金魚に産卵をさせるのは難しいように思われるかもしれませんが、意外と簡単にしてくれることが多いです。

産卵の前兆が無いのに水槽が突然卵まみれになっていたという話は少なくないのです。

しかし、いざ繁殖させたい時になかなか産卵してくれないという方は飼育環境に産卵させない条件があるのかもしれません。

お気に入りの金魚を繁殖させるためには、産卵しやすくなるコツを知っておく必要があります。

水温は20度前後

金魚の産卵期は年に二回、春と秋にあります。

とくに春の産卵が多く、冬から春にかけての水温上昇により金魚は発情し、メスは抱卵状態になるのです。

金魚が発情するのは16度から22度の水温だと言われています。

ここで注意が必要なのが、温度変化です。

金魚は冬の時期に、低い水温で飼育し冬を感じることで産卵しやすくなります。

よって、ヒーターで加温している場合、一定の水温が保たれるので産卵しないことが良くあります。

また、その逆に、金魚によっては年中産卵を繰り返すこともあります。

ストーブやエアコンが常に稼働しているような部屋で飼育している場合も、温度変化があまりないために産卵しないことがあります。

産卵させやすくする為にすることは、冬場にヒーターを入れている方は、徐々に水温を下げ、金魚に冬だと思わせることで春に産卵しやすくなるでしょう。

室内の暖かい部屋で飼育されているならば、暖房の効かない部屋や廊下に水槽を移動することで産卵しやすい環境になります。

それでも水温が低くならない、という時には、冬眠させるのも良いでしょう。

冬には金魚にも冬なのだと認識させると、春に発情を促すことになります。

冬場の水温を一度確認してみましょう。

水草を投入する

水草などの産卵させる場所を作ってあげると発情が促され、産卵しやすくなります。

水草にもたくさんの種類がありますが、マツモやアナカリス、ウィローモス、ホテイアオイがオススメです。

マツモやアナカリスは初心者でも扱いが簡単な水草です。

ウィローモスは苔の一種で、こちらも育成しやすい種類です。

アクアテラリウムでは、流木や底面にくっついて緑の絨毯のようになっているのをよく見かけます。

ホテイアオイは水面に浮かぶタイプの水草ですが、水中に伸びる根っこに産卵させることができます。

白い色のキレイな花を咲かせるので観賞用としても売られていますので、園芸ショップでも購入できる所があります。

産卵期にだけ使用するなら大丈夫ですが、ホテイアオイは日当たりの良い場所を好みますので日照不足に注意が必要です。

また、天然の水草を乾燥させたものも売られていますので、それを使用してみるのも良いでしょう。

人工の水草を投入する

本物の水草を入れると、もし薬浴しなければいけなくなった時などに枯れてしまう可能性があります。

加えて、やはり水草も生きているので手入れが必要になりますので、そのような手間は省きたいという方には、人工の水草を使用すると良いでしょう。

一つは、アクア用品が売られている所にならほとんどの店舗で売られているであろう、プラスチック製の水草です。

簡単に使用できて枯れる心配もないのがメリットといえます。

ですが、プラスチック製ですので金魚が体を擦った時に傷ついてしまうことがあります。

ここがデメリットです。

市販されている人工水草を使用するつもりなら、金魚が擦り寄っても傷つかないかを試しておくと安心です。

また、産卵用の人工水草は自分で作ることも出来ます。

運動会などの応援の際に使用するポンポンを作ったことがある方も多いのではと思います。

ポンポンの材料のような裂けるビニール紐を束ねて少し裂いてあげると水草のようになります。

それを投入しておくと水草の代わりになり、採卵もしやすくなります。

ただ、ビニール紐は水に浮きますから、束ねた部分に水草用の重りを付けると上手く沈みます。

重りはビー玉などでも代用できますから、最も簡単で費用もかからない方法です。

親魚は充分に成熟しているか

飼われている金魚は何歳でしょうか。

条件はそろっているのに産卵しないというなら、単に成熟しきれていない可能性があります。

メスは二歳頃から産卵が可能になります。

早熟の金魚だともっと早くから産卵することもありますが、飼い始めてどのくらい経つか、体は充分に育っているかを一度気にしてみてください。

また、メスは産卵期になると食欲が増します。

赤虫などの栄養価の高いエサを与えることで産卵に向けての体力を作ることも大切です。

ただし、過度なエサやりは禁物です。

消化不良で体調を崩してしまったら元も子もありません。

金魚に産卵をさせよう

金魚の稚魚はとても小さく、金魚らしい面影がありません。

それが、少しずつ金魚らしく育って行くのを見ることも金魚飼育の楽しみです。

産卵させる多少のコツさえ知っていたら、繁殖させるのも難しいことではありません。

どうしても産卵させられない、けれど稚魚から育ててみたいという方は、金魚の受精卵を販売している所もありますので、それを育てるのも良いでしょう。