金魚のお腹が膨らんで元気がなくなり、エサをあまり食べなくなったら便秘のサインかも知れません。
水面を転覆したままで泳いでたりしたら飼い主としては心配ですよね。
そこで今回は金魚が便秘の時の対処法をご紹介します。
別の水槽かバケツに隔離して絶食させる
便秘かどうかを確認するには、別の水槽がバケツに隔離して便の様子を観察するのが一番です。
金魚が水面にひっくり返って浮いている原因として、便秘の他にもエサが合わなくて消化不良になっている可能性が挙げられます。
いずれにしろ、エサの与え過ぎなどで腸が弱くなっていることが考えられますので、まずは絶食して様子を見ることにしましょう。
また隔離した水槽の中には水草も入れてはいけません。
絶食の期間は3日間を目安にしてください。
それで元気に泳ぐようになったら一安心ですが、さらにもう1日絶食して様子を見てください。
それでも元気なようなら、めでたく退院です。
塩水浴をさせる
金魚の便秘の原因はエサの与え過ぎの他にも、腸内の雑菌(エロモナス菌)に対する抵抗力が落ちていることと、冷房や暖房の影響で水温差が激しいことが考えられます。
また、水槽の外の騒音が水槽内にも影響してストレスが溜まってことも考えられます。
その際に効果的なのが塩水浴なのですが、その効果をご紹介します。
・殺菌効果と粘膜再生
塩の脱水作用を利用して水中の雑菌や寄生虫を死滅させます。
また体表の粘膜の再生を助ける作用があり、雑菌や寄生虫の外からの攻撃を防ぐ効果もあります。
・体力の温存とストレスの軽減
濃度0.5%の塩分濃度は金魚が快適に過せる環境と言われています。
そのような環境下では、金魚が泳いだり生命を維持するためのエネルギー量が少なくて済むため、体力の温存に役立ちます。
また、ストレスの軽減に役立つことも期待できます。
・塩水浴の方法
様子がおかしい金魚を別の水槽かバケツに隔離し、塩分濃度が0.5%になるよう調整しながら塩を入れます。
0.5%とは、1リットルの水に対し5g、10リットルの水なら50gというイメージです。
ちなみに使用する塩は金魚専用の塩をペットショップで購入するか、何も添加されていない塩を使うようにしてください。
水替えのタイミングを見直す
一匹が便秘になったら、同じ環境で生活する別の金魚も便秘になる可能性があります。
そんな負の連鎖を防止するために、いつもの水替えのタイミングを見直してみましょう。
以下にチェック項目を用意しましたので、ご確認してみてください。
・水が濁っていて透明感がない
・水が白く濁っている
・エサを定期的に与えているにも関わらず水面で口をぱくぱくさせている
・エアレーションの泡が消えない
・エサの食べかすが水槽の底にたくさん残っている
このような状態になったら、定期的な水替えのタイミングより早くても水替えを行ってください。
水温を調整する
金魚が生存できる水温は、1℃~35℃ですが、それはあくまでも生存可能というだけで、快適に生活できる水温は15℃~28℃と言われています。
特に活発に動き回る温度は20℃~28℃ぐらいなので、腸の活動を活性化させる意味でも、水温を25℃に合わせて様子を見ます。
水温調整をする時の注意点ですが、現在の水温が目標の25℃と大きく違っていた場合は急に合わせようとせず、数日かけて徐々に合わせるようにしてください。
ココア浴をさせる
金魚の便秘に有効とされるのは、絶食、塩水浴、水温調整が主な方法ですが、ココアを入れたら金魚の便秘の改善に効果があることをご存知でしょうか?
ココアには抗菌作用の他にも殺菌作用や抗菌作用もあるため、金魚の腸の働きを活性化させて排便を促します。
また、弱った腸がかかりやすい転覆病や松かさ病の原因アエロモナス菌の発生を抑え、さらにガンの予防にも効果があるとされています。
・ココアに含まれるポリフェノールとカリウムについて
ココア浴の効果の秘密はココアに含まれるポリフェノールとカリウムです。
ポリフェノールは腸内の悪玉菌を減らして善玉菌を増やす作用があり腸内環境を整えて腸の働きを活性化させます。
さらに抗酸化作用により、発がん性物質の発生を抑えます。
またココアの中に約3%含まれるカリウムはエネルギー代謝を向上させて、腸の活動を促進する働きがあります。
・ココア浴の方法
カルキ抜きをした水道水10リットルに1~2gのココアが目安です。
水道水の水温は水槽内の温度に合わせ、ココアは何も入っていない純ココアを使用してください。
水槽内の水をココア水に変えて金魚を入れます。
ココア浴の期間は2日~3日ですが、フンがでたらその時点で中止してもかまいません。
また、ココア浴中に金魚はココアを食べるので、別のエサを与える必要はありません。
ココアには良質なたんぱく質が豊富に含まれています。
金魚の便秘を治そう
環境の変化、ストレス、腸機能の低下など、便秘の原因は人間も金魚もあまり変わらないようです。
金魚は大切に飼えば10年ぐらい長生きします。
ぜひ、水温や水質をこまめにチェックして、便秘や他の病気の原因にならない環境を整えてあげてください。