らんちゅうと言えば金魚の中でも独自の飼育方法があることで有名です。
らんちゅうは育て方で良い個体にも悪い個体にもなりますので、折角飼育するのであれば良い個体を育てたいですよね。
らんちゅうを飼育するに当たって最も重要となるのは「水槽の選び方」です。
より良い個体を育てるための「らんちゅう水槽」の選び方をご紹介します。
広い水槽を選ぶ
これはらんちゅうに限らず、全ての飼育魚に対して言えることですが、「大きくて広い水槽」を選ぶことが大切です。
特にらんちゅうは若い頃は十分な運動量が必要で、これが不足すると健康にも影響を及ぼしてしまうことがあります。
また、らんちゅうは身体が大きく泳ぎが下手な種類です。
狭い水槽で飼うとバランスがとり難く、ガラスに身体をぶつけたりして怪我をしてしまう危険性もあります。
凡その目安としては体長8㎝程度のらんちゅうならば60㎝水槽以上が良いと言われています。
らんちゅうはできるだけ広い水槽で飼育すると良いと言われ、専門業者は水槽ではなくプラケースのように広い水槽を用意して飼育するそうです。
また、らんちゅうは1匹で買うと寂しさからストレスを受けやすく、短命になりやすいので、できれば2~3匹で飼育するようにして下さい。
浅い水槽を選ぶ
らんちゅうは品種改良を繰り返して生まれた金魚ですから、普通の魚と違って深い水槽を好みません。
元々らんちゅうは広くて浅い場所を泳ぐのに適した身体つきをしているので、深い水槽ですと上手く泳げなくなってしまいます。
特に成魚を深い水槽で飼育すると、上手く泳げずに怪我をしたり、エサを取れなくて弱ってしまう等の問題が起こりやすいです。
また幼少期の小さならんちゅうを深い水槽でも飼育すると、ストレス体調を崩したり、身体の形が崩れ、あのらんちゅう独特のフォルムが出なくなってしまいます。
品評会に自分が育てたらんちゅうを出すのも、たしかにらんちゅう飼育の楽しみです。
そうでなくともらんちゅうを健康に育成したいのであれば水位の低い、浅い水槽を選ぶようにしましょう。
しかし浅ければ浅いほど良いという訳ではなく、60㎝水槽ならば15㎝位、90㎝水槽なら30㎝前後の高さを目安としましょう。
らんちゅうの体高の5倍位を目安に水槽を選べばOKです。
ガラス水槽は避ける
ガラス水槽は近年一般的な水槽で、インテリア性がある上に、観賞魚をより美しくみせる効果もあります。
しかしらんちゅうを飼育するのであれば、ガラス水槽はできるだけ避けた方が良いでしょう。
透明度の高いガラス水槽だと、確かに見た目が美しくなります。
しかし、透明度の高さ故にらんちゅうがガラスを認識できずにぶつかってしまうことが良くあります。
しかもガラスは他の素材に比べて固く、怪我がしやすいです。
また何度もガラスにぶつかると、らんちゅうの特徴でもある肉瘤が潰れてしまい、キレイならんちゅうに育たなくなってしまいます。
らんちゅうを飼育するのであれば、ガラス水槽は避け、プラスチック容器や不透明の容器を用いるのが良いでしょう。
しかしどうしてもガラス水槽で飼育したいのであれば、強い照明を当てて、ガラスの表面にコケを発生させて下さい。
そうすれば、らんちゅうもガラスを認識できますので、ぶつかることもなくなるでしょう。
角が丸い水槽を選ぶ
らんちゅうを飼育するのであれば角が丸い、所謂「曲げガラス水槽」のような物をオススメします。
上でガラス水槽は止めた方が良いと書きましたので、ガラス素材ではなく、角が丸い水槽を選ぶと良いでしょう。
らんちゅうは身体が大きく泳ぎが得意ではないので、角が尖った水槽よりも角が丸い水槽の方が、もしぶつかった時でも怪我をしづらいです。
また角が丸い水槽はそうではない水槽に比べると曲線が滑らかな分泳ぎやすく、らんちゅうの身体にも負担を掛けにくいです。
こういった角の丸い水槽は、ガラス素材のものが多く出回っていますので、ガラス素材ではない物を探すのは少し難しいかもしれません。
そういった場合は、所謂「プラ池」のような物を使用してみるのも良いでしょう。
熱を通しにくい水槽を選ぶ
これは少々難しいのですが、熱を通しにくい、所謂「断熱素材」の水槽を選ぶ方がらんちゅうには良いです。
らんちゅうは寒さや急激な温度変化に弱く、最悪の場合病気や死亡に繋がる危険性もあります。
こういた場合は水槽用のヒーター等を使って温度管理を使えば問題はありませんが、上記したようにらんちゅうにはガラス素材の水槽はあまり良くありません。
ガラス水槽ですと何の問題もなくヒーターを使えるのですが、水槽の素材によってはヒーターが使えない水槽もあります。
もしヒーターを使えない素材の水槽であれば、しっかりと断熱加工を施した水槽か、素材の分厚い水槽を選ぶ必要があります。
らんちゅうに適した水槽を選ぼう
らんちゅうは普通の金魚とは飼育方法が異なるところがあり、それに適した水槽で飼育することが望ましいです。
こう書くと、らんちゅうの水槽選びはとても難しいようにも思われます。
ですが最近では「らんちゅう水槽」という専用の水槽が販売されていますので、選ぶのが面倒な方はそれを用いるのが宜しいでしょう。
しかしより良いらんちゅうの育成を考えている方は、上記を参考に自分で水槽を選んで見て下さい。
きっとらんちゅう育成に役立ちますよ。