今まで元気に泳いでいた金魚が、急に頭を下にして泳ぎ始めたりすると心配になりますよね。
金魚が頭を下にして泳ぐ状態のことを「逆立ち病」と呼び、主に腸や浮袋に問題があって、体のバランスを上手く取れなくなった時にこういった症状が出ます。
逆立ち病を放置しておくと、やがて完全にバランスを崩してしまい、お腹を上に向ける「転覆病」へと移行していきます。
では、金魚が頭を下にして泳ぐ「逆立ち病」は何故起こるのか、そして逆立ち病になってしまった時の対処法を見ていきましょう。
エサのあげすぎによって消化不良を起こしているから
逆立ち病になる理由で最も多いのが消化不良によるものです。
金魚には胃がないので、もともと消化機能はあまり強くありません。
そのためにエサを食べ過ぎたり、消化の悪いものを食べたりすると消化不良を起こしやすくなります。
消化不良を起こすとお腹の中にガスが溜まり、このガスのせいで金魚がバランスを上手く取れなくなってしまって逆立ちや転覆してしまいます。
消化不良を起こさせないためには、消化の良いものを適度に上げることが大切です。
特に冬場では、寒さの為に金魚の腸の活動が弱まって更に消化能力が低下しているので、エサの量を調節しないといけません。
もし金魚が白い糞をしているようなら、消化不良を起こしているサインになりますので、普段からよく観察しておきましょう。
急激な水温や気圧の変化で体のバランスを上手く保てなくなるから
水温が10℃以下になると、金魚の活動は緩やかになります。
それに伴って、腸やそれと繋がっている浮袋という金魚が水の中を浮き沈みするための器官の活動も弱くなり、体のバランスを上手く取れなくなってしまい、転覆病になってしまうことがあります。
この事から、転覆病が多くなるのは、秋~冬の水温が下がる時期だということが分かります。
ヒーターを持っているなら水温を25℃程度にすることで水温による転覆病はかなり改善されます。
ヒーターを使う時は、金魚に負担をかけないために水温を一日に5℃ずつくらいゆっくりと上げていくようにしましょう。
気圧の変化も浮袋の空気の調節を難しくさせてしまうことがあって、雨天の前などに転覆してしまうことがあります。
運動不足による肥満によって腸や浮袋に脂肪がつくから
エサの食べ過ぎに加え、運動不足が重なると金魚も肥満になってしまいます。
腸に脂肪がつくと、それと繋がっている浮袋との通路も狭くなってしまい、空気の調節がうまく出来なくなってしまい転覆してしまうことがあります。
また、水槽の中に金魚がいすぎると運動不足になりやすいので、金魚1匹あたり10リットルの水があるように水槽の大きさ、金魚の量を調節してみてください。
運動するかどうかは金魚の個人差もあり、これを私たちが無理やり運動させることもできないので、金魚を肥満にさせないためにはエサのあげすぎに気を付けるのが一番の予防策になります。
水質の悪化によって病気やストレスを感じてしまうから
水質の悪化によるストレスや病気によって転覆してしまうというケースも意外と多いです。
夏場は水が濁りやすいので水替えをすることも多いと思いますが、冬場になると水の傷みが少ない為についつい水替えが少なくなりがちです。
でも、目には見えなくてもアンモニアや硝酸といった金魚にとって有害な物質が増えてしまっていることが多々あります。
冬場であっても水替えは大切です。
また、水替えだけでなく、ろ過材も定期的に交換するようにしましょう。
あまり古いろ過材だと水質改善に必要なバクテリア以外の雑菌なども増えてしまいます。
エラの病気で上手く呼吸が出来なくなるから
エラが病気になると、エラから上手く酸素を得られなくなって、水面で口をパクパクさせるようになります。
結果、「エア食い」と言って空気を体内にたくさん取り込んでしまい、浮袋によるバランスがとりにくくなって、転覆してしまうことがあります。
この場合は、エラの病気を治すことが先決ですし、エラの病気は細菌が原因となっているので他の金魚にも感染させてしまうことがあります。
病気になった金魚は隔離して、薬による治療をしましょう。
体型的に転覆しやすいことがあるから
転覆病になりやすい体型があります。
ピンポンパールやリュウ金といった丸い体型の金魚や、らんちゅうのように頭が大きく、ヒレも小さい体型をしている金魚はバランスを取るのが難しく、転覆病になってしまうことが多いと言われています。
転覆病にならない環境づくりが大切
金魚の転覆病の主な原因は
・消化不良によって体内の空気量を調節できなくなっている
・水温、気圧が急激に変化することで浮袋が上手く機能しなくなる
・水質悪化による病気やストレス
以上のことが考えられます。
予防と治療には、これらを解消するようなエサの上げ方、環境づくりが大切です。
特に秋から冬は水温の低下によって金魚の腸も元気じゃなくなってしまうので、転覆病にならないように気を付けてくださいね。