一見するとオスもメスもほぼ違いが無いように思える金魚ですが、見るポイントさえ知っていれば性別を判別できます。
雌雄の判断は一般の方には難しいと言われており、的確に判断できるようになるには経験が必要です。
しかし、ポイントを知っているだけでも、繁殖をする際に見分けやすくなるので知っていて損はありません。
そこで、金魚の性別を見分ける方法をご紹介します。
肛門の形で見分ける
一年を通して見分けられるポイントは金魚の肛門です。
メスの肛門は丸みを帯びていて、横から見ると少し飛び出ているように見えます。
オスの肛門は細長く楕円形で、横から見ても飛び出てはいません。
このように、肛門の形が違うので、糞の形状でも見分けることが可能です。
また、メスは太く、オスは細い糞をします。
しかし、糞の太さはエサの食べ方や個体の大きさによっても変わるため、確実に判断するのは難しいでしょう。
肛門での判別は繁殖期や発情に係わらず見ることが出来るのですが、初心者には難しく、特に小さな個体は差異が小さくて見分けにくいのが難点です。
追星が出ているかで見分ける
追星というのは、繁殖期になり発情するとオスの鰓ぶたや胸鰭に出てくる白いぶつぶつのことを言います。
メスには出ないので、比較的見分けやすいポイントです。
追星はその見た目から白点病と勘違いされることがあるのですが、白点病との違いは出来る場所にあります。
追星は出来る場所に規則性があり、鰓ぶたと胸鰭の決まった場所にしか出ません。
また、出てから場所が変わるということもありません。
繁殖期になると毎回同じ場所に出てくるのが追星です。
さらに、メスの産卵を促すために、メスのお腹の辺りを突っついてまわる追尾行為も見られるようになります。
白点病は、鰓ぶたや胸鰭だけでなく、尾鰭や背鰭など全身に現れる病気です。
追星とは違い、出る場所が変わったり数が増減する場合もあります。
気を付けて欲しいのは、追星だと思ったら白点病だったというケースです。
金魚の繁殖期は年に二回、春と秋にあります。
その時期には特に、追星か白点病かの判断を間違えないように注意してください。
また、メスは繁殖期になるとお腹に卵を抱えるのでお腹が膨らみます。
ですが、ヒーターを使って加温している場合、一年中同じ水温に保たれるので繁殖期がなく発情しない、追星が出て来ないということがあります。
その逆に、通常の発情期以外の時期に追星が出てくることもあります。
体つきやお腹の感触で見分ける
人間の男女で体つきが違うように、金魚にも違いがあります。
メスは全体的に丸っこく、オスはシュッと細長くて鰭もメスより長めです。
この違いは非常に分かり難く、長く飼っているとなんとなく分かるようになるレベルの話です。
肥満で丸っこくなっているオスやスレンダーなメスもいますので、確実ではありません。
また、お腹周辺を触って柔らかめならメス、肛門付近以外が硬めならオスと判断できます。
この方法は直接金魚に触ることになりますので、金魚が火傷してしまうことや、強く触り過ぎて内臓を傷つけることがあります。
最悪の場合、死んでしまうこともある方法ですから、金魚の扱いに慣れていない方にはオススメしません。
鰭の形や模様では見分けが難しい
メダカは背鰭に切れ込みがあるか、尻鰭の形はどうかでオスメスの判断ができます。
熱帯魚の代表格であるグッピーは鰭の形でも判別できますが、その他に体表面の模様の出方やメスに出る妊娠点という模様で判別可能です。
では、金魚はどうかというと、鰭の形や模様の違いで見分けるのは困難です。
鰭はオスもメスも同じような形をしていますし、模様は個体によって様々に変化するためです。
その中でも違いがあるとすれば胸鰭が挙げられます。
オスの胸鰭はメスよりも若干大きく丸みを帯びていますが、メスだと少し角が分かりやすくなっています。
もちろん、個体や金魚の種類でも違ってくるので断定は出来ません。
泳いでいる金魚の胸鰭の形を見極めるのも大変ですし、金魚を掴んで確認するのも扱いが慣れていないと病気やけがの原因になってしまいます。
行動から見分ける
金魚は繁殖期のオスとメスの行動が異なるため、それで区別するという方法があります。
もちろん、実際に産卵を目にすればそれがメスであることがわかります。
しかし、産卵前にペアを作って他に移したりするためにはそれでは役に立ちません。
金魚は産卵前にもオスとメスで異なる行動をとります。
金魚のオスは気に入ったメスに産卵を促すため、そのメスを追いかけるという習性があります。
春から夏にかけての繁殖期、追星の出たオスの金魚が他の金魚を追いかけていたら、追いかけられている金魚はメスの可能性が高いと思って良いでしょう。
しかし、縄張り争いなどでも他の金魚を追いかけることがあるので、それだけで確定させることはできません。
これも他の方法と併せて判断材料の一つとすると良いでしょう。
金魚の性別を見分けられるようになろう
金魚が小さければ小さい程、性別の見分けは難しくなります。
大体二歳くらいになると体も大きく成長するので分かりやすくなります。
確実な見分け方法は、ショップの店員や業者に判断してもらうことです。
金魚を買う際に判断してもらいましょう。
金魚の性別を見分けるのは、最初は難しいですが、長く見続けていると分かるようになってきます。
日頃から金魚を観察するのが、その近道になるしょう。