金魚は入手が容易なため、飼ったことがある方も多いのではないでしょうか。
しかし、ちゃんと飼い始めると、ケンカをして困る…ということも少なくないと思います。
縄張り意識によるケンカはどんなものがあり、また回避するにはどうしたら良いのでしょうか。
違う種類の金魚を入れない
金魚すくいで取れるような和金等細長い体をした金魚と、丸い体をした出目金などの金魚を一緒に入れないようにしましょう。
和金に比べ、出目金は体が横に大きく、水の抵抗が大きいため、泳ぎが苦手です。
泳ぎがゆっくりとしていて動きも緩慢な出目金、観賞用にはとても可愛いのですが、和金と一緒に飼ってしまうと和金のストレス解消の標的になってしまうこともあります。
泳ぎが得意な種類が、泳ぎが苦手な種類を追いかけ回すのはよくあることです。
なるべく、体が似ている種類同士を一緒に飼うようにしましょう。
泳ぎのスピードが同じならば、一方的に攻撃されるということも少なくなります。
体の大きさや数ごとに分ける
同じ時期に買った金魚は、同じ時期同士で飼うことをオススメします。
次期がずれるとどうしても体の大きさに差が出てしまいます。
体が小さい個体は、体の大きい個体に追い回されることになってしまいます。
また、どうしても体が小さい方が後から来た形になってしまうため、縄張り意識から「後から来た者」を攻撃することもあると思います。
ですので、金魚すくいでもお店での購入でも、その時一緒にいた金魚を一緒に飼うのが良いでしょう。
また、体の大きさによって1つの水槽に入る金魚の数にも限りがあります。
充分に泳ぎ回れる空間があり、金魚同士の体がぶつかり合わず、余裕を持てる大きさの水槽が必要です。
エサを食べられていない個体がいたり、うろこがはがれてしまっていたりすると、水槽に対して金魚の個体が多い可能性があります。
特にケンカやいじめの発生している個体は注意して観察しましょう。
隠れ家を作る
追いかけ回す金魚にもスタミナがあるため、一定時間追いかけると諦める性質があります。
そのため、隠れ家を用意するのは良い方法のひとつです。
隠れるのに十分な水草や、陶器などで作られた隠れ家を水槽にセットすると良いでしょう。
陶器の隠れ家は、筒状の通り抜けられる形状のものをオススメします。
コップ状のものでは袋小路になってしまい、逃げ場がなくなってしまいます。
また、金魚の大きさに応じてサイズも変えてあげると良いでしょう。
どちらも金魚を販売しているようなホームセンターや、もちろんインターネット販売でも容易に入手ができます。
水草は酸素の供給や隠れ家、水の浄化などにも役に立ちますし、何より見た目も良いため、導入して損はないでしょう。
水草も植物ですので、日中は日光が必要です。
ですが、水槽に当たりすぎて水の温度が上がりすぎないよう注意しましょう。
水草は金魚の産卵巣にもなります。
水草に逃げることはできていても、エサが食べられていない個体がいないかチェックしましょう。
エサを十分に与える
エサが足りないストレスからか、他の個体を追いかけ回す個体がいます。
ストレスを避けるためにもエサが足りない状況になるのを避けましょう。
初めは少しずつ与え、数分で食べきれる量がどのくらいか見ていきます。
また、この時に全ての個体がエサを食べられているかチェックするのも良いでしょう。
そして、エサは残ると水質悪化の原因になるので、食べ残した分は取り除くようにしましょう。
1日1~2回で充分ですが、水温が下がるとあまり食べなくなります。
同じように、ストレスから水草を食いちぎったり、エサの代わりに水草を食べたりする個体もいます。
水草の状態をチェックするのも重要です。
オスとメスを一緒にしない
繁殖期(春先から初夏にかけて)のオスは、ずっとメスを追いかけ回しているというようなことがあります。
金魚の繁殖を目的としている方には必要かもしれないのですが、ずっと追われているメスは衰弱し、弱ってそのまま死んでしまうということもあります。
この場合は、別々にするしかありません。
繁殖目的の方は、初めの卵を確認したら別々にすると良いでしょう。
金魚のオスとメスを見分けるのはなかなか難しいのですが、繁殖期のオスにはひれの部分に「追星」と呼ばれる白い斑点が出ることがあります。
追いかけている個体にこの追星が現れているときはオスの可能性が高いため、別々の水槽に入れるか、水槽を分割した方が良いでしょう。
金魚のケンカを回避して美しいアクアリウムを
わくわくして飼い始めたのに、金魚がケンカばかりしていては心配ですし、傷ついている金魚を見るのは心苦しいものがありますよね。
金魚のケンカにもこのように色々と対策はとれますので、色々な角度から金魚のケンカの仲裁を試みてみてください。
解決する方法は必ずあると思います。
そして、のんびりゆったりとアクアリウムを楽しんでください。