金魚は通常「共食い」はしないといわれています。
ただし、大きさが極端に違う金魚同士や、弱っている金魚がいたりするとちょっかいを出して食べることがあります。
金魚は好奇心旺盛で、また雑食性なので何でも食べようとする魚です。
時には、死んでしまった仲間を突いて食べる場合もあります。
普通に飼っている限りは共食いの心配はほとんどないと言っていいくらいですが、いくつか注意点もあります。
ここでは金魚を共食いさせない方法についてご紹介します。
大きさの異なるもの同士で混浴させない
大きさが違いすぎる金魚同士を一緒に飼うのは、共食いの原因となるので危険です。
体長で2倍も違うような金魚を混泳させることは避けた方が無難です。
必ず共食いが起きるとは限らないのですが、例えば大きな金魚が小さな金魚を追い回して突いたりすると、小さい金魚は疲れて弱ってしまいます。
こうなると小さな金魚にとっては非常に危険な状態となり、最後には食べられてしまうこともあります。
金魚ではありませんが大きな魚のエサとして、小さな和金が与えられているのをペット屋さんなどで見かけたことはありませんか?体長数十センチもあるような魚は、数センチの金魚など一飲みにしてしまいます。
大きな魚が小さな魚を食べるのは珍しいことではなく、むしろ自然界では当たり前といっていいでしょう。
金魚同士でも、例えば稚魚などは親と一緒にしているとバクバク食べられてしまいます。
共食い以外の理由からも、大きさの異なる金魚を一緒に飼うのは案外難しいものです。
例えばエサやりにしても食べる量が違いますから、それをコントロールするのは大変です。
いずれ、極端に大きさの異なる金魚は別々に飼った方が飼いやすいですし安全です。
相性の悪い種類同士を混浴させない
金魚の飼育では、和金などの長い形をした金魚と、琉金などの丸い形の金魚は分けて飼ったほうが良いといわれます。
これは、和金などの金魚は泳ぎが上手なのに対し、琉金などの金魚は泳ぎがあまり得意ではないことに起因しています。
泳ぎの得手不得手によって、エサの食べ具合も変わってきます。
泳ぎの上手な金魚はエサもすばやくたくさん食べることができますが、泳ぎの苦手な金魚はそうもいきません。
こうなると体格差も生じやすくなりますし、力関係が生じて泳ぎの上手な金魚は泳ぎの苦手な金魚を追いかけたり突いたりします。
その結果、追い掛け回された金魚は弱ってしまい、最悪共食いの餌食になりかねません。
自然界は弱肉強食の世界ですから、弱いものは食べられる運命にあります。
なので、強い弱いの優劣がつきやすい種類の金魚同士は、一緒に飼わないようにするべきです。
それに、基本的に丸い金魚は人の手で改良を重ねて作られた金魚なので、丈夫さという点でも弱い品種が多いです。
一方、長手の和金などは、人の手があまりかかっておらず原種のフナに近く、丈夫であり泳ぎも上手です。
こうした金魚同士を一緒に飼うのは悲劇を生み出す要因となってしまうので、止めておきましょう。
弱い金魚を混浴させない
金魚も生きるのに必死ですから、食べられるものは極力食べようとします。
近くに弱っている金魚がいると、元気な金魚は追いかけたり突いたりします。
おそらくは最初から食べてやろうとは思っていないかもしれません。
最初は、ちょっかいを出して相手の出方を伺っているようにも見えます。
そうやって力関係を確認しているのかもしれませんし、単に弱い者いじめなのかもしれません。
そしていよいよ弱っていることを知ると、場合によっては突いて一部を食べてしまったりします。
金魚は相手が弱っているかどうか敏感に察知するようです。
大きさの違う金魚や相性の悪い金魚同士を一緒にすると、最後は強者弱者の関係になってしまい、弱いものが襲われる結果になってしまいます。
したがってこれら以外のケースでも、例えば体長を崩しているとか病気で弱っている金魚は、別容器に隔離して静かに治療する必要があります。
親金魚を稚魚から離す
産卵して孵化した稚魚は、親金魚から隔離しないと食べられてしまいます。
体格が極端に違うと言ってしまえばそれまでですが、せっかく生まれた赤ちゃんが食べられてしまうのはなんとも可哀想ですよね。
金魚にとっては生まれたばかりの稚魚は、他の小生物同様単なるエサでしかありません。
親子の愛情とかそういうものは金魚にはありません。
金魚は雑食性で口に入るものは何でも食べてしまうので、そのままでは赤ちゃん金魚もその対象になってしまいます。
稚魚を食べられないようにするためには、親金魚と稚魚は一緒にしてはいけません。
金魚はなんでも食べる雑食性ゆえに、同じ金魚同士で弱った金魚や稚魚なども食べてしまうことがあります。
こうした現象は金魚に限らずいろいろな魚で見られ、メダカなども共食いをする魚として知られています。
自然界ではこうした共食いは決して珍しいわけでもなく、よく見られる現象です。
しかし、ペットとして飼育している限りでは極力避けたいところですよね。
飼い方に気をつければ金魚の共食いは防げる
実際、金魚の大きさや種類や力関係など、しっかり理解したうえで飼うことができれば、かなりの確率でこうした共食いは避けることができます。
共食いをさせるために飼っているわけではないのですから、今一度金魚の習性について理解を深めたいところです。