金魚の繁殖は手間がかかりますが、その分うまくいったときの喜びはひとしおで、多くの人を魅了しています。
特に稚魚のうちは環境の変化に弱いことに加えて餌の用意などで気が抜けない時期です。
金魚の稚魚の餌をご紹介します。
ブラインシュリンプ
ブラインシュリンプはアルテミアという節足動物の一種で、金魚の稚魚の餌と言えばまずこれというほどの定番です。
ブラインシュリンプは乾燥した卵が市販されているのでそれ孵化させます。
孵化したら成長していない小さな幼生うちに金魚の稚魚に与えます。
ブラインシュリンプは2パーセントの塩水に入れて一日たてば孵化するので、ペットボトルなどで十分育てられます。
水温は二十度後半程度でエアレーションを行います。
孵化したらなるべくすぐに稚魚に与えるようにしましょう。
通常金魚は初夏に孵化するので、水温についてはそれほど気にする必要はないかもしれません。
ブラインシュリンプは本当に定番の餌です。
しかし、毎日孵化させるのはそれなりに手間ですし、どうしても切らしてしまうこともあります。
定番の餌ですが、栄養バランスなども考えて他の餌も用意しておきましょう。
パウダーフード
現在では金魚の稚魚用に色々な粉状の餌が用意されています。
食いの良さからブラインシュリンプなどの生き餌の方を勧める人が多いですが、手軽なこちらを中心にして育てる人もいます。
通常の金魚用の餌をすり潰す人もいますが、栄養バランスなどが調整された稚魚用のパウダーフードをオススメします。
稚魚のうちはあまり水換えを行わず、フィルターに吸い込まれることがあるので、ろ過などの浄水装置も設置しないことが多いので、餌のやり過ぎによる水質の悪化には十分注意してください。
一度水に溶かしてスポイトで与えると量が調整しやすくなります。
余った餌があるときにはスポイトなどで吸い出すようにしましょう。
冷凍ブラインシュリンプベビー
ブラインシュリンプの幼生を冷凍したものが、ベビーブラインシュリンプやブラインシュリンプベビーなどという商品名で市販されています。
成長した通常のブラインシュリンプも冷凍のものが売られていますが、ベビーのほうが一つ一つが小さいので稚魚が食べやすいのでこちらをオススメします。
稚魚にあげるときには冷凍されたものを砕いて少しずつ与えます。
生き餌に比べると食いが悪いことがあるので、余った餌はかならずスポイトなどで取り除くようにしましょう。
やはり、ブラインシュリンプなどの生き餌のほうが金魚の稚魚はよく食べるようです。
あまり食べないようなら、生き餌を使うことも考えた方が良いでしょう。
一方、生き餌を使っていてもなにかトラブルの時にあげられる餌があった方が良いので、冷凍の餌なども時々使って慣れさせた方が良いかもしれません。
冷凍赤虫
赤虫はユスリカの幼虫のことで、名前の通り赤い小さな水中に生息する虫です。
カと言っても人を刺す種類ではなく、大きさもずっと大きなものです。
その幼虫は熱帯魚の餌としてポピュラーで冷凍のものがペットショップで売られています。
また釣り餌としても使われます。
金魚も赤虫を好物としますが、孵化したばかりの稚魚にとっては少し大きいので少し成長してから与えましょう。
赤虫は脂肪分が多く、金魚がよく食べるので成長を促したいときには良い餌です。
一方あたえ過ぎると栄養が偏って太ってしまいます。
ある程度成長してからは、金魚用の人工餌を中心としてときどき与える程度にしましょう。
かたゆで玉子の黄身
あまり知られていませんが、金魚は成魚も稚魚もゆで玉子の黄身をよく食べます。
その場合、ほぐしやすいように固ゆでにします。
稚魚にはその黄身をほぐしたものを水に溶かして与えます。
玉子の黄身は傷みやすいので、あまったものは必ず水槽から取り除いてください。
また、作り置きする場合は冷凍するようにしてください。
成魚も食べるのでそちらに与えても良いでしょう。
その場合はそれほど小さくしなくても食べてくれます。
栄養のバランス面では他の餌の方が優れていますが、玉子は値段が安くて手に入りやすいので、他の餌を切らしてしまったり、あまり食べない時には試してみると良いでしょう。
イソフゾリア
イソフゾリア水中にいる藻類や原生動物などいろいろな微生物の総称です。
アクアリウムでは特にゾウリムシなどの原生動物のことを指します。
非常に小さいので稚魚の餌として適しています。
イソフゾリアは普通に池や沼などに生息していますので、それらから採取できます。
しかし他の雑菌なども含まれているので、稚魚の様子を見ながら与える必要があります。
ネットなどで売られている素を使う方法もあります。
増やすときは、くみ置き水に素となるものを加えて餌を入れます。
餌は少量の牛乳や野菜くずなどが多いです。
増えたらその水をスポイトでとって稚魚の水槽に入れます。
手軽にふやせてコストもかかりませんし小さいので稚魚が食べやすいという利点がありますが、慣れていないと雑菌が発生することもあり、市販されている餌を使ったほうが無難でしょう。
水草などが多い水槽ではイソフゾリアが勝手に繁殖している場合もあります。
金魚の稚魚に最適な餌をあげよう
金魚の稚魚の餌としてはブラインシュリンプの幼生が定番です。
しかし、その孵化には手間がかかるので毎日は無理そうという時にはパウダーフードや冷凍餌を用意しましょう。
どの餌にも共通していえることは、水質の悪化を防ぐために食べ残さないよう少量ずつ与え、もし水槽に余ってしまった場合はスポイトなどで取り除くことです。