金魚は人間の様に口が聞けたり、犬猫の様に何かを訴えてくる事もしません。
その為、体調が悪い時に伝える手段が無いのです。
今回は、金魚が生きているのに動かない時に考えられることをご紹介します。
餌の与え過ぎによる体調不良
人間は食事を摂る際、腹八分目を心がけています。
それは人間が健康かつ、活動的に動く為に最適な食事量だからです。
この八分目という量は、人間だけに限った数字ではありません。
金魚は餌を出されると、出された分だけ食べようとします。
それは、いつ食べられなくなるか分からない生活を金魚の先祖である中国の鮒が送って来た為、その遺伝子が受け継がれていると言われています。
その為、金魚が自分で腹八分目と判断する事は出来ないので、飼い主がそれを心がけてあげましょう。
目安としては、餌が5分位で無くなる程度が適量です。
また、餌を与え過ぎると、水質悪化の原因になりますので、環境の面でも気をつけましょう。
水質悪化による体調不良
金魚はキレイな水を好む魚です。
その為、汚れた水の中で飼育していると、次第に弱ってしまいます。
濾過フィルターや水槽の底の砂利が汚れていると、水槽内の水も同じ様に汚れていき、アンモニア臭等がしてきます。
この様な場合、水を交換してあげましょう。
丸2日汲み置きしておいた水道水を朝晩1リットルずつ交換します。
それを何日か繰り返し、水をキレイにします。
何故、汲み置きした水道水を1リットルずつ交換するかというと、水道水にはカルキという殺菌、消毒に使われている石灰が含まれています。
それが金魚に害を及ぼす為、汲み置きをし、カルキを飛ばします。
また、日中に日の当たる場所に水道水を置いておくと、6時間でカルキが飛ぶとも言われています。
他には、温度調節の意味もあります。
金魚は急激な温度変化を苦手としている為、水の交換の度に水道の冷たい水が水槽に入ってくると、それが原因で死んでしまう事もあるので、汲み置きをし、常温に戻してから金魚に与えるという意味もあるのです。
細菌による体調不良
多くの金魚が水質悪化が原因の体調不良が多いのですが、それでも治らない場合、細菌を疑いましょう。
これらは金魚の体力を奪っていき、弱らせます。
細菌の死滅には塩浴が最適です。
塩浴とは、濃度0.5%の塩水に弱った金魚を泳がせて、金魚を蝕む細菌を駆除する方法です。
まずは、新しい水槽に水1リットルに対し5g未満の塩を入れ、濃度0.5%の塩水を作ります。
塩水を水槽いっぱいに作ったら、弱った金魚だけを塩水へ移します。
塩水は真水に比べ痛みが早い為、2~3日に1回、水槽に対し1/3ずつの量を交換して下さい。
また、酷く弱ってしまった金魚は、濃度0.5%の塩水に急に入れてしまうと更に弱ってしまう可能性がある為、新しい水槽で少しずつ濃度0.5%の塩水にしていってあげて下さい。
水草等は真水で生きている生物なので、塩水に入れる事は控えましょう。
寄生虫による体調不良
寄生虫は細菌と違い、目に見える物がほとんどです。
糸状や貝の様な形をしたもの、目の上や口の中等、形や寄生する箇所も様々です。
これらのものを発見したら、薬浴をしてあげましょう。
薬浴とは、薬を溶かした水の中で泳がす事です。
しかし、薬といっても症状や寄生虫の種類によって使う薬は異なります。
まずは携帯電話等の動画機能で、金魚の様子を撮影して、それを持ってペットショップへ行き、店員さんと相談しながら決めましょう。
また、大型店で店員さんに相談しても、詳しくない人がほとんどで、マニアックな魚を取り扱っている店舗の店員さんの方が詳しい人が多いです。
薬を購入したら、塩浴と同じ様に新しい水槽に水を入れ、水の量に合った薬を入れ、寄生された金魚だけを泳がせてあげてましょう。
金魚同士の不仲
1つの水槽にて、サイズの違う金魚を飼う人も少なくありません。
しかし、金魚の世界にもいじめがあります。
皆で仲良く1つの水槽で暮らしてくれる金魚たちもいれば、水槽全体を自分の物だと言わんばかりに、1匹の金魚が別の金魚を追い掛け回したり、つつく等をしていると、された方の金魚は次第に元気が無くなり、動かなくなってしまいます。
1番の対策は、水槽を分けて飼育する事です。
金魚が他の金魚をいじめるのは、自分のテリトリーと主張する為です。
水槽を増やす事が難しい場合には、隠れ家等を作ってあげたりするだけでも、それぞれのテリトリーが出来て、金魚間のトラブルを防ぐ事が出来ます。
金魚の様子は飼い主が観察していこう
大きな魚の場合、動物病院へ連れて行く事も可能ですが、小さな金魚1匹を診察できる獣医さんは滅多にいません。
その為、飼い主がしっかりと金魚の体調管理をしてあげる事が、金魚を長生きさせてあげられる秘訣です。