縁日や夏祭りでよく見かける金魚。

鮮やかな赤い体と長い尾鰭でゆっくりと泳ぐ姿がとても優雅で癒されます。

金魚は初心者でも飼い易く、アクアリウムや魚の飼育入門に最適な魚です。

しかし、そこは生き物である以上しっかりとした環境を整えてから飼ってあげたいですよね。

そこで今回は金魚を飼う上でのポイントをご紹介します。

バクテリアを発生させる

金魚を入れるより先に、水槽内に「バクテリア」を発生させます。

水槽内には数種類のバクテリアが存在していて、このバクテリアがきちんと発生しているか否かが金魚飼育で最も重要だと言えます。

まず水槽に濾過フィルターを稼働させ、(可能なら)エアレーションをします。

そしたら水槽に魚を1~2匹投入します。

この魚は「パイロットフィッシュ」と呼ばれ、バクテリアを発生させる為の謂わば「先達」です。

「パイロットフィッシュ」を入れて数日から1週間程すると、アンモニア濃度が高くなっていきます。

アンモニアは魚に有害な物質ですので水槽の水を3分の1程度変えます。

それからまた1週間程経つとアンモニア濃度が下がり、今度は亜硝酸濃度が高くなります。

これも魚には有害ですので、また3分の1程度水を変えます。

最終的には亜硝酸濃度が下がり、硝酸の濃度が上がります。

ここまで来てようやくその水槽は安心して魚が住める環境となります。

ここまでに3週間から1ヶ月かかります。

面倒な方は市販のバクテリアキットがあるので、こちらを使用するのもオススメです。

餌のあげ過ぎには注意

餌を食べる姿が可愛くてついついあげ過ぎてしまうかもしれませんが、餌のあげ過ぎは水質悪化の元です。

金魚が食べ残した餌は何れ腐敗し、金魚に有害なアンモニアを発生させます。

バクテリアの発生がしっかりしていればアンモニアを分解してくれますが、食べ残しが大量にあるとアンモニアも大量に発生して、分解が追い付かなくなってしまいます。

金魚は半年絶食しても死なないと言われる程、丈夫な魚です。

餌は毎日あげる必要は無く、むしろ1週間位の絶食なら金魚の健康にいいとさえ言います。

ここは金魚の為にも餌をあげ過ぎないようにしましょう。

水温はなるべく一定に

金魚が快適に過ごせる水温は、大体15度から28度と言われています。

金魚は他の魚に比べると水温の変化に強く、順応性にも優れていますが、はやり水温の変化が少ない方が金魚に負担は少ないでしょう。

大きな水槽で飼育をすれば、水はたっぷり入っている訳ですから水温は変化しにくいです。

しかし小さな水槽では、夏場などはあっという間に水温が上がって金魚が弱ってしまう、なんて事もありますので、飼育する際はなるべく大きな水槽での飼育をオススメします。

市販のクーラーやヒーターを使用すれば、年間を通して水温を一定に保つ事が出来ますが、こういった機材は高価な物が多く、手が出ない場合がほとんどです。

水槽は日の当たらない場所や空調の近くに置くなどして、色々と工夫をする必要があります。

金魚の飼い過ぎに注意

初めは一匹だったのに、欲が出て次々に増やしてしまい、気付いたら水槽が金魚だらけ。

金魚を飼っているとそんな事が起こり得ます。

沢山いた方が確かに華やかですし、金魚は1匹だと死にやすいとも言います。

しかし沢山買い過ぎると水槽の中の酸素が不足してしまって酸欠で弱ってしまいます。

また金魚が沢山居ますとそれだけ多く糞をしますので、アンモニアの大量発生で水質悪化を招いてしまいます。

30㎝から45㎝の小型水槽なら小さな金魚4~5匹か、大きな金魚2匹程度を目安にしておきましょう。

また、飼育の際は和金と流金を一緒に飼育するのはオススメ出来ません。

流金は泳ぎが遅く体も柔らかい為、和金のヒレで怪我をしたり、ぶつかられて傷付いたりしてしまいます。

種類の違う金魚を同じ水槽で飼うと、ストレスを与える原因にもなりますので、なるべく同じ種類同士で飼う事をオススメします。

ストレスを与えない事

ストレスは人間だけでなく、魚にも大敵です。

家の水槽に連れて来られたばかりの金魚は、新しい環境に慣れるまでは余り構わないであげます。

透明な水槽では金魚からも人間が見えるので、慣れていない内に構い過ぎると警戒して余計なストレスを与えてしまう事になりかねません。

特に出店の金魚すくいで取ってきた金魚はストレスが溜まっていますので、洗面器や透明では無い容器で1週間程度何もせずに放って置いてあげると良いでしょう。

水温と水質および酸素が金魚の飼育には大切

金魚を飼う上で最も重要な点は、しっかりとした水作りと水温・水質・酸素の管理です。

金魚は水の中の生き物ですので、水を如何に状態良く保つが飼育のポイントとなります。

水温・水質・酸素さえしっかり管理していれば、丈夫な魚です。

大事に育てると10年以上生きるので、犬や猫を飼うのと同じようにしっかりとした計画と管理の下で飼育するようにしましょう。