコは発情しやすく、発情した場合には放置しておくと大変なことになると経験からご存知のはずです。
しかし、経験値の少ない飼い主さんが不注意でインコを発情させてしまったら、それはもう大変です。
そこで、いち早く発情期に対応できるように、インコが発情期に見せる行動や仕草についてご紹介します。
日頃から太っているが、発情前にさらに太る
発情しやすい雌雄インコと、そうでないインコがいます。
発情しやすいインコとは、一言で表すと太っている子です。
ですから、インコの飼育本には繰り返し「体重の管理」の重要性が記載されていますね。
そういったものを読むと、真面目な飼い主さんはうちの子は太り気味かも…ダイエットの必要があると考えて放鳥したりしますが、インコは運動によってダイエットできません。
エサの量の制限によってしかインコはダイエットできず、一度ダイエットすると死ぬまでダイエットの必要性が出てきます。
エサの量ですが、適性量はインコの場合は「体重の10%」とされています。
インコの体重は健康のバロメーターですから、月に1回は測定するようにします。
ケージの中の温度をさらに高くすると喜んで大きな声で鳴く
インコ・オウムは平時の体温が高いです。
種類にもよりますが40度以上あります。
ですから、人間とは室内の温度の感じ方が大分違います。
特に、南半球が原産地のインコを日本で飼育する場合は、「保温球」が必要です。
しかし、温度を高く上げ過ぎると、太っているインコは発情モードに切り替わって、大きな声で鳴き始めてしまいます。
体調が悪いインコや、病気の鳥は30度前後にケージ内の温度を保ちます。
しかしそうでない、太めの子なら20℃から25℃で保つように、飼い主が必死でケージ内温度の調整を行う必要があります。
胸を床面について尾を高く上げようとする
インコは飼い主に対して発情することがあります。
太り気味の早熟なインコは、飼い主がよくかまってやっていると(飼い主は愛情ゆえのケアですが)、春先などに飼い主に対して、胸を床につけて、尾を高く上げて求愛行動に入ることがあります。
この行為を見たら要注意です。
なんとかしてインコを発情モードから、普通モードにしないと、小鳥は交尾しなくても発情するだけで卵(偽卵)を産むことがあります。
飼い主に対して呼び鳴きをする
インコは人間である飼い主に対しても発情しますし、メス同志、雄同志、姉妹同志でも発情します。
発情しやすくなる条件はいくつかありますが、産卵をさせる気もないのに、ケージの中に巣箱を放置しているのは絶対に禁止です。
メスインコは巣箱がケージ内にあるのを見ると、発情して卵を産める環境が整ったと、発情モードに切り替わってしまいます。
飼い主がケージの前を通りかかっただけで、前とは違った強い声で呼び鳴きをするようになったら気を付けましょう。
発情したインコの行動として「吐き戻し」も有名ですが、発情していなくても、仲良し同志で行うことがあります。
メス同志で背中に足をかけて背中に乗ろうとする
雌同志で並んでいて、一羽がもう一羽の背中に足をかけようとする動作を繰り返すことがあります。
飼い主が焦って引き離そうとしても、足をかけようとしているメスは素直に引き下がろうとしません。
こういう場合は、二羽をケージを分けて引き離す作戦が有効です。
発育の良い体格の大きなメスのインコは、メス同志で交尾の真似事をすることがよくあります。
ケージの中にデブインコと、小柄なインコが同居しているときは注意して観察していた方が良いでしょう。
発情中に無精卵を産む
哺乳類と異なり、インコの世界は発情しただけで、無精卵を産むメスがいます。
こういうメスをケージの中に放置しておくと、無精卵を数十個産んだ挙句、「卵詰まり」を起こして死んでしまったり、動物病院で20,000円以上の費用がかかる手術が必要になる場合がありますので、要注意です。
まず、無精卵を産み続けるメスインコの場合は、ネット通販で手に入りますが、「偽卵」を購入して、産んだ卵にその卵を混ぜるようにするという手があります。
卵が増えているのを見ると、メスインコの頭にたくさん産んだから、もうこのくらいで良いやという気持ちになって、卵をそれ以上産むのを止めることがよくあります。
卵詰まりを起こしてしまえば、通院も必要です。
しかし、インコをきちんと診察・治療できる動物病院の絶対数はとても少ないです。
ですので、あらかじめ電話をしてインコを診察できるかどうか質問をしておきます。
冬場に自宅からインコを外出先に連れて行くためには、移動用ケージを毛布などでぐるぐる巻きにして、とにかくインコを冷やさないようにして移動させる必要があります。
発情させるのは巣引きのタイミングのみ
自宅で巣引きを試みる飼い主さんであれば、愛鳥が発情しやすい環境にしておく必要があります。
しかし、そうでない場合、雄(雌)ばかり複数飼っているとか、特に産卵させる予定がないのなら、発情しそうな子をあらかじめ1羽飼いにしておくのがオススメです。