金魚を飼っていると、今までキレイだった体やヒレが黒くなってびっくりすることがあります。
初めての場合は特に、とにかくビックリして何か悪い病気にかかったのでは?と心配にもなります。
そこで今回は、金魚の身体が黒くなる理由についてご紹介します。
黒斑病
コスティアという鞭毛虫によって引き起こされる病気に白雲病というのがあります。
黒斑病は、その白雲病が治癒する際にその跡が黒くなる現象を言います。
身体がポツリポツリと黒くなっていくので病名がつけられていますが、これは傷に例えるならば「かさぶた」のようなものです。
ですので、病気が収束し快復に向かっているサインですので、特に心配する必要はありませんし、放っておけば次第に消えてキレイになります。
ただし、見た目にはとても汚れた感じに見えてしまいますので、初めて見る人にとってはこれは一大事とばかりに気が気でないかもしれません。
どうしても気になる場合には、観パラDによる薬浴や塩水浴を行なうことによって、多少早く黒ずみを消すことは可能となります。
しかし、薬浴や塩水浴も少なからず金魚にはストレスとなりますので、できれば自然回復するのを待つ方がいい気がします。
黒ソブ
冬などに水温が低くなるとヒレの先や体の一部が黒くなる現象で、ジプロストマムという寄生虫が原因で引き起こされます。
青水飼育下などでよく見られるものですが、春にかけて水温が上がってくるにつれ、自然に消えていくものです。
黒斑病と同様に「かさぶた」「しもやけ」のようなもの、と形容される病気?ですので、特に危険なものではなく気にすることもないと言っていいでしょう。
これは、水温の低下や水質の悪化などによって、金魚の体力、免疫力が低下してくるとかかりやすくなる症状と言われています。
ですので水温・水質管理に気をつけておけば、仮にかかったとしても大事に至ることもなく、ほとんど心配はいりません。
とはいえ、金魚のヒレや身体が突然黒くなるというのは、飼い主にとってはとても良くない病気にかかったような気がして心配なものです。
ですので、あまりに程度がよくない場合は、水温を上げ塩水浴をすることで体力の回復を促し、早く改善することができるかもしれません。
しかし1日2日程度で治るようなものではないので、治癒には長く時間がかかるという認識が必要です。
ストレス
黒斑病や黒ソブは、水温低下などの環境の変化によって金魚の体力が落ちることにより現われてくる症状です。
即ち体力低下や免疫低下が主原因であるため、環境だけでなく金魚自身のストレスが理由で引き起こされる場合もあります。
金魚といえど、ストレスはいろいろと感じていて、その要因もまたいろいろあると言われています。
例えば、人がしょっちゅう歩くところに水槽を設置していても、金魚はストレスを感じたりします。
また、夜になっても明るい状態が続いているとか、水槽の周りがうるさいなどといったこともストレス要因となります。
それと、琉金など丸手で比較的泳ぎの苦手な金魚は、和金など泳ぎの上手な長手の金魚と一緒にすると、ストレスを感じることもあるみたいです。
泳ぎそのものもさることながら、エサを先に食べられてしまうといったことなども原因のようです。
いずれ、こうしたストレスが知らず知らず金魚の体力を低下させ、黒斑病や黒ソブの発症につながっていきます。
金魚はストレスを感じると、黒くなるだけでなく色が薄くなったりもすることもあります。
体色の変化は何らかのサインとして注意が必要です。
飼い始めの頃
ペットショップから金魚を購入して、家で飼い始めるとヒレや体が黒くなることがあります。
これは、結局は飼育環境が変わったことによるストレスなのだと思いますが、飼育を始めて間もない頃によくあることですので別に記しています。
ペットショップから金魚を連れてきたときには、大方の場合慎重に水合わせをして、水温や水質に慣らしたうえで水槽に入れるのが普通です。
その辺を十分注意しているにも関わらず、何日かすると金魚の身体に黒ずみが現れてきて、ちょっとビックリしすることがあります。
ペットショップの水は、一見キレイに見えても実は結構汚れていることが多く、その中にいる金魚は病気を抱えていることが多かったりします。
そうした金魚にとっては環境が変わることでストレスは感じつつも、今までよりも良い環境に身を置くことになります。
その結果、病気が快方に向かい一時的に黒くなる、ということがあるみたいです。
初めて見る人にとっては、自分で選んで買ってきたキレイな金魚が黒くなるのはショッキングなものです。
ですが、これもエサをしっかり食べて過ごしていれば、慣れたころには元通りになります。
金魚が黒くなっても焦らずに対応しよう
金魚の身体が黒くなると、とかくびっくりして慌ててしまいがちとなります。
しかし金魚の身体が黒くなるのは、黒斑病や黒ソブと言われる、病気の回復過程や環境変化によって発生する症状がほとんどです。
これらは、通常何もしなくとも自然に回復して消えていくものです。
確実に回復を望むなら、栄養をしっかりと与え、とにかく水質面や周囲の飼育環境面において金魚にストレスを与えないことに尽きます。
薬浴や塩水浴という手もありますが、ストレスを増大させることにもなりかねないので、自然治癒が何よりベストです。
あまりにも様子がおかしいといった場合には獣医に相談することも選択肢の1つかもしれません。