金魚すくいは今も昔も夜店の花形です。

ほとんどの方が子供の頃に一度は挑戦していますよね。

でも、すくった後、家に持ち帰った金魚を、飼っていた、育てていたという経験のある方は、逆に少ないのではないでしょうか?

今回は金魚すくいの金魚も含めて、金魚の寿命をご紹介します。

金魚の平均寿命は8年から15年

データによると、金魚すくいされたあとの金魚は、持ち帰って水槽に放してもほとんどの個体が数日から1ヵ月くらいの間に死んでいます。

平均すると寿命は一週間程度になってしまうとか。

確かに、夜店で金魚すくいをして、そのあと水槽に金魚がいたまま夏休みを終えた記憶というのはあまりない気がします。

でも、金魚は本来、短命の生物ではないのです。

金魚の生物としての寿命は、平均すると8年から15年になります。

上記の、金魚すくいの寿命と比較するとずいぶん違っていてびっくりしますね。

ただ、どの金魚もこのくらい生きるというわけではなく、人間と同じように生活環境によって短くも、長くもなります。

この8年から15年という数字は、生物としてのポテンシャルと考えると良いと思います。

金魚すくいの金魚はなぜ短命なのか

では、なぜ金魚すくいの金魚が短命なのかと言うと、一つには家に持ち帰ったときにすでにかなり弱っていることが多いことが挙げられます。

金魚すくいの水槽は、たくさんの人がポイを入れます。

また、ときには小さな子供が手を入れたり、お菓子の包みなどゴミが落ちてしまうこともあり、結果として水槽の水は多かれ少なかれ雑菌が繁殖してしまっており、その中にいる金魚も病気にかかりやすくなっていると考えた方が良いでしよう。

ポイで追い掛け回されるストレスも、金魚の健康には良くないですよね。

もう一つは、家庭の水槽に移されたときに環境が急激に変化することが原因になっていることが挙げられます

意外に大きく影響するのが水温です。

最近は真夏に水道の水がぬるい、ということもないですから、蛇口から水を溜めた水槽にいきなり入れると冷たすぎて、それが元で体調を崩すことが少なくません。

長生きさせるための選び方と、水槽のセッティング

金魚も長く飼っていると人に慣れると言います。

15年は無理でもできるだけ寿命を延ばしてあげたいですよね。

買うときはきちんと管理されているペットショップで買うようにしますしょう。

デパートやホームセンターのペットコーナーは管理が行き届いていないこともあります。

できれば魚類、爬虫類など水生生物に力を入れているショップに選んでもらうと良いですね。

また、買ってきたら0.5%(水1リットルに塩小さじ1)の塩水を作り、金魚を入れて様子を見ます。

0.5%というのは、金魚の体内の塩分濃度とほぼ同じなので、塩水浴は体への負担を小さくすることができます。

また、寄生虫や病原菌の除去効果もあります。

そしてエサは食べきれる量を少しずつあげます。

特に環境が変わった直後はエサを食べないかもしれません。

水を汚さないように、初めは食べきったのを確認しながらあげます。

塩水浴は1週間ほど続け、元気があるなら真水に移しましょう。

長生きさせるための飼い方

①水槽は余裕のある大きさのものを選びましょう。

10リットルの水槽なら2、3匹が上限です。

たくさん泳いでいる姿はキレイですが、ストレスも高くなってしまいます。

②水替えをするときはくみ置きの水を使い、水温が変化しないようにします。

邪魔にならないようなら水槽を2つ用意して、金魚を交互に移しても良いですね。

③水槽のガラスについた藻は水質の浄化作用があり、エサにもなるので取らないでおきます。

あまり増えると金魚が見えづらくなってしまうのですが。

④エサのやりすぎに注意しましょう。

金魚は胃を持っていないので、食べ過ぎると消化不良を起こしやすいのです。

内蔵の不調は浮袋の異常などいろいろな病気の原因になります。

⑤病気になった場合は水温を上げたり、水槽のセッティングのときと同じように0.5%の塩水に入れて様子を見ます。

魚種によって寿命も違ってきます

金魚はフナの突然変異ですから、やはり寿命が長い傾向があるのはフナに近い種で、フナから遠ざかるほど寿命は短くなります。

これはイヌやネコでも同じですよね。

いわゆる柴犬型の犬種は比較的病気も少ないですが、一方でダックスフント、パグなどはいろいろな病気にかかりやすく、デリケートですね。

平均寿命が一番長いのはやはりワキンで、きちんと飼うとふつうに10年以上生きます。

最長では22才という記録が残っていますよ。

ワキンはまた、大きく成長しやすい種でもあります。

生命力の強さがわかりますね。

他にはワキン型のシュブンキン、コメットなども丈夫で寿命が長いです。

一方、フナから遠いらんちゅう、ピンポンパールなどはワキンと比べるとかなり短く、らんちゅうで8年くらい、ピンポンパールで5~6年くらいになります。

もちろん10年以上生きた例もありますが、難しいと思われます。

金魚の長生き最長記録は?

ギネスブックに載っている最長記録は43年で、これはイギリスで飼われていた金魚です。

どの魚種を飼っていたのかははっきりしませんが、オランダシシガシラという説もあります。

オランダシシガシラはワキン型ではありませんが、比較的体が丈夫で、初心者でも飼いやすい金魚ですから、丁寧に飼われていればこれくらい長生きする可能性はあります。

また、非公式では45年という記録もあり、これは写真家の松沢陽士さんの著作、「はじめて金魚と暮らす人の本」で紹介されたものです。

「人間50年」というくらいですから、どちらの金魚もほとんど人間並みに生きたことになりますね。

ちなみに、金魚の先祖であるフナ、コイはもっと寿命が長く、平均寿命で20~30年です。

丁寧に金魚を飼って寿命を延ばそう

金魚は家畜化されてからの時間が非常に長く、人が世話をしてやらなければ健康的に生きるのが難しい生物です。

5年や8年など寿命の数字を挙げましたが、これはあくまでも目安です。

飼っている金魚の寿命が何年かは、最終的には飼い主さんがどれだけ丁寧に世話をするかで決まってくると言えるかもしれません。