金魚は基本的には丈夫な魚なのですが、それでも飼育の仕方によっては体調を崩し元気をなくすことがあります。
こうした症状は初期の段階であれば、簡単に治ることが多いのですが、放って置くと回復が難しくなることがほとんどです。
そこで今回は、金魚が元気がない時に元気にする方法についてご紹介します。
エアレーション
金魚が酸欠でパクパクしている場合はエアレーションを行ない、水中の酸素濃度を上げてあげます。
金魚は酸素が足りなくなると、水面付近で口をパクパクさせるようになります。
口をパクパクさせることで水面を揺らし、水面からの酸素の溶け込みを促します。
口から酸素を取り入れているように見えますが、そうではなくエラから酸素を取り込んで呼吸しています。
こういう状態は水中の酸素が不足しているため、強制的に水中の酸素濃度を上げる必要があります。
最も一般的なのはエアポンプで空気を水中に送り込むエアレーションと呼ばれる方法です。
いわゆるブクブクなのですが、これはブクブクの泡が水中に溶け込むのではなく、その泡によって水面を揺らすのが目的です。
泡は水面を押し上げ弾けながら水面の表面積を増やし、その結果水面からの酸素の取込み量が増えます。
同時に泡の上昇によって水流が生じ、水中に効率よく酸素が溶け込むことになります。
こうして酸欠は解消することができますが、あまりにエアの勢いが強すぎると、水流の強さからかえって金魚を弱らせることにもなります。
なのでエアの強さの調整をきちんとすることが大切です。
水槽の水替え
ろ過がまだしっかり立ち上がっていない状態や、しばらく水替えを行なっていない場合などは、金魚が元気をなくす要因となります。
ろ過が立ち上がっていない状態では、水中のアンモニアや亜硝酸塩の濃度が高くなりがちです。
これらの物質は金魚にとってとても有毒なものなので、このままの状態ではとても危険です。
また、しばらく水替えを怠ってしまった場合などは、硝酸塩の濃度が高くなってしまいます。
この物質はろ過バクテリアによる最終生成物で、ほとんど害はないものの濃度が高すぎると水が酸性になり、金魚にとってはよくありません。
こういう状態では、まず何と言っても水替えをしてこれらの物質を減らすことが急務となります。
水替えに際しては、カルキ(塩素)を抜いた水を使うことと、必ず水温を合わせることが大切です。
水温が急に変わってしまうと金魚に温度ショックを与えてしまうので、ますます弱らせてしまうことになりかねません。
また、井戸水や川の水などは水質的に問題のあることが多いので、カルキ抜きした水道水を使うのが一番安全確実です。
塩水浴
よく金魚が弱っていたり元気がないときに、塩水浴をするといいと言われます。
塩の殺菌作用による病原菌の撃退や、代謝を活発にする効果により金魚が元気になることが期待できます。
また、塩水浴により体内の塩分濃度の調整を楽にし、体力を消耗させない効果もあります。
金魚の体内塩分濃度は約0.6%と言われているので、塩水浴の塩分濃度もこの程度にするのが普通です。
ただ、金魚の個体によっては塩水浴が苦手なモノもいるので、いきなりこの濃度の塩水にいれるのは避けた方が無難です。
0.1%、0.2%…というように徐々に濃度を上げ、1日程度で最大濃度まで慣れさせていくのが理想的です。
ちなみに塩は、味塩などでない普通の塩を使います。
塩水浴はろ過バクテリアを弱らせてしまうため、できれば本水槽とは別の容器で行なうのが望ましいです。
塩水は痛みやすいので、塩水浴期間中はこまめに水替えする必要があります。
金魚の様子を見て状態が快復してきたなら、1日に0.05~0.1%程度ずつ、ゆっくりと濃度を落として真水に戻していきます。
薬浴
金魚の様子が明らかにおかしいとか、表面上異常が見られる場合には、これはもう薬浴するしかありません。
薬浴は金魚の病気や症状ごとに様々な薬があるので、その用法に従って行ないます。
本水槽で行なうこともあるかと思いますが、基本的には別容器に隔離して行なうのが確実です。
金魚は何かしら体調を落としたり病気になったりするものです。
そういう意味でも、病気療養のための専用の水槽なり容器を準備しておくことをオススメします。
エサを与える
エサを与えなければ当然金魚は弱ります。
金魚は1~2日程度エサを与えなくても全然平気なのですが、さすがに数週間ともなると衰弱してしまいます。
エサを与えなくともエサ替わりとなるものが水中にあれば良いのですが、そうでなければキチンとエサを与えることが大事です。
もちろん病気などで絶食させている場合はその限りではありません。
水温を上げる
金魚がなんとなく元気がない場合は、水温を高めにしてあげると改善されることがあります。
金魚は変温動物なので、水温が下がれば当然体内の活動も鈍ってきます。
逆に水温を上げると体内の働きが活発となり元気になったりします。
特にエサの食べ過ぎなどにより消化不良気味の場合などは効果的と言われています。
ただし病気の場合などは、水温を上げるとかえってマズい場合もあるので、症状を確認しながら行なうことが大切です。
金魚の元気を取り戻そう
金魚が元気をなくす原因というのはいろいろあります。
飼育に慣れていても、その原因がよくわからないということもあります。
間違った対処法は、かえって症状を悪化させてしまうことにもつながります。
そうならないためにも、日頃の様子をよく観察し、現在の飼育状況をよく理解することが大切です。
金魚は言葉を話せないので、長生きできるように心がけましょう。