庭の池や水槽などで、人々の生活に癒しと憩いを与えてくれている、観賞魚達。
ですが、日本で古くから親しまれている金魚や鯉を始め、飼育器具の進歩から、観賞魚の主流となっている淡水や海水の熱帯魚など、実に様々な魚達が私達を楽しませてくれています。
その中でも、特に人気のある観賞魚をご紹介します。
金魚
金魚の原産地は中国で、突然変異で生まれた橙色のフナを人為的に交配させて、作り出されたのが金魚です。
日本では愛知県弥富市、奈良県大和郡山市、東京都の江戸川下流域が、日本の三大養殖地として有名です。
赤、白、オレンジ、茶など、色とりどりの美しい体色をした金魚ですが、孵化しばかりの頃はフナと同じように黒く、成長するに従って色が変わっていきます。
金魚の品種は100種類以上あると言われ、日本ではその中の30種類が主に飼育されています。
金魚の中で、最もポピュラーなのが和金です。
体型はフナに似ていて、金魚の元祖と言われています。
夜店の金魚すくいで見かけるのがこの種類で、私達にとても馴染みの深い金魚です。
丸みを帯びた体と、長い尾びれが特徴的なのが琉金です。
意外にも、尾びれが短い方が長いものより高値で取引されています。
そして、最近日本でも人気が高まっているのが、ピンポンパールです。
熱帯魚店などでも良く見かけるようになりました。
まん丸な体がとても可愛い金魚です。
食欲旺盛で、混永すると小さい魚を食べてしまうので気をつけましょう。
グッピー
グッピーはラテンアメリカ原産の魚で、植物学者グッピーに発見されたことからその名がつきました。
体長5センチほどの魚で様々な美しい色彩を持ち、とても丈夫で、繁殖が容易であることから、数多い熱帯魚の中でも特に有名な熱帯魚です。
熱帯魚と言えばグッピーを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
美しい魚をつくり出すためには系統を維持していくことが大切で、そこがグッピーの面白さでもあります。
グッピーには、大きく分けて外国産と国産があります。
国産グッピーは病気も少なく、美しい品種がたくさん作られています。
ドイツイエローは、ドイツから輸入されたグッピーであり、濃淡の体色のコントラストが美しい品種でとても人気があります。
イエローと言われていますが、日本では実際はホワイトの色をしたものが人気で主流となっています。
ブルーグラスは日本人が作出した品種で、日本で1、2番を争う人気の品種です。
ブルーに黒い斑点模様の長い尾びれを揺らしながら泳ぐ姿は圧巻です。
メダカ
童謡の「めだかの学校」で知られているメダカは別名ニホンメダカと呼ばれ、古くから日本の池や川に生息し、親しまれてきました。
しかし近年では、農薬や工業用水の影響で数が激減してしまい、絶滅危惧種として各地で保護されています。
オレンジ色の体色で、観賞用や教材用に広く流通しているのがヒメダカです。
他にも白色をした白メダカ、実際には青い色素を持っていませんが、黒色と虹色色素の影響から青く見える、青メダカ、目が赤い、白いメダカのアルビノや研究用に作られた、透明メダカなどがいます。
ベタ
タイ原産のベタは縄張り意識がとても強く、オス同士を混泳させるとケンカすることから、闘魚として広く飼われるようになりました。
その中から美しい色のものを品種改良し、観賞用として繁殖させたものが広まっていきました。
水質にあまり敏感ではなく、コップや瓶などでも飼えます。
鮮やかな赤や青の美しい姿から、お部屋のインテリアとしても、人気のある鑑賞魚です。
口呼吸できる珍しい魚でもあります。
クマノミ
日本でも沖縄や奄美大島以南で見ることができるクマノミは、映画で一躍有名になった海水魚ですが、厳密に言うと違う種類の魚であったとも言われています。
しかし、海水魚を飼い始めた理由が、クマノミを飼いたかったからという人も多く、大変人気のある鑑賞魚です。
海水魚の中では水質にさほどうるさくない丈夫な方なので、海水魚の初心者でも飼いやすいと言われています。
イソギンチャクと共生することでも知られていますが、合わない種類もあるので注意が必要です。
水槽の状態が良ければ、ペアで飼えば繁殖も楽しめます。
運が良ければ映画に登場するような、小さなモニに会えるかもしれません。
人気の鑑賞魚の共通点
飼育している人が多く、根強い人気がある鑑賞魚の共通点として、丈夫で飼いやすいことがあります。
すぐに病気になったり、死んでしまうのでは、長く愛されることはなかったでしょう。
多少、飼育環境が悪くなっても元気でいてくれる品種であることも、人間本意ではありますが、大きなポイントなのかも知れません。
水槽を眺めているだけで時間を忘れそうになるくらい、鑑賞魚の世界は魅力的なものです。