最近では熱帯魚が人気となり、金魚を飼う人が少なくなったように思えます。
しかし実は金魚の中には熱帯魚に負けないぐらい可愛らしく魅力のある種類が存在しています。
それが今回ご紹介するピンポンパールです。
ピンポンパールとは
ピンポンパールはチンシュリンと呼ばれる中国産の金魚を固定種として品種改良したことで誕生しました。
近年ではタイやマレーシアで繁殖させたものが輸入されています。
長は最大で15cmほどになり、チンシュリンの身体的特徴を受け継ぎ短い尾、丸い手、ピンポン玉のような体つきをしています。
チンシュとは真珠という意味だそうで、鱗が真珠のような形状をしていることからそのように呼ばれています。
同様にピンポンパールも体表にそのような特徴があります。
その丸っこい姿やぎこちない泳ぎ方から近年、女性を中心に日本国内でも人気となってきています。
しかし品種改良種ゆえの特殊な体の構造や弱点もあり、通常の金魚よりは飼育難易度は高いようです。
ピンポンパールの性格、特徴
ピンポンパールは気が荒いということもなく、他の金魚とも混泳させることができます。
シマドジョウやカマツカなど同居人としては相性が良いです。
ただ動きの速い魚と混泳させると先にエサを取られて食べられなかったりするので注意してください。
人にも良く馴れ、懐くとふわふわと泳ぎながら近寄ってくることもあります。
ピンポンパールの場合、性格というよりも体の構造や改良種ゆえの特徴の方が目立ちます。
自然界ではあり得ない形をしているため、魚なのに泳いでいてひっくり返ってしまうことがあります。
水温変化や水質変化とても弱かったり、エサを食べてもうまく消化できなかったりもします。
いわば、とても手がかかる金魚と言うことができるでしょう。
また、ピンポンパールは様々な色バリエーションの個体が存在します。
代表的な種類では、オレンジ、白、赤、紅白、虎柄、フナ柄、パンダ柄、三毛、出目金の特徴を持った個体がいます。
ピンポンパールの値段、購入
ピンポンパールの値段は一番安いもので500円ぐらいから購入できます。
しかし珍しい品種であれば数万円などかなり値段が高くなっていることもあります。
購入はホームセンターやアクアショップなどで通年することができます。
海外からの輸入などの場合、新しい環境に対してあまり適応能力のないピンポンパールはかなり弱っていることもあります。
アクアショップなどのお店で個体を選ぶ時は、体に白い点、綿、水泡はないか、尾は溶けていないか、上手く元気に泳げているかなどをよく確認しましょう。
少し飼育の難しいところのある金魚でもありますので、店員さんにできれば飼育のポイント、注意点などを聞いておくとよいでしょう。
ピンポンパールの寿命、健康
ピンポンパールの寿命は約5~6年、長生きのものでは10年生きたという報告もあります。
このように本来はわりと長命な魚ですが、多くのピンポンパールは、天寿を全うすることなく、死んでしまうことが多くなります。
その原因の一つには水温や水質管理がうまくいかないことにあります。
ピンポンパールの水適温は25℃~28℃で、特に冬に弱いので観賞魚用ヒーターで暖めてあげる必要があります。
また、金魚類はよく食べ、糞もたくさんするため思ったより水質が汚れているということがあります。
他にも消化不良やエサを食べる際に空気を飲み込むことで起きる転覆病、エサの与えすぎなども短命になる理由として挙げられます。
ピンポンパールの飼育
ピンポンパールは30cm~60cmぐらいまでの水槽で飼育します。
水槽の大きさはピンポンパールの成長に伴い変えていきます。
最初に購入する時も少し大きめのものを購入すると後々魚が窮屈な思いをしません。
水槽に対する頭数の目安は60cm水槽で10cmのピンポンパール6匹、5cmなら12匹といった具合です。
水槽の中には水草(食べてしまうので固めのもの)砂利、ドジョウなどを同居させている場合は土管などをレイアウトします。
エサは顆粒状飼料、冷凍赤虫、イトメ、柔らかい水草などです。
浮いているエサを飲み込むと転覆病の原因になるので、エサが沈殿させて食べさせてください。
その他に必要な備品は、外掛けフィルター、温度計などです。
掃除に関しては週に1回水替えを行うか、それ以外にも糞や食べ残しがある場合、網などですくい取り除いてください。
ピンポンパールの特徴を知ろう
ピンポンパールは飼ってもすぐ弱ってしまうとよく言われていますが、飼う前の注意事項を知っておけば、十分に長生きもしてくれます。
いろいろなカラーバリエーションも存在し、珍しいものではパンダ柄や出目金など、愛くるしいタイプもたくさんいます。
ぜひ一度飼育を検討してみてはいかがでしょうか。